ホーム > コラムの泉 > 現役チーフアナリスト武市の勝率UPに導くテクニカル手法 > ドル円により影響を与えるのは、“リスク回避/選好”と“日米金利格差”…!

迷ったらココ!期間限定

1/27
2017

ドル円により影響を与えるのは、“リスク回避/選好”と“日米金利格差”…!

 トランプ新政権を巡る思惑は、依然として“期待と不安”が交錯しています。

 

 昨年11月以降、トランプ期待を背景に大きく上昇したドル円ですが、経済・財政を巡る具体策が一向に見えてこない中、“保護主義⇒ドル安”への思惑が前面に押し出されています。就任式前のポジション調整が重なったこともあり、ドル円は“118.658円⇒112.526円”へと大きく押し下げられました(①)。一方で“大型減税&インフラ投資”への期待感は依然として根強く、大きく崩れるには至っておりません。再び下値を拡大しつつあったドル円は“112円を割り切れずに反発”、しかしながら“115円台では上値を伸ばせずに押し戻される”といった具合で、1月末を迎えつつあります(②)。

 

take01

 

 “保護主義=輸出増による経済成長”と考えれば、“ドル安”が囃されるのは至って自然な流れです。2014年半ば以降「ドル高が米企業収益を圧迫」しているのも事実ですので、「ドル売りの思惑はそう簡単には払拭しない」でしょう。しかしトランプ大統領は“雇用・生産・投資の増加⇒米国内に企業(産業)を回帰(※ドル高要因となる)”という“相反する政策”も謳っており、これが“トランプ期待の源泉”となっています。詳細が出てこない以上“期待外れ感の台頭”はやむを得ませんが、ハッキリしないということは“失望感にも至りづらい”、つまりは“期待感は残る”と考えるのが自然です。そうなるとこちらも「期待感もそう簡単には払拭しない」ということになります。

 

take02

 

 テクニカル的に見ると、“ダブルトップ(12/15高値-1/3高値)”を形成して(③)下げてきたものの、“11/9~12/15の38.2%押し(111.986円 ④)”には至っておりません。一方でここにきてにわかに“ダブルボトム(1/18安値-1/24安値 ⑤)”を形成しつつありますが、完成となる“ネックライン(1/19高値:115.613円 ⑥)”にはまだ達しておりません。こうして“概ね112-116円のレンジ推移”となり、方向感が定まっていない状況だけに“目先は不安定な揺れ動き”を覚悟せざるを得なくなっています。

 

 それでも「NYダウは2万ドルを突破」「米10年債利回りも一時2.55%台へ急上昇」等、現状は“リスク回避に傾斜”する地合いではありません。そして25日のように“連動しない”ことがあったとしても、ドル円の方向性に最も影響を与えるのはやはり“リスク回避/選好の有無”と“日米金利格差”、それも“インフレ率を差し引いた実質金利の日米格差”です。

 

 米景気は回復基調を維持し、労働市場は逼迫しつつあります。これに伴いFRBは「2019年末まで年2~3回の利上げペース」を想定していますが、前記“インフラ投資”等がこれに重なるようなことがあると“ドル買いに拍車”がかかる可能性は否めない…?一方で日銀は27日、国債買い入れオペにて5-10年債の買い入れを400億円増額しましたが、一部で囃された“量的緩和の規模縮小(テーパリング)”を希薄化させるには十分…?

 

 “保護主義/米金利先高観(日米金利格差)”のどちらに重点を置くか?で方向感は変わってきますが、112.50円付近には本邦勢の巨大なドル買いオーダーも観測されています。トランプ大統領の就任式前後から調整を演じてきたドル円ですが、“早晩、ドル高トレンドに回帰”への期待は、やはり高まるばかりです。

 

(2017年1月27日執筆)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • シェアする

ブロガープロフィール

武市 佳史

ファイナンシャル・プランナー 武市 佳史(takechi yoshifumi)

大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)、テクニカルアナリスト。
日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。数多くの一般投資家と接しながら、現在はFX大手「マネーパートナーズ」のチーフアナリストとして、為替コラム執筆やWebセミナー講師を務めるのみならず、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。「初心者には分かり易く、上級者も納得」がモットー。