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4/17
2017

今週の為替相場を考える(4月17日~21日)

週明け月曜日はイースターマンデー(17日)で欧州市場は休場が多いが、米国市場はフル稼働へ。市場のテーマは複雑で、トランプ政権の方向転換? 軍事的、経済的、政治的な問題が為替相場の変動要因となっている。

 

トランプ大統領の「ドル安+緩和策支持」の豹変から続く、米金利の低下とドル安がどこまで続くのかを確認す週で、6月の米利上げ観測は変わらずだが、先週末の弱い米小売売上高と消費者物価指数を受け、アトランタ連銀のGDPNowはGDP予測値を下方修正し、NY連銀のNowcastも第1四半期GDP予測値を2.82→2.64%へ下方修正しているのが、若干気がかり。

 

軍事面では、北朝鮮問題をめぐる日米中の対応の問題、シリア・ISをめぐる米ロの問題。市場のセンチメントはリスク回避通貨としての円買い、「株安=円高」の流れも有効で、北朝鮮問題では当事国として日本へのリスクを気にする動きも見られず。

 

経済面では、日米経済対話で円相場の水準をめぐる動き。米財務省の為替操作国の監視対象国、日本への課題が重要。18日~19日予定の日米経済対話(麻生財務相、ペンス米副大統領・ロス商務長官)は、2月の日米首脳会談でセットアップされた貿易に関し具話し合いをする場で、具体的な成果や対応が求められそうである。円相場の変動要因で、市場は円ショートに傾きやすい状況ともいえる。また、米財務省の半期に一度の為替報告書では、日本は為替操縦国の監視対象で変わらず、貿易不均衡の是正を求められている。

 

政治的には、フランス大統領選の反ユーロ支持候補の台頭。トルコ憲法改正案の是非を問う国民投票(16日)の行方と、ビザ免除問題でEUに協力する移民政策の見直しの可能性。
23日(日)の仏大統領選、第1回選挙の世論調査では急進左派ルペン氏23.5%、マクロン氏22.5%、フィヨン氏19%、極右メランション氏19%と、急進左派と極右の支持率が上昇、トルコ政府の移民政策の見直しもあり、世論調査の劇的な変化がなければ、リスク回避のユーロ売りの流れが続く可能性も。

 

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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】

 

◎USDJPY【予想レンジ 107.50~110.00】

 

先週は、シリアへの米軍事行動によるリスク回避の動きの余波が続き、111円台半ばを高値に、米金利と米株安の流れに円全面高で、USDJPYは下限110.00を割り込み、そして、トランプ大統領の「ドル安+緩和策支持」発言もあり続落。 イースター休暇直前の薄商いのかなで、弱い米経済指標もあり108円台半ばまで続落。先週の予想レンジ「110.00~111.50→112.50」の下限を割り込む結果となった。

 

今週は、15日のXデーで心配された北朝鮮の核実験や弾道ミサイルの発射もなく(16日の朝に失敗したミサイル発射はあったが)週末リスクの巻き戻しが入りやすい状況ながら、今週は日米経済対話(18日~19日)と言う、政治的リスクが待ち構えており、結果を見るまでは円売りが加速することも期待できにくい。したがって日米経済対話の結果で相場が動くことは避けられず。

 

テクニカルではRSIDailyでは売られすぎ感は強くあるも、200日EMA=111.06円を割り込み、200週MA=110.26円をも割り込み下落している。週末に一時割り込んではいるが、200日SMA=108.60円を注目している市場参加者は多い。まずはこの水準を注視。

 

IMM通貨先物ポジションでは、円ショート・ポジションが減少し-45,800→-34,764と、円ショートは4週連続で減少している。オプションのUSDJPY1mリスクリバーサルは、2.5%とドルプットオーバーで市場は円高を強く意識したポジションをとっている。

 

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◎EURUSD【予想レンジ1.0500~1.0650】

 

仏大統領選が気がかりで、EURGBPの売りやEURJPYの売りヘッジにEURUSDは続落傾向が続き、先週は1.0570~1.0678のレンジと、先週の予想レンジ「1.0500~1.0660」近くで推移となった。

 

23日(日)の仏大統領選、第1回選挙では、4氏の支持率が急接近する中でユーロ売りの流れの変化も期待できにくい。急進左派ルペン氏と、極右メランション氏の結果が注目され、世論調査の数字の変化で、EURUSDの相場が変動することは避けられそうにないが結果は日曜日に判明するため、どこまで突っ込んでEURのショートを維持できるかは疑問。

