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7/24
2017

今週の為替相場を考える(7月24日~28日)

緩和策の変更ができる通貨高、できない通貨安の大きな流れは変わらず、問題は積みあがったポジションの調整と買えていないリスク。

 

トランプ氏の支持率低下やロシア疑惑問題にも米株は強く過度の期待感はありませんが、クシュナー上級顧問(7/24)、トランプJr・マナフォート選対本部長(7/26)と続く議会公聴会でも無風でいられるのでしょうか? 

 

今週は米GDPとFOMCの結果を受けた米金利の変化と主要国間の金利差の変化が注目され、ドル相場にとっては試練の1週間となりそうです。

 

今週の主な材料にも記載していますが、FOMC(7/26)と米国GDP(7/28)以外でも、豪州CPI(7/26)、英国GDP(7/26)、日本CPI(7/28)、カナダGDP(7/28)の結果を受けた相場変動が高いと思われます。

 

USDJPYは、唯一利上げや緩和縮小とは無縁の通貨で、投機的な円ショートが大幅に積みあった状態から米金利の低下に連動して調整が続き、USDJPYは111台まで下落。今週の米GDPとFOMCの結果を受けた米金利動向を注目。AUDUSDは豪中銀議事録で将来の利上げ期待が高まり、0.80のサイコロジカルな水準を目指す中で、中銀副総裁から豪ドル高へのけん制発言が飛び出しやや伸び悩んではいますが、引き続き上昇圧力を継続中。

 

EURUSDは、やや伸び悩むCPIにもドラギECB総裁の「ECBは秋に決定を下す」発言に火が付き1.1700の大台を目指し上昇を続け。GBPUSDは、ネガティブ材料の中で1.30近辺と健闘し、USDCADはカナダ中銀が7月12日に7年ぶりに利上げを実施し、雇用の改善と成長拡大が見込まれ追加利上げ期待にカナダドル高期待は変わらず。

 

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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】

 

◎USDJPY【予想レンジ 110.50~80~112.50】

 

ドル円は、唯一利上げや緩和縮小とは無縁の通貨で、投機的な円ショートが大幅に積みあった状態の調整が続いています。その引き金となったのは、株価連動型から米金利連動型に円相場が変化し、日米金利差の縮小が主因と思われ、今週のFOMCと米GDPでネガティブサプライズがなければ、円相場は中期的に110~115円のレンジを維持することが予想されます。

 

金利差と円相場の関連ですが、7月7日の米雇用統計で米10年債利回りは2.3945%がピークをつけ(USDJPY114円台へ上昇)、7月12日のイエレンFRB議長の議会証言で下げ幅は加速し先週末では一時2.2234%まで低下(USDJPYは114.494→111.012まで下落)しています。

 

StockRSIのDailyでは、K=0.00、D=3.54と売られすぎゾーンにあり、強いダウンサイド圧力の継続の場合は別ですが、通常は反発する可能性が意識されます。200日MA=111.81を割り込みダウンサイドのリスクが続いていますが、4月中旬と6月上旬にも200日MAを割り込みながらも反発しているケースもあり積極的売りにくい状況となっています。

 

IMM通貨先物では、【円】-112,125→-126,919(-14,794)と、引き続き円の一人負け状態ですが、集計日の18日以降に円高が加速していることをからショートは減少していると思われます。オプションのリスクリバーサルでは、1週間から1年まででは円コールオーバーが強まっており、市場の円先高期待を反映しています。

 

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◎EURUSD【予想レンジ 1.1550→1.1800】

 

ECBはやや伸び悩むCPIにも関わらず、ユーロ圏各国の政局の安定やドラギECB総裁の「ECBは秋に決定を下す」発言にバランスシートの縮小開始の可能性に上昇力は止まらず。

 

ユーロを買えていないリスクが高いのでしょうか、ドラギECB総裁から「テーパリングのシナリオ、議論されていない」と火消しに動き、独債券利回りや他の主要国の債券利回りの上昇は見られないものの、通貨EURUSDだけは上昇を維持し、利食い売りの反応も鈍く上昇トレンドは変わらず。心配はスピード違反的な上昇に対して中銀関係者からブレーキを踏む発言と、米GDPとFOMCのサプライズのみ。

 

StockRSIのDailyでは、K=84.88、D=61.11と買いを継続中ですが水準として買われすぎゾーンに近づいています。200日MA=は1.0852と遥か下の水準に位置し、最近の動きでは36日MAで下げ止まる動きが続いていますが、その線も1.1329 と現状の1.1660台から下方に位置しており、WeeklyベースのMA=1.1804がより意識されます。

 

IMM通貨先物では、【ユーロ】83,788→91,321(7,533)と、人気NO.1通貨。私がデータを取り始めた2009年1月6日以降では最大のネットロングポジションを更新中。オプションのリスクリバーサルでは、1週間から3か月まではユーロコールが拡大しており、12か月までの期間でもEURプットが縮小傾向にあり市場はユーロ高の期待感が強まっています。

 

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◎GBPUSD【予想レンジ 1.2915~1.3150】

 

EURGBPの上昇力は強く0.9000の大台が目の前になっています。要因はもちろんECBのテーパリング期待と、逆に弱い英CPIと政局の不安定化に、BOEの早期の緩和策の変化期待が弱まっていることにあります。この状況下でもGBPUSDは1.300前後を維持しており、ポンドの極端な弱さは感じられませんが、今週26日に発表される英GDPの結果に素直に反応することが予想されます。

