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3/20
2017

今週の為替相場を考える(3月20日~3月24日)

FOMCも終わり、オランダ下院選挙も終わり、今週は相場変動の争点がぼやけていることは否めない。先週はFOMCの利上げにもより大幅な利上げを期待していた反動なのか、米金利は軟調でドルは全面安となっている。オランダ下院選挙では与党が第一党を維持し勝利、極右の躍進は抑えられ、ユーロ圏主要国の国政選挙に楽観的なムードも見られる。

 

今週は、特に重要な経済指標や発言が乏しい週となっている。再びトランプ大統領とトランプ政権の動きが注目されると思われる。つまり、G20で米国が反対した「あらゆる形態の保護主義に対抗する」文言は削除されたこと。また、米国は「通貨安競争を懸念する」と文言を入れるよう主張していたこと。米国が主張する「公正な貿易と公正は為替レート」を目指す動きが再び、相場の焦点になる可能性で高いと考えられる。

 

トランプ政権は修正後の新入国制限令に対する裁判所の差し止め命令を不服として上訴する方針を決めているが、またしても敗訴することにでもなれば、トランプ政権への信頼度の低下は避けられず。逆に勝訴すると、さらに強権をもって通商問題に望んでくる可能性も否定できず。こちらも今週の重要なテーマとなっている。

 

先週、すでに過ぎ去ったテーマも引き続き今後の課題として残っている。
オランダの与党勝利が、今後のフランス、ドイツ、さらにイタリア国政選挙へ与える影響は不透明で、EURUSDの3週連続の上昇が本物か見極めができにくいのが現状では。

 

FOMCの利上げ決定後の米金利の低下とドル安は、膨らみすぎた利上げ期待は削がれたことによる反動、米国は引き続き年内2度の利上げする可能性は高く、潜在的なドル買い要因に大きな変化はないと考えたいが、ECBもBOEも利上げムードが盛り上がるなか、ドル買い要因も一時より輝きが薄らいでいる。

 

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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】

 

◎USDJPY【予想レンジ 111.50~114.00】

 

113.50~115.502円レンジが暫く続いたが、FOMCの米利上げ決定後の急落で、3月1日の112円台の水準近くへと逆戻りしている。以降のレンジも112.50~113.60と、113.50が今のところ上限にあたり、円高ムードがにわかに高まっている。15日の複数の一大イベントが過ぎたことで市場のボラティリティーは急速に低下してはいるが、USDJPYのオプションのリスクリバーサルは、短期から長期を含めドルプットが拡大、市場の円高予測が強いことを示している。

 

一方、日米間の貿易問題や米国の為替政策が極端な円高を容認するのか? 個別交渉で輸出規制をするようになれば話はべつだが、米中間では通商問題で強硬な姿勢を示したG20を考えれば、日本だけが別枠であり続けるかは疑問で、大幅な円高への可能性も薄いのでは?

 

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◎EURUSD【予想レンジ 1.0650~1.0900】

 

3週間前は1.0500台を一時割り込みながらもユーロ買いが復活、2週間前には1.05台のボトムを固め続伸、先週は一時1.07台の大台まで上昇後、FOMCを経て1.0780台まで続伸するなど、3週連続で上昇し強さが目立っている。

 

ECBは量的緩和の縮小をすでに決定しているが、先週末はノボトニー・オーストリア中銀総裁が「主要政策金利であるリファイナンス金利より先に中銀預金金利を引き上げる可能性がある」と発言。過去にも未確認でこの手の発言は流れていたが、ノボトニーの発言でユーロにとっては強気な材料が加わっている。

 

第一陣のオランダ下院選挙は与党が勝利し事なきを得たが、続くフランス、ドイツ、イタリアの国政選挙の影響や、英国のEU離脱の申請に伴う何等かのリスクも気なるが、目先はユーロ売り圧力が弱まる要因では?

