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11/18
2016

速すぎるスピード”が懸念も、“さらなる上値追い”への期待は募る…!?

 想定していた流れとは異なりましたが、“トランプリスクを乗り越えて…”はとりあえず実現…。

 

 トランプ新大統領誕生は確かにサプライズでしたが、その後の“トランプ期待(トランプノミクス、トランポノミクスとも…)”はさらにサプライズでした。1.71%前後で推移していた米10年国債利回りは2.30%超へと急上昇し、これに引っ張られる形でドル円は主だったテクニカルラインを次々と突破して、17日には110円の大台ラインに到達しました(①)。

 

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 “トランプ期待”が台頭した理由としては、「穏やかな勝利演説からくる“現実路線への期待感”」「米上下両院とのネジレ解消からくる“大規模経済政策への期待感”」等いくつかありますが、最も大きいのは「財政支出+大型減税から派生した“インフレ観測”」と見られます。これが冒頭で記した急激な米国債売り(利回りは上昇)をもたらし、ドル円をけん引した印象があります。また“米12月利上げ観測”や、日銀が初めて指値オペを実施したことに伴う“日米金利格差拡大観測”も、ドル買い・円売りを側面から援護射撃したとも考えられるところです。

 

 現在の相場環境は「買いにくく、売りやすい」へと傾斜していますので、つまり売り方は“担がれ(持ち上げられ)”、場合によっては“踏み上げられた”ことで、疲弊していると考えられます。一方で“上昇スピードの速さ”から、多くの機関投資家は“ドルを買い遅れている”と見られます。そうなると、押したところでは“すぐさまドル買いに動いてくる”といった展開が期待されるところです。110円を突破したことから“国内輸出企業のドル売りニーズ(為替予約)”も考えられますが、“上値を押さえる”としても“大きく下押す”には力不足と見られます。

 

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 もっとも懸念材料がないわけではありません。まず気になるのは、“ドルインデックス”の推移です。“100ポイントに近づく”とドル高懸念発言にて上値を押さえられてきた経緯を持っていますが、すでに現在は“2003年4月以来の101ポイント台”へ上昇しているからです(②)。つまりいつドル高けん制発言が入ってもおかしくなく、急反落への懸念が頭をよぎります。

 

 しかし “昨年3月(100.37ポイント)/昨年末(100.57ポイント)”にて形成してきた“ダブルトップ(③)”を、今回の上昇で“上方向にブレイク(④)”し的他格好になります。ドル高懸念発言が入ってこないとはいえませんが、少なくともテクニカル的には“もう一段の上値追い”が期待できるところです。

 

 もう一つは、スケジュール的なものです。24日に感謝祭(サンクスギビングデー)を迎えますが、投機筋の多くはこれをキッカケにして“長い休暇に入る”ことが少なくありません。「感謝祭前は阿呆になって流れに付け」とは、いわゆる“休暇前の一稼ぎ”を鑑みたマーケット格言の一つですが、現在はこれを地で行く展開ともいえます。つまり今回のドル急騰はこの可能性が高く、感謝祭前には利益確定売りが入る可能性が否定できません。 “上昇スピードの速さ”を考えると、例えポジション調整に留まったとしても“値幅は大きくなる”可能性が否めないところです。

 

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 それでも“200日移動平均線(抜けた時は106.50円水準 ⑤)”“7/21高値(107.481円 ⑥)”“200週移動平均線(同108.50円水準 ⑦)”“15/6/5~16/6/24の38.2%戻し(109.191円 ⑧)”と主要な抵抗ラインを次々と突破し、“110円の大台”にもしっかりと乗せてきた動きを考えると、“同50%戻し(112.371円 ⑨)”、さらには“心理的な節目”とも重なる“同61.8%戻し(115.550円 ⑩)”への期待は膨らむばかりです。

 

 “期待先行の上昇”というものは往々にして“どこかで崩れる”ものですが、今回は“最も懸念される不透明感が買い圧力の原動力”になっている節もあります。就任式は来年1/20、批判されにくいハネムーン期間(就任後100日間)を考えると、来年春先まで“トランプ期待”は残る可能性もあります。利益確定売りをそろそろ警戒しなければならない局面に入ってきていますが、 “押したところはすかさず買い拾い”“ドル買い継続”と見たいところです。

 

(2016年11月18日執筆)

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武市 佳史

ファイナンシャル・プランナー 武市 佳史(takechi yoshifumi)

大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)、テクニカルアナリスト。
日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。数多くの一般投資家と接しながら、現在はFX大手「マネーパートナーズ」のチーフアナリストとして、為替コラム執筆やWebセミナー講師を務めるのみならず、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。「初心者には分かり易く、上級者も納得」がモットー。