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2017

“相反する圧力”が圧し掛かるものの、「現行トレンドはしばらく継続」…!?

 「労働市場の改善に伴い、賃金と共にインフレは加速する」
  「現時点で引き締め策を停止すれば、インフレ高進のリスク増大」

 

 FOMCが示す「年内の追加利上げ+バランスシート縮小」に対する“懐疑的な見方”が少なからず存在していた中で飛び出した上記ダドリーNY連銀総裁発言は、ドル買い戻しを促しました。“200日移動平均線(当時110.70円水準)”を突破(①)し、111円後半へ上昇した様を見ていると「このまま上値を窺うか…?」とも思われました。しかしながら“日足・一目均衡表先行スパンの雲下限&100日移動平均線(当時111.80円水準)”の壁は厚く、一旦は押し留められました(②)。

 

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 “上値の重さ”は如何ともしがたく、その後はじりじりと上値を削らざるを得ない状況へと追い込まれましたが、ただここに来て一気に同水準を突破する動きが見られています(③)。キッカケとなったのは“ユーロ急騰”であり、後を押したのが“ポンド急騰”でした。

 

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 「足元のインフレを抑制する要因は一時的なもの」
 「デフレ圧力はリフレに変わった」

 

 ドラギECB総裁のこの発言は、ユーロ圏の“テーパリング(量的緩和策縮小)”開始への思惑を再燃させるには十分でした。独10年国債利回りが急上昇を見せる中、ユーロ円は128円後半へ(④)、ユーロドルは1.14ドル半ばへ(⑤)と駆け上がりました。

 

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 「英景気刺激策の一部は、解除が必要となる可能性」

 

 翌28日には上記カーニーBOE総裁発言を背景に、ポンドの買い戻しが促されました。突然のタカ派発言はポンド円を146円半ばへ(⑥)、ポンドドルは1.30ドル前半へ(⑦)の急騰を演じています。

 

 どちらも“対円”のみならず、“対ドル”でも上昇している動きを考えると、ドル円には“相反する圧力がかかっている”と考えるのが自然です。しかし“金融政策の正常化争いの最後方を進むのは円(日銀)”との思惑は立ちやすく、実際に“ドル買い・円売り圧力がかかりやすく”なっているのが実状です。この金融政策の立ち位置の違いを背景に、「機関投資家(ヘッジファンド)は“円キャリートレード”で勝負をかけている」との一部報道もあります。

 

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 すでに“4円超”のドル高・円安が進んでおり(⑧)、“上昇スピード”も相応のものがあります。このため“高値警戒感”が台頭しやすく、執筆時点では上値を再び押さえられる動きも目立っていますが、前記報道が事実であるとすれば“三役好転”に転じたばかり(⑨)の現トレンドはそう簡単に壊れるとも思いづらいところです。

 

 調整の目安となる“6/14~6/29の38.2%押し(111.348円 ⑩)”の手前には、“日足・一目均衡表先行スパン上限&100日移動平均線(現在は111.811-777円 ⑪)”“50日移動平均線(同111.529円 ⑫)”といった主だった抵抗ラインも控えています。「警戒をしながら」にはなりますが、「同ラインを割り込まない限り、現行トレンドはしばらく継続」と考えてマーケットに臨みたいところです。

 

(2017年6月30日執筆)

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ブロガープロフィール

武市 佳史

ファイナンシャル・プランナー 武市 佳史(takechi yoshifumi)

大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)、テクニカルアナリスト。
日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。数多くの一般投資家と接しながら、現在はFX大手「マネーパートナーズ」のチーフアナリストとして、為替コラム執筆やWebセミナー講師を務めるのみならず、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。「初心者には分かり易く、上級者も納得」がモットー。