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2017

今週の為替相場を考える(2月27日~3月3日)

トランプ氏が1月20日に米大統領に就任して、すでに一月が過ぎ、今週は早くも3月を迎えようとしています。フリン大統領補佐官は辞任し、移民政策は一時停止され、これに変わる新たな政策の発表が待たれます。

 

28日のトランプ米大統領による「上下両院合同会議での演説」で、移民政策を含め、外交・軍事・経済・通商問題が取り上げられると思われ、為替相場に影響を及ぼすことになりそうです。非常に重要で、その結果で方向性が見えにくい現時点の為替相場の変化を期待したくなります。

 

為替相場を過去3週、終値ベースの変動率で振り返るってみると、ユーロ圏主要国の政治的なリスクなのかEURUSDの下げ幅は最も大きく、−1.39%、−0.25%、−0.46%と3週連続で下落。一方のUSDJPYは、日米首脳談後から円高景況が強まり、+0.6%、−0.29%、−0.67%と2週連続で円高傾向となっています。

 

また、円クロスでも、EURJPYとNZDJPYは3週連続で下落、GBPJPY、AUDJPY、CADJPYは2週連続で下落しており、全体的な値動きは円高+ドル高になっています。先週だけを見ても、EURJPYは−1.14%(136.2pips)、CADJPY−0.73%(−62.5pips)の下げで、EURJPYのショートが円絡みを含め主要国通貨の中では最も高パフォーマンスでした。

 

最新のIMM通貨先物市場のポジションを見ても、資源価格との連動制が高い豪ドルやカナダドルのロングが拡大し、逆に、政局へとEU離脱のリスクにユーロとポンドのショートが拡大する流れと、リスク回避の流れにスイスと円もシートが減少する動きとに分類され、複雑な流れとなっています。

 

USDJPYの円高傾向が持続する条件を大まかに考えると、①株安+②米金安+③リスク回避+④クロスでの円高傾向+⑤資源価格の低下等が考えられます。

 

では現状はどうでしょう? 米株や新興国株の上昇に反し、日本株は伸び悩み、米10年債・2年債利回りは、トランプ氏が大統領に選出されて以降は高値圏にとどまっているも、12月中旬から伸び悩んでいます。原油価格はOPEC・非オペックの減産合意後は50ドル台前半で安定し動かず。円クロスでは12月中旬のピークに円安水準を維持するも伸び悩みを示すなど、テクニカル的に円高期待が強まる中でも、取り巻く状況は複雑です。

 

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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】

 

◎USDJPY【予想レンジ 111.50~113.50】

 

チャートパターンはドル売り・円買いの継続を示唆しており、ファンダメンタルズの円売りとは逆の動きが続いています。28日のトランプ米大統領議会演説でドルに対する信認が高まることができるのでしょうか? 結果を出るまでは判断はできませんが、米国民に与えるメッセージとしてはドルに対してポジティブであると考えることができます。

 

いずれにしても、111.50~115円のレンジを抜け出すことができるのでしょうか? 更なる円高には111.50円を割り込むことができるか焦点で、その原動力となるのは、いつもながら円クロスで円高が続くことが条件になります。

 

その、EURJPYですが11月29日の安値118.50台を割り込み、Dailyの終値ベースでも11月28日の118.70台を割り込み、先週末は118.30台でクローズしています。また、NZDJPYは12月23日来の安値80.40台を意識する80.50台を、クローズベースでも80.60台とほぼ同水準で終了し、共に円高傾向の継続を示唆していますが、こちらの動きも注目しています。

 

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◎EURUSD【予想レンジ 1.0500~1.0650】

 

仏大統領選の世論調査では、決戦投票では中道・無党派のマクロンしが極右ルペンを抑えて勝利する可能性が高まり、フランスのEU離脱のリスク軽減はEUR買い材料ながら、反応は鈍いものがありました。独ドイツ連邦議会選挙の世論調査でメルケル首相の保守系与党連合の支持率が低下、イタリア大統領選は立候補者が多数と混迷、ギリシャへのIMFとEUの支援合意の動きにも、融資が実行されないなど問題が残り、材料は強弱混在です。先週は一時1.0500の大台を割り込むなど、ユーロ安の不安感は晴れません。

 

今週は、28日のトランプ米大統領議会演説が相場変動要因で、1.0500を底値に反発するのか、逆に1.0500を割り込み1.0400まで売りが加速するのか見極めが必要です。

 

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◎GBPUSD【予想レンジ 1.2300←1.2400~1.2600 】

 

