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5/1
2017

今週の為替相場を考える(5月1日~5日)

ユーロとポンドの上昇は、今後の上昇相場への転換なのか? 豪ドル、NZドル、カナダドルの売りはいつまで続くのか? そして、円は米国の意向に逆らいながらも円安がどこまで続くのであろうか?

 

いずれにしても今週は、相場変動が高まる仏大統領選の決選投票と、米FOMC、そして、米雇用統計が控えている。これらに起因する相場変動が高まる可能性を含め、日本がゴールデンウィークに入り、多数の重要な米経済指標、NZとカナダの雇用統計、豪中銀の金融政策など多い。(詳細は「今週の主な予定」をご覧ください)。

 

仏大統領選はマクロン氏の勝利を先取りしたユーロ買いが進んでおり、すでに十分織り込み済みで、事前ではルペン氏との支持率の差、結果では得票差を注目。FOMCは金融政策の据え置きに間違いなさそうだが、6月の利上げを示唆する発言の有無。米雇用統計では、季節的要因で減少した前回の非農業部門雇用者数が、どこまで増加すること、そして賃金の上昇の有無が争点。

 

4月25日のCFTCのIMM通貨先物のデータでは、円は-26,869コントラクトと前週から逆にショートが微減、USDJPYの上昇に反して一向に円のショートは増加せず。ポンドは-91,182コントラクトと前週から8,308ショートが減少するも、先週のポンド急騰を考えれば不思議で、ショートカバーも終了しているか疑問で、ましてロングに変化しているように思えず。さらなる上昇の可能性を秘めている。

 

豪ドルは、主要通貨で+42,702コントラクトと唯一ロングを維持するも、AUDUSDが下落基調を続けるという、ポジションの偏りと相場の変動が真逆の動きとなっている。結論から言えば、トレンドを目指しているというより、現在の為替相場の変動についてゆくことができない市場参加者が多いことも考えられる。

 

FXオプションでは、仏大統領選が終わった直後から、オプションのボラティリティは拡大から急速に収束に向かい、リスクリバーサルでは、USDJPYはドルプットオバーで変わらないが急速に縮小へ。GBPUSDとEURUSD1週間はコールオーバーへと変化している。

 

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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】

 

◎USDJPY【予想レンジ 110.50~112.30→続伸】

 

USDJPYは、3月31日の高値112.20が上値の重要なポイントで、110.50~112.20円のレンジへ収まる可能性が高いが、円ショートの積み上がりも見られず、クロスでの円売りが加速し112.20~30を超えるとさらなる上昇へ。

 

EURUSD+GBPUSDの上昇による、EURJPY+GBPJPYの買いが円売り圧力を強めている。クロス円を見ると、EURJPYは120.50~122.00のレンジへ、GBPJPYは114円台へ上昇し、145円の大台を試す動きへ。AUDJPYはコア83.00~84.00のレンジで、83円割れは買いへ。

 

USDJPYは、週終値ベースでは3月24日週の111.36を上抜けするも、大きな目では大枠108~111.50のレンジの上限近くをかろうじて維持している。テクニカルでは上昇トレンドへ入り、ゴールデンウィークの実需筋不在(輸出)の間に上値を試す動きや、事前の円ショートの動きも予想される。

 

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◎EURUSD【予想レンジ1.0800~1.1000】

 

EURUSDは、仏大統領選の決戦投票を週末に控えて、マクロン氏勝利の可能性を織り込みながら、1.0800-50~1.0950のレンジを維持する可能性が高い。上値では1.100の大台を試せるのか、逆に1.0800を割り込むとストップの売りが強まることが予想される。EURGBPは0.8530台を高値に0.8410台まで続落していることもあり、EURUSDの上値を抑えている。

 

週終値ベースでは、トランプ氏が次期米大統領に選出された昨年11月11日週の水準まで上昇しており、重要なポイントに差し掛かっているとも判断でき、上値が重くなる可能性も意識したい。

 

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◎GBPUSD【予想レンジ1.2850~1.3050→続伸】

 

GBPUSDは上昇傾向が止まらず。メイ首相の総選挙実施で政権安定=EU離脱プロセスの安定期待から始まったポンド買いの流れは止まらず、1.2900の壁を超えて続伸し、1.2750を底値に1.3000の大台を目の前にして狙う動きへ。

 

週終値ベースでは、ポンドのフラッシュ・クラッシュが発生した昨年10月7日以来の、記念すべき(?)水準へと上昇。1.30台乗せで目先の目標達成で売りへ変化する可能性もあるが、ポジション的にポンドショートからロングへと変化しているかは疑問で、引き続き押し目を買う動が強いと思われる。

 

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◎AUDUSD【予想レンジ0.7450~0.7600】

 

