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12/16
2016

現在の“往き過ぎ観測”に違和感あり…!?

 ドル買いが止まらない…。節目の115円をあっさりと突破(①)すると、FOMCでは117円ラインも突破(②)。さすがに高値警戒感の台頭から“上値の重さ”が意識された昨日でしたが、結果的には118円後半へと駆け上がっています。

 

20161216take1(日足)

 

 トランプ米大統領が誕生した11月9日安値(101.191円)からの上昇幅は、1ヶ月ちょっとで17円超(③)。ここまでドル円がボラティリティを高めたのは本当に久しぶりです。その上昇スピードにマーケット関係者ならびにテクニカルを齧ったことのある方の多くは、戸惑っているのではないでしょうか。ただその急過ぎるスピード感の割に「過熱感はそれほどでもない」というのが、個人的な印象です。

 

 …というのは、ドル上昇のキッカケはいうまでもなく“トランプ期待”ですが、これを一言でいうなれば「何かうさんくさい」ではないかと思っています。大概が“半信半疑”で付いてきたに過ぎず、“往き過ぎ感”も常について回った印象があります。このため“そろそろ天井⇒反落”との思惑が幾度となく台頭し、その都度、かき消されてきたという経緯を持っています。つまりテクニカル的には“押しらしい押し”が見られていませんが、実は“その都度振るい落とされてきた”…?“過熱感はそれほどでもない”という印象を持つのは、このためです。

 

 もう一つ、現在は“トランプ期待”から“来年の米利上げペース”へテーマが移った印象があります。いうなれば“ドル押し上げエンジンが入れ替わった”状況ですが、それでいて“往き過ぎ感”を囃す際は“この2つを一緒くた”にしている印象があります。当然、現在の“上昇スピードならびに値位置のみ”を背景にした“往き過ぎ感”にならざるを得ませんので、違和感を覚えざるを得ないということになります。

 

20161216take2図②(週足)

 

 前回も記したように“いつまでも上がり続ける”はありませんので、いずれかの時点で“頭打ち⇒反落”に転じることでしょう。ただしテクニカル的に見ると、日足では“15/6/5~16/6/24の76.4%戻し(119.484円 ④)”“2/3高値(120.032円 ⑤)”辺りまで主だった抵抗ラインが見当たらず、現在の118円台は“あまりにも中途半端”です。それでいて週足・一目均衡表では、A.転換線が基準線を上回る(⑤)、B.遅行スパンが26本前のローソク足を上回る(⑥)、C.現在のローソク足が支持抵抗帯(雲)を上回る(⑦)という、いわゆる“三役好転(A&B&C)”が示現しており、さらなる上値追い期待が台頭しやすくなりつつあります。

 

 120円が迫る状況ですので、確かに「高値掴みはしたくない」との意識が働きやすく、年末・クリスマスを控えたスケジュール感を考えると「いつ調整が入ってもおかしくない」との懸念も頭をよぎるところです。また1ヶ月ちょっとで17円超の急騰であることを考えると、2~3円の調整は覚悟しなければならないかもしれません。しかしそれがこれまでの「押し目待ちに押し目なし」の様相を作り、「もうはまだなり…」を演出してきた感が否めず、それでいて前記したように「過熱感はそれほどでもありません」…。

 

 やはり強烈な“リスク回避姿勢の台頭”、あるいはファンダメンタルズ/需給に影響を及ぼす“ドル高けん制発言”でも飛び出してこない限り、引き続き “ドル買い基調は継続”“押したところは買い拾いも継続”と見たいところです。まずは“次なる節目(120円の大台ライン)”に向けて…。

 

(2016年12月16日執筆)

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武市 佳史

ファイナンシャル・プランナー 武市 佳史(takechi yoshifumi)

大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)、テクニカルアナリスト。
日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。数多くの一般投資家と接しながら、現在はFX大手「マネーパートナーズ」のチーフアナリストとして、為替コラム執筆やWebセミナー講師を務めるのみならず、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。「初心者には分かり易く、上級者も納得」がモットー。