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5/29
2017

今週の為替相場を考える(5月29日~6月2日)

長い外遊から帰国したトランプ大統領、賛否両論はあるがこの外遊は為替相場に影響するのであろうか? 週明け月曜日のオセアニア市場・早朝のアジア市場の動きを注目している。また、ロシアゲート疑惑にどのように対応するのだろうか?(主要な材料は、別途 「今週の主な材料」をご覧ください)

 

直近では、①米下院金融サービス委員会の民主党メンバーは、ドイツ銀行にトランプ米大統領の口座とロシア政府との間に関連がなかったか情報提供を求める。②米下院情報委員会は、ロシアの米大統領選介入疑惑の調査に、フリン氏を召喚する動きへ。③上院情報委員会もフリン氏が経営する2社に関連文書の提出を命じる召喚状を送る方針へ、③クシュナー氏がトランプ政権発足前の去年12月に、政権移行チームとロシアの間に秘密の連絡ルートの設置をロシアの駐米大使に提案していたとの報道。

 

米連休明けの30日以降に上院情報特別委員会で証言するとある。しかし、ホワイトハウスが開催阻止に動く可能性も指摘されており、実施の有無とその内容が注目される。可能性が指摘されているのは、①トランプ大統領がコミー氏発言制限へ大統領特権の行使があり得る、②モラー特別検察官もコミー氏に発言を控えるよう要請する可能性などである。

 

いずれにしても、これらの疑惑に対して米債利回りは低下ぎみながらも、6月のFOMCで利上げ期待度は変わらず、米株は堅調に推移している。為替相場はこれらのドルに対して政治的なネガティブ要因が多数あるにも関わらず、先週はドルが上昇して終わっている。まるで、疑惑とドル相場は別物とでもいいたいのか? それともまさか、打たれ強いトランプ大統領にとっては軽微な問題なのであろうか?

 

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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】

 

◎USDJPY【予想レンジ 110.00~112.50】

 

USDJPYは、110円台は買い~112円台は売りのレンジ相場を抜け出せず、主体性のない相場はいつになった終了するのであろうか? ただし、当然のことならが、他の主要国通貨の変動により円クロスでは変動率も高く、EURJPY、GBPJPY、AUDJPYはもちろんのことである。終値ベースでCHFJPYが115円台をクリアすることができるか? NZDJPYが過去10週の高値を抜け79円台の大台でクローズすることができるのか? など、円はクロスの取引が中心になりやすい。

 

テクニカルでは、1時間チャートは200時間MA=111.56、36時間MA=111.51とほぼ同水準にあり、この水準を上抜けし先の高値112.20台をクリアできるか? ドルブル(円ベア)派にとって願っている水準と考えられる。逆に、ドルベア派にとってはこの二つの水準をストップポイントとして、ドルショート(円ロング)を作りやすくなっているが、動かないことには始まらない。

 

IMM通貨先物の円ポジションでは、円のネットショートは-60,008→-51,656と4週間ぶりに減少し、USDJPYのオプションでリスクリバーサルではドルプットオーバーは-1.55%で先週の-2.0%から若干ながら低下しているが大きな変化は見られず相変わらず、円高期待がやや優勢。

 

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◎EURUSD【予想レンジ1.100~1.1250】

 

EURUSDは昨年11月の米大統領選時の高値1.1200台の大台を達成しながらも伸び悩み気味。マクロン氏が仏大統領となりユーロ圏では政治的な安定が見込まれるが、6月11日の英議会下院選でマクロン氏の「共和国前進」の新党が期待の過半数を確保できるか? 今後の世論調査の結果は気になる。一方、メルケル独首相とショイブレ独財務相はユーロ高誘導に入り、引き続きEURUSDの上昇期待は消えず。

 

テクニカルでは、200時間SMA=終値ベースでは1.1177を割り込みながらも、安値ベースの1.1169で何とか下げ止まっている。200日SMAを、36日SMAが上抜けしておりEURUSDの上昇力は変わらず。

 

IMM通貨先物の円ポジションでは、ネットでユーロショートがロングへ変化して4週間目に入り、ロングを拡大させている。EURUSDのオプションのリスクリバーサルでは、-0.1%とごくわずかながらユーロコールからユーロプットへと変化し気迷いムードが強い。

 

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◎GBPUSD【予想レンジ 1.2600←1.2750~1.2950】

 

GBPUSDは、マンチェスター自爆テロの影響が尾を引いているのか、昨年9月以来となる1.3000の大台突破記念も続かず。6月8日の英総選挙でメイ首相率いる与党と野党との支持率の差が縮小したことが材料にされ、ポンドロングの切りが加速し一気に1.2800の大台を割り込む動きへと変化。今週も、総選挙の世論調査を見守ることになりそうで、数字の増減で右往左往することが予想される。

 

テクニカルでは過去4週の終値ベースで安値を更新していることもあり売り圧力が続き、200EMA=終値ベース1.2810近辺で終了している。一方、安値ベースの200EMA=1.2754を維持し、200日SMA=1.2600を割り込むまでは、ポンドブル相場の決定的な変化は考えにくい。

