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6/19
2017

今週の為替相場を考える(6月19日~6月23日)

最近の金融政策の変化ですが、日銀以外では変化が示されています。
1.FRBは「利上を実施し年内追加利上と保有資産の縮小の着手」を示唆。2.カナダ中銀は「刺激策の縮小の可能性」を示唆、3.BOEは「政策委員3名」が利上げを主張。4.ECBは「追加利下げの可能性に関する文言を削除し、経済へのリスクは下向から概ね均衡へと変化させ、デフレリスクがなくなったことを示唆」、スタッフ見通しは「インフレ率を下方修正し、成長率を上方修正」へ。5.そして日銀と総裁は「賃金上昇圧力は着実に高まっている」とありますが、「出口戦略」については語らず。

 

5月22日にメルケル独首相は「ユーロが強すぎる」と発言をしていました。翌23日にはショイブレ独財務相も「ユーロの為替レートはドイツとっては低過ぎる」と発言しています。これらは共に米国との通商交渉を前にして対米黒字額が単一国家に対する貿易黒字額としては過去最大になることへの懸念と思われています。当時のEURUSDは1.1200近辺で推移し一時ユーロ高の材料としてもてはやされていましたが、約一か月を経た先週末のEURUSDも1.1200で、当時全く変わっていないことになり、この水準から大幅にユーロ安になれば政治的なプレッシャーを受ける可能性も気になります。

 

先週のWSJ紙で、『ユーロ高、秘密は「ヘッジなし」』とのタイトルで、グローバル投資家が1年間のインターバルを経て欧州に回帰しているとあり、今回は通貨ユーロにも関心が向けられているとのことです。今年に入ってから欧州株に特化した、為替ヘッジなしの米上場投資信託(ETF)に130億ドル(約1兆4200億円)が流入し、ヘッジ付きETFへの流入資金は2億7540万ドルに留まるっていました。

 

先週のEURUSDの下げで「機関投資家のヘッジ売りが出ていた」との観測も流れていましたが、4月中旬の安値1.0560台から一時1.1300台まで約2か月で約7%近く上昇していたことを考えれば利食いの売りが出ても不思議ではありませんが、基本は欧州の政治的な安定が現実化している現在では、ユーロへと資金移動が続く可能性が高いのではとふと考えてしまいます。

 

さて、英国はインフレの上昇が止まらず今秋に3.0%になるとの見通しもありますが、逆に経済成長は伸び悩み、所得も強さがみられないことへの不安感があります。先週フォーブスBOE政策委員は論文を発表し、一言でいえばポンド安の弊害を気にしているように思われえてなりません(もちろん、個人的な感想です)。ポンド安がインフレを引き起こし、景気の鈍化を招くスタグフレーションの可能性もあり、極端な通貨安を避け、将来的に利上げをせざるを得ない状態にあるのではないでしょうか? 

 

短期的には相場はテクニカルで動くことが多く、今週の為替相場には全く影響ないのかもしれません。また、今後の英国の政局変化やインフレ見通しの変化で状態は変わる可能性もありますが、一つの考え方として頭の片隅に置いてください。

 

テクニカルでは上値は重そうなので短期の相場を別に考え、これらの通貨が十分下がった段階で、EURUSDでユーロコールの買いや、GBPUSDでポンドコールの長めの買いも面白いではないでしょうか? 

 

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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】(今週は、USDJPYに的を絞って考えてみましょう!)

 

◎USDJPY【予想レンジ 基本はレンジ相場109.70~111.50、上抜けは上昇へ→112.50】

 

USDJPYは何を材料にして動くのでしょうか? 日経平均株価も安定状態が続き、「株価の変動=円相場の変動」が期待できにくい状態となっています。先週はレンジ相場を決め込んだ投資家や円ロングを持った個人投資家の損切がみられましたが、そのきっかけはGBPJPYの買い戻しが起因しています。最近の傾向ですが円クロスによるUSDJPY相場が動くことが多くなっています。

 

先週末には6月2日の弱い米雇用統計で急落が始まった水準となる111.50台を意識した展開で、今週もこの水準を上回り再上昇ができるのでしょうか? それともGBPJPYの上昇をきっかけとして上昇した水準となる109.70~80を割り込むことができるのでしょうか? 長期的にはクロスを中心として円安相場が続くことを期待していますが、USDJPY単体はレンジが抜けるまでは新たな水準で逆張り相場が主流となりそうですが、どちらかと言えば円安のリスクがより強く感じられます。 