GBPUSDは1.2400をボトムにし上昇傾向が続くのかと思いながらも、終わってみれば1.2600のトライは失敗し、1.2400~1.2550のレンジ相場に入っています。テクニカルでは引き続きダウンサイドのリスクは消えず、1.2500を一時こえながらも逆に圧力が強まっています。

 

今週は、他の主要国と同じく、28日のトランプ米大統領議会演説が相場変動要因で、英国のEU離脱の手続き開始の時機も近づき、1.2500近辺で収束している動きに変化を期待したくなります。

 

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◎AUDUSD【予想レンジ 0.7600~0.7750】

 

IMMのポジションでも豪ドルのロングが増加し、AUDUSDは0.77台を一時達成するなど、底堅い値動きが続いています。ただ、過去3週間の週足のローソク足では、オープンとクローズが3週連続でほぼ同水準という、なんとも言えない結果となっており、次の一手で動くことを期待したくなります。

 

Dailyチャートでは0.7500で底固め、0.7600で底固めし、0.7740台を高値に上値が重い展開となっていることで、0.7600~0.7750のレンジに収まっている流れの変化を期待したくなります。

 

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今週の主な材料(2月27日~3月3日)

 

【今週のイベント」

 

トランプ新政権の内部抗争や、為替政策や移民政策など不透明感が強まり、若干ながらドルへの信頼感が揺らぎ始めていることは確かでしょう。しかしそれが米国の将来へのステップアップのための「生まれいずる悩み」なのか、「期待感から失望感」への現れのどちらなのでしょうか? 米株は上昇し、債券は買われ(利回り低下)の傾向が続く中で、今しばらく様子を見なければ判断できない状況と考えます。

 

今週のメイン・イベントは28日のトランプ米大統領による「上下両院合同会議での演説」ではないでしょうか? 正副大統領、下院議長、連邦最高裁判事など、重要なメンバーが勢ぞろいする一大イベントとなっています。この場で外交・軍事・経済・通商問題が取り上げられると思われ、為替相場に影響を及ぼす重大発言がないとは限りません。

 

常識から考えると(?)ネガティブな発言は考えにくく、ドルに対してはポジティブ要因と考えます。ただ、直近のドル相場の動きは鈍く、逆に円高傾向となっており、他の主要国通貨では動きは緩慢で、事前に為替相場に織り込んだ値動きとは言い難い状況で、結果がストレートにドル相場に反映されることになりそうです。

 

それ以外では、3月1日に米国発の経済指標(GDP・個人所得・消費、ISM製造業景気指数)が、3月3日にはFRB関係者(イエレン議長・フィッシャー副議長など)の発言が集中しており、今週は28日の月末、1日の月初め、3日の週末が相場波乱の日になる可能性が高いと思われます。

 

日本発でも3日には全国消費者物価指数の発表が控えており、予想外の結果となれば債券や株式市場への影響と円相場への波及も気になります。

 

【今週の主な発言・イベント】
2/27(月)カプラン・ダラス連銀総裁講演
2/28(火)トランプ米大統領「上下両院合同会議での演説」、ウィリアムズSF連銀総裁講演
3/1 (水)ブラード・セントルイス連銀総裁講演、カプラン・ダラス連銀総裁講演、カナダ中銀 金融政策発表
3/2 (木) ブレナード・FRB理事講演
3/3 (金) スター・クリーブランド連銀総裁講演、エバンス・シカゴ連銀総裁、ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演、パウエルFRB理事講演、 フィッシャーFRB副議長講演、イエレンFRB議長、

 

【今週の主要な経済指標】

 

2/27(月)米耐久財受注・速報値
2/28(火)米第4四半期GDP・改定値
3/1 (水)米第4四半期GDP、米個人所得・個人消費支出、米ISM製造業景気指数、米地区連銀経済報告(ベージュブック)
3/2 (木) カナダGDP
3/3 (金) 日本全国消費者物価指数、米SM非製造業景況指数

 

詳しくは、今週の予定表をご覧ください。

 

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太田 二郎

FXストラテジスト 太田 二郎(ohta jiro)

FXのスタートはすでに35年近く前に遡る。外資系銀行でFXを学び現在に至る。米 系・英系・独系・オランダ系の外銀を経て、日本のFXリテー ル・ビジネスの草 分けとして米系支店の設立を経て、多くの個人投資家と関わりをもち、現在に至 る。現在は投資助言会社の業務部長を兼任し、頻度は 少ないながらも、セミ ナー講師をし、業界紙へFXコメントを掲載中。
信条は、「Once a dealer, always a dealer」教訓は、「FX Dealerは、全ての 面で人の手本となるべき」