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6/27
2017

個人事業としてFXを行うことはできるのか?

こんにちは。税理士の堀龍市です。

FXによる所得は一般的に「雑所得」という所得の区分に該当するのですが、個人事業としてFXをするということは、FXの所得を「事業所得」として申告することになります。

 

特に金融庁に未登録の海外業者の場合には一律20.315%(復興特別所得税を含む)の分離課税が適用されないことから、事業所得として申告し、青色申告特別控除の65万円を差し引きたいといった思惑などがあるようです。

 

では、FXによる所得は事業所得であると言えるのでしょうか?

 

FXを個人事業として行っていると主張されるみなさんからは、

 

「FXを事業内容として記載した、個人事業の開業届を提出している。」

 

「FXの所得を事業所得として申告したが、何も指摘されなかった。」

 

といった話をよく聞きます。

 

しかし、この2つをクリアしても、FXが個人事業とみなされたことにはなりません。

 

1つ目の開業届ですが、税務署は届出を提出すれば、記載内容に明らかな誤りがある場合を除き、基本的に収受印を押し受け取ってくれますし、2つ目の申告して指摘をされなかったということに関しても、届出同様、申告書を提出した段階で何か誤りを指摘されることはほとんどありません。

 

つまり、提出した届出書や申告書に対して誤りを指摘されるのは、あくまでその後のお尋ねや税務調査での話になるのです。
(FXの税務調査等についてここで書くと脱線してしまいますので、また別の機会に書かせていただきたいと思います。)

 

では、どうやって判断したらよいのかということになるのですが、ここでは税法の面からFXが個人事業と言えるかどうかを考えてみたいと思います。

 

所得税法第二十七条第一項では事業所得について、

 

「事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業で政令で定めるものから生ずる所得(山林所得又は譲渡所得に該当するものを除く。)をいう。」

 

と定めており、FXはこの中で「その他の事業で政令で定めるものから生ずる所得」に該当すると考えられます。

 

また、ここでいう政令とは所得税法施行令第六十三条のことなのですが、そこでは事業の内容をさらに12種類に限定していて、FXは第十二号の「前各号に掲げるもののほか、対価を得て継続的に行なう事業」に該当すると考えられます。

 

最終的にはFXが「対価を得て継続的に行なう事業」にあたるかどうかという判断になるわけですが、この判断に関しては過去の裁判例などを踏まえて考慮すると、「事業には該当しない」と考えるのが妥当かと思います。

 

■専業で行われたFX取引に係る所得が雑所得とされた事例

 

過去の事例の中に「専業で行われたFX取引に係る所得が雑所得とされた事例」があるのですが、内容としては、

 

種々の事情を踏まえて総合的に判断すれば、本件取引は、社会通念上事業といわれるものとは異質であるというほかなく、「反復継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務の遂行」とは認め難いというべきである。

 

と判断され、平成25年11月に判決が言い渡され、納税者の敗訴が確定しています。

 

この判決により、今後FXによる所得を事業所得として申告している納税者のところには次々に調査が入り、片っ端から否認されてしまうといったことも考えられます。

 

(FXではないのですが、過去の税務調査ではそういったことが行われた事例があります。)

 

よくFXを個人事業として申告して…といった情報を目にすることがありますが、信憑性の乏しい情報に振り回されて、あとから痛い目を見るなんてことにならないよう気をつけてください。

 

※FXの税金や節税に関するご相談はこちらから(http://fx-tax.net

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税理士 堀 龍市(hori ryuichi)

FX専門会計会社「日本FX会計株式会社」の代表税理士として、全国の有名投資家らの税務顧問も担当。
現在は、電話やメールでの無料相談に加えて、節税セミナーや無料相談会の他、無料節税シミュレーション等のサービスも行っている。

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