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5/22
2017

トランプ大統領とロシアンゲート

就任前からお騒がせのトランプ大統領周辺が、さらにきな臭くなってきたのが先週のマーケットでした。ま~マスコミはFOXニュースなど一部の保守系報道機関を除き反トランプですからトランプ大統領に対するアンチな報道がヒートアップしました。

 

先週のキーワードはロシアンゲート。これはニクソン大統領が辞任した1970年代のウォーターゲート事件をもじったネーミングです。
概要を説明すると、まずは解任されたコミー前FBI長官が、トランプ陣営とロシアの関係や、米大統領選挙でのロシアの関与を捜査していたことから捜査妨害ではないかとの疑惑があがりました。

 

またトランプ大統領とラブロフ・ロシア外相との会談で機密情報がロシアに漏洩していた疑惑も広がりました。
17日には司法省がモラー元FBI長官を特別検察官に任命しました。
ただ大統領に対する弾劾裁判ですが、合衆国憲法第1章2条第5項で、弾劾の訴追の権限は下院にあるとしています。下院で審議し賛成が半数を超えれば実施が決まります。

 

下院は435議席で共和党が241、民主党が194で、来年中間選挙があり選挙民の動向に敏感な下院とはいえそう簡単に半数は取れるかどうか。
また合衆国憲法第1章第3条6項に弾劾裁判を行う権限は上院の属する、大統領が弾劾裁判を受けるとき3分の2の賛成が無ければ有罪になることは無いとされています。
現状米上院は100議席のうち共和党52、民主党48となっており、3分の2は67議席です
これだけ見ると現状では弾劾裁判の実施、有罪に持ち込むのはかなりハードルが高いように思えます。

 

特別検察官が設置されたことで、この問題は今後も長引き市場に影響を与えることになるでしょう。しかし今回の動きは、まずは米国の政治不信からドル安、そして欧州、米国株が崩れたことによりリスクオフの流れとなりクロス円も下落し円高となりました。

 

ドル円が3月15日以来の114円台に上昇したこと、ユーロ円が昨年4月以来の125円台に上昇しました。日経平均が2万円に近づき16日には騰落レシオが145に上昇しました。また日経平均は25日移動平均線との乖離率が5%付近に高止まりするなど、為替、株価ともに高値圏で一服感があったところにでたトランプ大統領のロシアンゲートが調整の引き金になったと思われます。

 

ロシアンゲートだけで、為替、株価が暴落するとは思えず、一進一退の動きが続くのではないかと思われます。

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ブロガープロフィール

田代 岳

アナリスト 田代 岳(tashiro gaku)

シティバンク銀行、スタンダード・チャータード銀行で、金融、マーケット部門で仕事をし、為替ディーラーとして活躍。マーケット部門の中で外国為替、金利、債券の取引を行い、資金の運用を担当した経験を活かして、日本の個人や中小企業に正しい金融情報を伝え、日本人の資金の有効活用、しいては金融で日本人を元気にすることが使命であると考えている。投資家向けのみならず、現在は一般の方や中小企業向けにわかりやすく話す講演やセミナーも人気である。

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