 

テクニカルでは、200週MA=1.0850近辺を高値に週終値で超えられない状況が長く続き、先週は36日MA=1.0690を高値に超えられず、EURGBPが0.85を割り込み続落、EURJPYが115円を目指して続落し弱さが目立つ。

 

IMM通貨先物ポジションでは、ユーロショートが-11,405→-18,956と拡大し、仏大統領選を意識したショートの積み増したと思われる。オプションのEURUSD1mリスクリバーサルは、4%を超えるユーロプットオーバーで、こちらも激しいユーロ先安を織り込んでいる。

 

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今週の主な材料(4月17日~21日)

 

イースター休暇明けで投機的の動きを注目。重要な経済指標や金融政策の発表も少なく、日米経済対話とフランス大統領選第1回投票が焦点。

 

【日米経済対話(投機筋の円高思考変わらず)】
2月の日米首脳会談は予想外の友好的なムードの中、為替については「麻生財務相とペンス副大統領」で議論することで合意していた。その、日米経済対話(麻生財務相、ペンス米副大統領・ロス商務長官)が日本で4月18日~19日に予定されており、貿易不均衡是正にむけ具体的な成果を求める米国に、日本はどのような回答を示すことができるのであろうか? 

 

4月12日にトランプ大統領は貿易問題を意識してなのか、ドル安誘導とも思われるような「ドルは強過ぎる」と言い、「低金利政策が望まし」と発言。バノン主席戦略間を国家安全保障会議のメンバーから外し、イバンカ・トランプ氏と夫のクシュナー上級顧問や、企業のCEOからの助言が増えていると言われている。今までの政策スタンスに変化が目立っているように思えてならない。

 

現状は、米財務省の半期に一度の為替報告書では、日本は監視対象国で変わらず円安誘導とみなさない立場を示すも、内需を拡大し貿易不均衡の是正につなげるよう求めており、何等かの動きを期待したい。

 

【フランス大統領選第一回投】(事前の世論調査では極右・急進左派の支持が拡大し混戦。ユーロに対しては売りプレッシャーが続く)
13日現在の調査会社Ifopのフランス大統領選の第一回選挙の世論調査ではルペン氏23.5%、マクロン氏22.5%、フィヨン氏19%、メランション氏19%と、4候補の支持率が拮抗していた。いずれが一位となっても過半数を支持することは難しそうで、上位2名からなる5月7日の決選投票へと持ち込まれる。

 

極右国民戦線のルペン氏と急進左派のメランション氏。この2名の事前の支持率の変動で今週のユーロ相場が変動することになり、EURUSDはもちろん、EURGBP、EURJPYの動きにより、EURUSDとUSDJPYも影響を受けることになることは避けられず。

 

【その他】
20日~21日にワシントンでG20が開催され、合わせて21日にはIMFと世銀の総会が開催される。

 

4/18(火) 豪中銀議事録は、4日開催分で、豪ドル高をけん制する発言や、将来の利上げを期待させる発言もなく、豪ドル売りが強まっていた経緯があるが、13日の強い中国貿易収支と、好調な豪雇用者数の増加もあり、やや重要度は落ちている。

 

【経済指標】
4/20(木) NZ 第1四半期の消費者物価指数は、いつもながら発表は早朝午前7時45分で、直後の相場変動は高く、NZDのポジションがあれば注意が必要。前期比予想0.8% 前回0.4%、前年比予想2.0% 前回1.3%

 

4/21(金) カナダ 消費者物価指数は他に重要な発表もなく、直後の影響は大きいと思われ、前月比予想0.4% 前回0.2%、前年比予想1.8% 前回2.0%、コア前月比予想 前回0.4%、コア前年比=予想 前回1.6%

 

詳しくは別表をご覧ください。

 

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太田 二郎

FXストラテジスト 太田 二郎(ohta jiro)

FXのスタートはすでに35年近く前に遡る。外資系銀行でFXを学び現在に至る。米 系・英系・独系・オランダ系の外銀を経て、日本のFXリテー ル・ビジネスの草 分けとして米系支店の設立を経て、多くの個人投資家と関わりをもち、現在に至 る。現在は投資助言会社の業務部長を兼任し、頻度は 少ないながらも、セミ ナー講師をし、業界紙へFXコメントを掲載中。
信条は、「Once a dealer, always a dealer」教訓は、「FX Dealerは、全ての 面で人の手本となるべき」