 

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◎GBPUSD【予想レンジ 1.2250~1.2550】

 

過去2週間、陰線引けが続いていたが、先週はFOMCを境に上昇へと変化、ようやく週足でも陽線引けとなっている。主要通貨の中ではEURGBPを筆頭にポンド売り傾向が続いていたが、0.8800をピークに軟化し、GBPUSDもようやく上昇力が強まっている。

 

BOEは予想外に金融政策委員のフォーブス委員一名が利上げを主張し、他の何人かも利上げ必要性の機会が近いと判断していたとの報道があり、ポンド相場のムードに変化も。

 

議会と女王はメイ首相へ英国がEUを離脱する手続きを開始するリスボン条約50条の発動を承認、一時これを材料にしてポンド売りが見られた。早ければ、今週や来週中にでも手続きが始まるが、終了までは約2年必要とのこと。また、EUは4月7日(予定)に英国のEU離脱に備えた緊急サミットを開催する。

 

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今週の主な材料(3月20日~3月24日)

 

今週3月20日(月曜)は春分の日で東京市場は休日となる。また、一足先にサマータイムへ移行している米国市場に続き、26日から英国・欧州は冬時間が終了、夏時間に移行する(3月26日~10月29日)。これで、アジア市場の終盤にかけての動きが早めに活発化する可能性が高くなりそうで注意が必要となる。

 

評価は別として、先週のFOMCを含め嵐のようなイベントが過ぎ去った。今週はその反動なのか極端に重要なイベントが少ない週となっている。3/23(木)のイエレンFRB議長の講演、NZ中銀の金融政策、3/24(金)の米耐久財受注が、最重要とは言い難いが現状の中では市場へのインパクトはそれなりに大きい。

 

それと、トランプ政権は修正後の新入国制限令に対する裁判所の差し止め命令を不服として上訴する方針を決めているが、どのような影響を与えるのか。①G20で問題視された通商分野での中国と米国との対立、②日米間での農業分野での今後の交渉の行方、③為替政策では通貨安競争を懸念すると文言を声明に入れるように主張していた米国の今後の動きも、今週のテーマに限らず継続的にフォローする必要がある。

 

3/23(木)のイエレンFRB議長の講演では、先週のFOMCで利上げを決定し、FF金利予測値では年内さらに2度の利上げを示す動きをしめしたことで、新たなサプライズは期待できそうにないが、追加の強気な発言の有無を確認したい。

 

3/23(木)のNZ中銀金融政策では、政策金利1.75%の据え置きは、ほぼ間違いなささそうで、それ以外の決定事項の有無と、声明での発言に注目したい。

 

3/24(金)の米耐久財受注は、前月比予想1.2%(前回2.0%)、除く輸送機器・前月比予想0.7%(前回0.0%)と、輸送機器を含めた耐久財受注の予想は弱い。また、製造業受注・航空機を除く非国防資本財=予想0.6%(前回−0.1%)、製造業出荷・航空機を除く非国防資本財=予想0.1%(前回−0.4%)とこちらは強い数字の予想となっている。

 

米経済指標とFRB関係者の発言だけを注目してみたい、

 

3/20(月)
エバンズ・シカゴ連銀総裁講演

 

3/21(火)
ダドリーNY連銀総裁パネル討論会に参加
ジョージ・カンザスシティ連銀総裁講演

 

3/22(水) 
住宅価格指数
中古住宅販売

 

3/23(木)  
新規失業保険申請件数
新築住宅販売件数
カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演

 

3/24(金)
耐久財受注
総合PMI・速報値
エバンズ・シカゴ連銀総裁講演
ブラード・セントルイス連銀総裁講演
ダドリーNY連銀総裁講演

 

詳しくは別表をご覧ください。

 

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太田 二郎

FXストラテジスト 太田 二郎(ohta jiro)

FXのスタートはすでに35年近く前に遡る。外資系銀行でFXを学び現在に至る。米 系・英系・独系・オランダ系の外銀を経て、日本のFXリテー ル・ビジネスの草 分けとして米系支店の設立を経て、多くの個人投資家と関わりをもち、現在に至 る。現在は投資助言会社の業務部長を兼任し、頻度は 少ないながらも、セミ ナー講師をし、業界紙へFXコメントを掲載中。
信条は、「Once a dealer, always a dealer」教訓は、「FX Dealerは、全ての 面で人の手本となるべき」