 

USDJPYのStockRSIは、Dailyは、K=39.48、D=49.79で買い継続なのですが、ほぼニュートラル。Weeklyも、K=39.48、D=49.79と売りながら、ほぼニュートラル。4時間は、K=81.86、D=93.42と売りで、110.30近辺がターゲットなっています。MAからは、200日SMA=110.52にあり、110.50が終値ベースで下値のポイントになる可能性もあります。

 

IMM通貨先物の円ポジションでは、円のネットショートは-55,027→-50,553コントラクトとショートは減少していますが、過去の長期平均値とほぼ変わらず、方向性は感じられません。USDJPYのオプションでが、1か月のボラティリティは前週7.75→7.80%と若干の上昇でほぼ変わらず。1か月のリスクリバーサルではドルプットオーバーで、1.2→0.65に低下し、1週間も1.2→0.30と円高方向からの変化が続いています。

 

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今週の主な材料(6月19日~6月23日)

 

今週は6/22(木)のNZ中銀の金融政策やカナダのCPI以外に、久々に重要はイベントが極端に少ない週となっていますが、先週はFOMCとBOE直後の変動は激しく、今週予定されている米英の中銀関係者の発言が相場変動要因になると考えます。

 

特に注目しているのは、「FOMCメンバーの発言(本音)」で、利上げに反対したカシュカリ・ミネアポロス連銀総裁は先週発言し、「利上げを見送るべきと考えるのは私一人ではない」と発言しており、「誰が、どのような発言をするのか」講演などを注目しています。

 

また、15日のBOE金融政策委員会で、サンダース氏、マカファーティ氏、フォーブス氏が予想外の利上げを支持したことでポンド相場が急変しましたが、カーニーBOE総裁や利上げを支持した彼らの発言も注目に値します。

 

ウィルキンス・カナダ中銀上級副総裁(6/12)とボロズ・カナダ中銀総裁(6/13)の刺激策の縮小の可能性を示唆する発言で相場が動きましたが、今週の23日のカナダCPIはそれを裏付けることができるのでしょうか?気になります。

 

それと、18日のフランス議会下院選挙の決選投票のですが、第一回投票でマクロン大統領の「共和国前進」が議席の7割近く占めることがすでに織り込みずみなのでしょうか? 市場すでに過去のことのように無視していいますが、想定外の結果には注意してください。

 

1. 【NZ中銀の金融政策 6/22】
2. 【カナダCPI 6/23】
3. 【ダドリーNY連銀総裁講演 6/19】
4. 【フィッシャー・ダラス連銀総裁講演 6/20】
5. 【ブレイナードFRB理事発言 6/23 】
6. 【メスター・クリーブランド連銀総裁発言 6/23 】
7. 【パウェル・FRB理事発言 6/23 】
8. 【ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演(FOMC投票権なし) 6/20】
9. 【カーニーBOE総裁講演 6/20】
10.【フォーブスBOE政策委員講演 6/22】
11.【カナダCPI 6/23】
12.【想定外のフランス議会下院選挙の決選投票I 6/18】

 

1.【NZ中銀の金融政策 6/22】
政策金利1.75%の据え置きが予想されていますが、15日の予想を下回った第1四半期GDPや最近のNZドル高に対してどのようなコメントをするのでしょうか? 

 

2.【カナダCPI 6/23】
前月比予想0.3% 前回0.4%、前年比予想1.5% 前回1.6%と、予想は前回よりやや低下が見込まれています。ちなみに(コア-Common=前年比予想1.4% 前回1.3%、コア-Trim=前年比予想 前回1.3%、コア-Median=前年比予想 前回1.6%、PCIX=前年比予想 前回1.1%)

 

詳しくは別表をご覧ください。

 

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太田 二郎

FXストラテジスト 太田 二郎(ohta jiro)

FXのスタートはすでに35年近く前に遡る。外資系銀行でFXを学び現在に至る。米 系・英系・独系・オランダ系の外銀を経て、日本のFXリテー ル・ビジネスの草 分けとして米系支店の設立を経て、多くの個人投資家と関わりをもち、現在に至 る。現在は投資助言会社の業務部長を兼任し、頻度は 少ないながらも、セミ ナー講師をし、業界紙へFXコメントを掲載中。
信条は、「Once a dealer, always a dealer」教訓は、「FX Dealerは、全ての 面で人の手本となるべき」