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2/6
2017

今週の為替相場を考える・注目材料(2月6日~10日)

ドル安政策への変化を疑う動きへ。週末の日米首脳会談を目にして、円相場の流れを予測することは難しく、貿易不均衡の是正要求のリスクヘッジに円高傾向の流れは変わらず。

 

トランプ米大統領の選出から続いたドル高は、2017年に入りドル売りへと変化し、強硬な移民規制に米国内外から反発が強まり、その流れは止まらず。ドル高が復活するにはトランプ政権から明確なドル高政策を示唆する発言が必要になっています。

 

今週は、主要国で重要な経済指標や金融政策の発表が極めて少ない週で、円相場がリードするドル売りの流れが継続するのか、それとも、反転するのか、週末の日米首脳会談の結果を見守る流れが続く可能性が高いと言えるでしょう。

 

リスクはサプライズの円高で、投機筋が円高を試す可能性を意識しながらも、トランプ大統領の得意とする交渉術「飴と鞭」の政策を考えれば、予想外に友好ムードで終わる可能性も消えず、結果はポジションを一方向に傾け、維持することも難しい状況は変わっていません。

 

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先週までの流れを振り返ってみましょう

 

【先週はドル売りの流れ止まらず】
先週は、米国の貿易不均衡がテーマとなり、米国から円安誘導との非難をうけた円相場の上昇が進み、IMM通貨先物市場での円のショートポジションが減少する流れが止まらず、主要国通貨でも同じような流れが続いています。

 

【先週は円の上昇はNO.1で、ポンドは伸び悩む】
前週比を変化率で見れば、USDJPY-2.19%と最も高くドル売りをリードし、次いでAUDUSDの+1.8%。トランプ政権からドイツの貿易黒字が問題視されたEURUSDも+0.88%の上昇となっています。

 

逆にGBPUSDは弱く-0.51%と、英国のEU離脱プロセスが明確になり、白書を公表した結果にも拘わらず、将来の英国経済への不安感は払しょくできない結果と思われます。

 

【2017年に入りドル売りの流れが止まらず】
週足でみると、USDJPY相場は、12月16日週の118.60台→112円台まで7週間かけて下落。EURUSDも1.0400割れを4週間続けた後、1.0340台→1.0830へ上昇、AUDUSDは12月23日の週0.7160台→0.7700直前へと上昇していますが、GBPUSDは1.2000近辺→1.2700へと上昇しながらも、昨年10月のフラッシュ・クラッシュ後は1.2800の大台を超えられずにいます。

 

【米金利は伸び悩む】
注目のFOMCでは、米金利の上昇傾向は変わらず、より大幅な利上げを求める動きがある反面、トランプ政権の政策の結果を見極める安全策なのか、3月の利上げ期待は弱まり、米金利は低下気味です。FFレートと連動性の高い米2年債利回りは先週末1.1969%で終了し、昨年12月に米利上げをした週の終値1.25%をつけてからは、伸び悩み1.2%前後で推移しています。

 

【米株は上昇止まらず】
NYダウは2万ドルの大台を達成、日経平均株価は週間ベースでは19500円台を超えることはできずにいますが、19000円をベースにし底堅く推移しており、今までの株高=円安の連動性は弱まる傾向にあります。

 

【CFTCのIMM通貨先物は通貨ショートが減少】
市場のセンチメントを理解する上で、重要視しているCFTCのIMM通貨先物市場では、通貨ショートが4週連続で減少し、相対的にドルの弱さが目立っています。

 

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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】

 

◎USDJPY【予想レンジ 111.00~113.50】

 

USDJPYは、円相場のアキレス腱となっている「貿易不均衡是正へのプレッシャー=円高への圧力」がトランプ大統領や政権担当者から指摘されてはどうしようもない。「株高=円安」の方程式は有効性が薄らぎ、積極的なドル買いも弱まり、逆に必要外の円ショートを解消する動きは止まらず。

 