 

IMM通貨先物の円ポジションでは、ネットショートの常連ながらシートは大幅に減少し、ユーロに続き変化の待感は残る。GBPUSDのオプションのリスクリバーサルは、ポンドプットオーバーで変わらず、先週末にはGBPUSDの急落で-0.15→-0.55まで拡大している。

 

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今週の主な材料(5月29日~6月2日)

 

今週は5月の最終週で新たに6月がスタートする週で、29日(月)には最も取引の多い米英市場が、アジアでは中国市場が休場となる。

 

今週も為替相場を動かす重要な要因が多数控えている。以下はそれとそのランキングだが、米連休明けと思われるコミー前FBI長官の証言と、金曜日の米雇用統計を抜きにしては考えられない。

 

1. 【コミー前FBI長官の証言(6/30以降)とロシアゲート疑惑行方】
2.【米雇用統計(6/2)】
3.【英総選挙(6/8)の世論調査】
4.【FOMC(6/14)前の思惑】
5.【メルケル独首相の演説(5/31)】
6.【米英3連休(6/29)と月末・月初の動き】
7. 【カナダGDP(5/31)】

 

1. 【コミー前FBI長官の証言(6/30以降)とロシアゲート疑惑行方】
当初24に予定された下院監視・政府改革委員会での証言が延期となり、米連休明けの30日以降に上院情報特別委員会で証言するとあるも、ホワイトハウスが開催阻止に動く可能性も指摘されており、実施の有無とその内容が注目される。

 

2.【米雇用統計(6/2)】
雇用統計:失業率=予想4.4~4.5% 前回4.4%と横ばいかやや上昇が見込まれており、非農業部門雇用者数=予想18.3万人 前回21.1万人と鈍化が予想されている。最近ではこれに加え投機的に動きとしては、平均時給(時間当たりへ平均賃金)=前月比予想0.2% 前回0.3%、前年比予想2.6% 前回2.5%などの数字にも敏感で、現時点の予想数字から見てもややドルに対してはネガティブ要因になる可能性がある。

 

3.【英総選挙(6/8)の世論調査】
GBPUSD(含むGBPクロス)のロングのポジション調整に利用されているようにも思えるが? 先週は週明け早々から前週末の世論調査の結果で与野党の支持率が縮小しメイ首相とポンドにとってはネガティブ材料となっていたがポンド売りは限定的であった。 そして、週末には同材料が復活しGBPは急落している。投票日まで1週間+αでこの動きを見ても、投機的な動きに利用されることは間違いなく結果によってGBPの相場変動が高くなることが予想される。

 

4.【FOMC(6/14)前の思惑】
CMEのFedWatchでは、6月14日の0.25%利上げ期待を83.1%織り込み、据え置きの16.9%を大きく引き離しており、利上げを実施することは間違いないと思われている。ただ、最近では米経済指標も強さがやや欠けるのも目立ち、タカ派発言だけではなく、ハト派でやや慎重姿勢を示すメンバーも目立ってきている。そういう意味では、米雇用統計の結果による、6月14日のFOMCの利上げ期待度の変化を注意したい。

 

5.【メルケル独首相の演説(5/31)】
メルケル独首相「独貿易黒字は高水準で、ユーロ相場が安過ぎる」、ショイブレ独財務相「ユーロの為替レートはドイツとっては低過ぎる」と、ドイツの対米貿易黒字の拡大がそうさせたのは間違いない。 米独の貿易不均衡の加速している原因は通貨ユーロ安が一因であることは周知の事実で、今後どのように是正するか、再びこのような発言をするのかは不明ながら、投機的には注目したい演説でもある。

 

6.【米英3連休(6/29)と月末・月初の動き】
2大市場が3連休となりそれに中国も加わっており、すでに相当のポジション調整が進んでいた可能性は否定できず。取り残された悪いポジションの整理がどの程度残っているのか? また、月末の特殊要因として、EURとGBPの変動は大きくフィキシングに向けた変動も気になる。

 

7. 【カナダGDP(5/31)】
米雇用統計とポジションがなければあまり気にしなくても良い数字かもしれないが、同時間帯には他の主要は経済指標もなく、この数字でカナダドルの変動がたまる可能性は高い。月次GDP=予想0.3% 前回0.0%、前年比=予想3.0% 前回2.5%

 

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ブロガープロフィール

太田 二郎

FXストラテジスト 太田 二郎(ohta jiro)

FXのスタートはすでに35年近く前に遡る。外資系銀行でFXを学び現在に至る。米 系・英系・独系・オランダ系の外銀を経て、日本のFXリテー ル・ビジネスの草 分けとして米系支店の設立を経て、多くの個人投資家と関わりをもち、現在に至 る。現在は投資助言会社の業務部長を兼任し、頻度は 少ないながらも、セミ ナー講師をし、業界紙へFXコメントを掲載中。
信条は、「Once a dealer, always a dealer」教訓は、「FX Dealerは、全ての 面で人の手本となるべき」