2017
ユーロの上昇が本格的になったか
ユーロの上昇が本格的になったか?
先々週のFOMC、日銀政策決定会合、BOEの金融政策委員会というイベントを経て、市場は変動率が落ちて小動きになっている。
マーケットが次のテーマを探している状況だが、昨年6月のブレグジットから始まり、トランプ大統領の誕生、マクロン・フランス大統領の誕生など政治リスクが市場を動かす状況がひと段落ついた状況になった。
ここからの市場が注目するのは、やはり各国の金融政策になってくると思われる。13~14日のFOMCで予想通り利上げがあり、今年後1回の利上げとバランスシートの縮小による正常化を年内開始することが決定されたが開始時期は未定となっている。そこで今後の米国の経済指標の行方が注目され、指標の動きに一喜一憂する展開がしばらく続こう。
またECB理事会ではインフレ予想を下方修正し、ドラギECB総裁も、金融緩和の正常化の具体的議論をなかったと述べたことで、ユーロドルの頭は抑えられた。しかし押し目も限定的で高値圏で推移している。
15日にはBOEの金融政策委員会で0.25%の据え置きが決まったが、5対3の票決で、フォーブス委員、マカファーティ委員、サンダース委員が利上げを主張した。フォーブス委員は、その後もタカ派的なコメントを述べた。一方で20日にはカーニーBOE総裁が、インフレ圧力は緩和されており利上げのときではないとハト派的なコメントを述べたことでポンドは急落したが、BOE内も意見が割れているようだ。
そんな中で27日にはドラギECB総裁が、和策の調整に慎重になるべきと述べたが、ユーロ圏の回復が強まっている可能性、デフレの圧力が変わったなどと発言。タカ派の発言二ユーロドルは1.13台に上昇しドル売りとなった。しかしドル円は111円台前半がサポートされたことで112円台を回復した。結果ユーロ円などのクロス円が上昇しドル売り、円売りの流れとなっている。