日銀のスタンスが10年債利回りを明確に0%上下±0.01%に固定してくれるのか? 先週の日銀のオペで上下変動した円相場をみれば、不安でなりません。

 

結論として、10日の日米首脳会談の結果待ちで投機筋はやや円ロングへと傾きやすいが消極的。ポジション調整と実需筋の動きが市場をリードすることになりやすく、レンジは先週の112~114円のコアから、下値リスクは解消できず。

 

CFTCの円ポジションは引き続き高水準ながら、5週連続でショートが減少しており、円先安期待は弱まっている。

 

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◎EURUSD【予想レンジ 1.0700~1.0850】

 

EURUSDは、先週コアで1.0700~1.0800と、1.0800の上限を抜けてからも加速できず、米当局者の独貿易黒字(ユーロ安)を問題視する発言もあり、逆に低下。過去3週間の変動率も、+0.55%、-0.07%、+0.88%と緩やかで、今週もEURGBPの影響をうけながらも、緩やかな上昇が期待したいが、円相場の変動次第では、上下を抜け出す可能性も。

 

CFTCのユーロ売りポジションは2週連続で減少。ただし、前週からは半減以下と減少の流れは落ち着いてきている。

 

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◎GBPUSD【予想レンジ 1.24000~1.2700 】

 

GBPUSDは先週1.24~1.2700のレンジで推移し1.2800の重要のポイントを試す動きも見られず。メイ首相のEU離脱のプロセスの発表後は底堅い値動きとなるも、BOEの緩和策継続に、利上げ期待が払しょく。主要国でドル売りが進む中で、週終値では逆に低下して、上昇傾向が弱まっている。

 

今週は特に重要な発表もなく、上下のレンジ内での動きが予想される。1.28は昨年12月序盤の高値水準に位置し、1.28の水準は7月序盤のボトム当たり今後の重要なポイントになっていることに変わりない。この水準を超えると上昇力も本物か? 

 

CFTCのポンド売りポジションは、2週連続で減少を続け減少しポンド売りのセンチメントは後退中。

 

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◎AUDUSD【予想レンジ 0.7600~0.7800】

 

UDUSDは、上限となっていた0.7600の大台をクリアし、上昇傾向を維持している。0.7500の下限から0.7600台へとスライドし、どこまで上昇することができるのか? IMM通貨先物では、NZのショートが急減していることもあり、理由は不明ながら資金が移動している可能性も。

 

CFTCの豪ドル・ポジションはショートからロングへと変化して3週間過ぎ増加中で、予想外に強さを維持している。

 

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今週の主な材料

 

日米首脳会談が主役で、日銀のスタンスは波乱要因。主要国の経済指標や金融政策は少なく、豪州&NZの金融政策と、カナダの雇用統計を注目。

 

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【日米首脳会談】
10日(金)の日米首脳会談では、日本がどのようなお土産を持参して、その結果に、トランプ大統領がどのように反応するのか? 結果として為替相場どう反応するのか? 

 

一部報道では、ワシントンでトランプ大統領と首脳会談をした後、エアーフォースワンでフロリダ州パームビーチに移動し、トランプ氏とゴルフのプレーをするとの案もあるとのこと。考えるだけでも興味深い週末になりそうです。

 

事前の報道では、トランプ大統領が目指す「米国のインフラ投資に4500億ドル(約51兆円)の市場を創出し、70万人雇用を作る」とあります。安倍首相は「日米成長雇用イニシアチブ」をお題目にし、日米の成長と雇用をもたらし、絆を強化することを目標としていることでしょう。

 

スパイサー・ホワイトハウス報道官は、日米首脳会談の議題は「貿易や安全保障が多く含まれる」と発言しており、米国は日米の貿易不均衡の是正を求めることは必至です。自動車輸出問題など日本の対米黒字問題の激化を抑えることができるのでしょうか? USDJPY相場の大きな影響は避けられそうにありません。

 

安全保障では、マティス国防長官の来日で、日本は「防衛力を強化し、役割の拡大をはかっていく方針」、米国は「在日アメリカ軍の駐留経費で、日本とのコスト分担の在り方は他国にも手本になる」と発言しています。

 

各国の駐留米軍経費の負担率ですが、日本は74.5%。韓国は40.0%、ドイツは32.6%にとどまり、日本は突出して高かったことを評価していると思われるが、それをさらに増額することになるのか? 日米首脳会談を注目しましょう!