AUDUSDは、期待を裏切る弱さが目立つも、0.7450割れでなんとか下げ止まる。EURAUDやGBPAUDの影響を受ける面もあり、EURUSDやGBPUSDの相場変動の影響を受けやすい。つまり、GBPUSDの上昇時には、逆にAUDUSDが売られる動きが強まり、逆にではAUDUSDの買いになりやすい。

 

週終値ベースでは1月13日の週以来久々に0.7500の大台を割り込み、テクニカルでは続落を考えやすいと理解するも、大きな目では大枠0.7500~0.7700のレンジの下限をなんとか維持しているように思えてならない。2日の豪中銀金融政策が相場の転換につながるか注目したい。

 

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今週の主な材料(5月1日~7日)

 

今週も多くのイベントが控えている。

 

◎仏大統領選の決選投票(7日)、日本のゴールデンウィーク(3~5日)。
◎経済指標=米個人消費支出(1日)、米ISM製造業景況指数(1日)、NZ雇用統計(3日)、ユーロ圏第1四半期GDP(3日)、米ISM非製造豪景況指数(3日)、米雇用統計(5日)、米耐久財受注(4日)、カナダ雇用統計(5日)。
◎金融政策=FOMC(3日)、豪中銀金融政策(2日)。
◎発言=ドラギECB総裁講演(4日)、ロウ豪中銀総裁講演(4日)、ボロズ・カナダ中銀総裁講演(4日)、イエレンFRB議長講演・フィッシャーFRB副議長講演(5日)

 

【仏大統領選】
大相場となった仏大統領選は、7日の決戦投票でマクロン氏(中道左派・政治運動「前進」)、ルペン氏(極右政党「国民戦線FN」)の一騎打ちとなる。世論調査では約6対4でマクロン氏が優勢ながら、27日のエラブの世論調査では、ルペン氏が好スタートをきっていた。しかし、4月24日に決選投票を前にしてルペン氏は一時党首を離任していたが、28日には後任の新党首ジャルク氏が「第2次世界大戦中のナチス・ドイツによるガス室使用はありえない」と過去に発言したことで、4月28日に突然辞任した。これが選挙結果に悪影響を与える可能性もある。マクロン氏勝利の可能性がより強く為替市場に反映されると思われる。

 

【ゴールデンウィーク】
日本のゴールデンウィークも、為替相場に影響を与えることになる。まず、日本の企業が為替予約を取りにくくなり、オーダーがより離れた水準に変更されること。つなり、日本では輸出予約(ドル円の売りオーダー)が圧倒的に多いと思われ、ドル円の直近での売りがなくなり、より離れた円安水準に変更される可能性もある。本邦勢が動きにくい間隙を突いた投機的な動きに、USDJPY相場の変動リスクが高まる可能性が意識される。

 

【経済指標】
経済指標では、米雇用統計が最も重要。先月は失業率が4.7→4.5%まで低下したが、非農業部門雇用者数が21.9万(改定後)→9.8万人へ低下と弱く、平均時給も低下したことで一時ドル売りへと動いていた。しかし、非農業部門雇用者数の減少は季節的要因で6月利上げ期待は変わらずとも思惑に、ドル買いが続いた経緯もある。今回の予想では、失業率が4.6%へ上昇、非農業部門雇用者数は18万人と拡大する予想で、平均時給も上昇が見込まれている。はたして予想通りになるのか?

 

【金融政策】
金融政策では、FOMCが最も重要。政策金利のFFレートは3月15日に引き上げられ1.0%(0.75-1.0%)になっており、今回は声明のみで記者会見もなく据え置きが予想されている。今回のFOMCの注目点は、次回6月14日の利上げ確率と、さらなる年内(9月か12月)の利上げ確率を読み取り市場はそれを織り込む相場になりそうである。

 

【発言】
発言では週末5日にイエレンFRB議長やフィッシャー副議長などFRB要人の発言が集中している。仏大統領選を直前に控えた5日の金曜日ではあるが、発言内容次第で目が離せない。

 

詳細は別表をご覧ください。

 

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ブロガープロフィール

太田 二郎

FXストラテジスト 太田 二郎(ohta jiro)

FXのスタートはすでに35年近く前に遡る。外資系銀行でFXを学び現在に至る。米 系・英系・独系・オランダ系の外銀を経て、日本のFXリテー ル・ビジネスの草 分けとして米系支店の設立を経て、多くの個人投資家と関わりをもち、現在に至 る。現在は投資助言会社の業務部長を兼任し、頻度は 少ないながらも、セミ ナー講師をし、業界紙へFXコメントを掲載中。
信条は、「Once a dealer, always a dealer」教訓は、「FX Dealerは、全ての 面で人の手本となるべき」