 

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【日銀のスタンス】
先週3日(金)に日銀の輪番オペに円相場が急変するなど、中長期的な日銀のスタンスを見極める必要がありそうです。

 

日銀は10年債利回りをゼロ%近辺で推移するように国債を買い入れており、市場が予想する±0.1%のレンジ枠を上回り、一時0.153%まで上昇したことでUSDJPYは1113.10円台→112.50円台へと円高へと動きました。(指値オペがなかったことで)

 

これに対して日銀は、2か月半ぶりに指定した利回り(0.11%)で国債を無制限に買い入れる「指値オペ」を実施しました。計7,239億円分の国債を購入し、USDJPYは112.60円台→113.20円台へと円高→円安へと切り替わっていました。今後も、日銀のスタンスや10年債利回りの動きに注意が必要です。

 

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【経済指標&金融政策】
米国発の経済指標はいつもながら重要で、中国初の経済指標も要注意ですが、米国を含め久しぶりに主要国での最重となる経済指標や金融政策の発表も少なく、豪州&NZの禁輸政策とカナダ雇用統計の注目度が高まっています。

 

「米国」
2/6(月)労働市場実勢指数(LMCI)
2/7(火)貿易収支、JOLT労働調査(求人件数
2/8(水)米10年債入札
2/9(木)新規失業保険申請件数、卸売在庫&卸売売上高、米30年債入札
2/10(金)日米首脳会談(ワシントン)、輸入物価指数、ミシガン大学消費者信頼感指数、

 

「中国」
2/7(火)財新総合PMI
2/10(金)貿易収支、人民元建て新規融資

 

「豪州」
2/7(火)豪中銀 金融政策発表=政策金利1.5%の据え置きを予想していますが、いつもながら中銀の声明に市場の変化度合いは高いイベントで、AUDUSDやAUDJPYのポジション管理には十分注意が必要です。

 

「NZ」
2/9(木) NZ中銀 金融政策発表=政策金利1.75%の据え置きを予想。ウィーラーNZ中銀総裁記者会見。午前5時の米国市場の終盤で、欧州市場が終了した後の時間帯だけに、通常よりもインパクトは大きく、上下変動のリスクが高いイベントです。中銀総裁の記者会見を含め「動くことは当たり前」との考えて臨んだほうがよさそうです。

 

「カナダ」
2/10(金)カナダ雇用統計は、失業率=予想6.9% 前回6.9%、雇用者推移=予想0.0人 前回53700人と大幅な低下を予想。金曜日で他に重要なイベントも見られず、USDCADやCADJPYを中心にして動きが強まりそうです。労働参加率や(予想65.8% 前回65.8%)、フルタイム雇用者(予想 前回81300人)、パートタイム雇用者(予想 前回-27600人)も併せて見る必要があります。

 

その他を含め詳細は、経済指標の予定表をご覧ください。

 

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ブロガープロフィール

太田 二郎

FXストラテジスト 太田 二郎(ohta jiro)

FXのスタートはすでに35年近く前に遡る。外資系銀行でFXを学び現在に至る。米 系・英系・独系・オランダ系の外銀を経て、日本のFXリテー ル・ビジネスの草 分けとして米系支店の設立を経て、多くの個人投資家と関わりをもち、現在に至 る。現在は投資助言会社の業務部長を兼任し、頻度は 少ないながらも、セミ ナー講師をし、業界紙へFXコメントを掲載中。
信条は、「Once a dealer, always a dealer」教訓は、「FX Dealerは、全ての 面で人の手本となるべき」