 

StockRSIのDailyでは、K=49.20、D=64.03と売りを継続していますが、水準的にはニュートラルゾーンに近づいています。200日MA=1.2566にあり遥か下方に位置し、26日MA=は1.2867にあり、安値・高値ベースの26日MAは1.2818~1.2915でこのゾーンが底値になる可能性が高と思われます。

 

IMM通貨先物では、【ポンド】-24,138→-16,473(7,665)と、再びネットショートは減少中。ただ、市場の期待を裏切る18日の英CPIに、資産買い入れ縮小の時期が先延ばしになる可能性を意識し、ポンド売りが強まったことを割り引いて考える必要もありそうです。オプションのリスクリバーサルでは、引き続き短期から長期までポンドプットオーバーで、やや拡大傾向にありますが大きな変化は見られません。

 

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◎AUDUSD【予想レンジ 0.7820~0.7980】

 

18日の豪中銀議事録で火を噴いた将来の利上げ期待の豪ドルの買いも、AUDUSD0.8000の大台を直前して通貨高をけん制する発言に、利食いの売りが先行しやすくなっています。逆に短期間で急騰したことで実需筋が買えていないリスクも残り、26日の豪CPIの結果に素直に反応すると思われますが、下げ止まると買いが強まり、上昇すると通貨当局の牽制球が意識され高値を変えず、上下にロックされる可能性もあります。

 

StockRSIのDailyでは、K=93.75、D=93.02と買われすぎゾーンにあり売りへと変化する可能性が高くなっています。200日MA=0.7542、36日MA=0.7638と遥か下に位置しておりかい離が広がっています。

 

IMM通貨先物では、【豪ドル】36,806→51,356(14,550)は、ネットロングへ変化して5週間過ぎましたが、ロングが拡大する流れに変化は見られません。オプションのリスクリバーサルでは、1WeekではAUDプットからコールへ、そしてプットへと変化しながらも、1Month超では最近の豪ドル高を反映してプットが低下しつつあります。

 

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今週の主な材料(7月24日~28日)米GDPとFOMCがメインイベント

 

主要国間の金融政策の動きと違いで相場が動くことは最近の常となっています。そのため、今週も引き続き中銀関係者の発言と金融政策とそれに直結する経済指標には十分注意が必要となっています。

 

FOMC(7/26)は今週の重要なイベントの一つで金融政策の据え置きがほぼ間違いないと思われていますが、9月、12月の金融政策の変化について示唆する動きがあるのでしょうか? 

 

CMEのFedWatchではFFレート1.0~1.25%に据え置く可能性が96.9%と確実しされていますが、最近の米長期債利回りは低下気味の中、今後の見通しに関する声明に関して注目度は高いものがあります。

 

今週は、第2四半期のGDP速報値の発表も多く、米国(7/28)、英国(7/26)、カナダ(7/28)時筋のみならず投資家も注目しています。

 

米GDPは弱かった前期から大幅上昇が見込まれており(前年比1.4→2.5%)、英国は低下が見込まれています(前年比2.0→1.7%)。カナダGDPの前月比予想は横ばいですが(0.2%)、前年比では大幅な上昇が予想されています(3.3→4.2%)。7月12日にカナダ中銀が利上げ実施し追加利上げが期待される中で注目されることは間違いありません。

 

金融政策に直結するCPIでは、豪州(7/26)、日本(7/28)が予定されています。豪州CPIの予想は前期比で低下(0.5→0.4%)、前年比で上昇(2.1→2.25)、コア前月比は横ばい(0.5%)、前年比で低下(-1.9→-1.8%)と複雑です。ちなみに、日本のCPIは前回と変わらずの予想で(前年比0.4%、コア0.4%)、東京都区部CPIは若干の増加が見込まれています。

 

先日デベル豪中銀副総裁が豪ドル高と利上げ期待をけん制した発言をしていましたが、今週はロウ豪中銀総裁(7/26)の発言があり注目せざるを得ません。

 

米大統領選当時のロシア疑惑に関しては、報道の割には為替相場へのインパクトはそれほど大きくはなっていませんが、トランプ大統領の側近中の側近でもある、クシュナー上級顧問(7/24)、トランプJr・マナフォート選対本部長(7/26)の議会公聴会も市場は関心を持って見守っています。

 

重要なイベント
1.【FOMC(7/26)】
2.【米国GDP(7/28)】
3.【豪州CPI(7/26)】
4.【英国GDP(7/26)】
5.【日本CPI(7/28)】
6. 【カナダGDP(7/28)】
7. 【トランプJr・マナフォート選対本部長の議会公聴会(7/26)】
8. 【クシュナー上級顧問の非公開議会公聴会(7/24)】
9. 【OPEC加盟国・非加盟国の閣僚会議(7/24)】

 

米経済指標
1.【中古住宅販売(7/24)】
2.【マークイットPMI(7/24)】
3.【消費者信頼感(7/25)】
4.【新築住宅販売(7/26)】
5.【耐久財受注(7/27)】
6.【新規失業保険申請件数(7/27)】
7. 【卸売在庫(7/27)】
8. 【GDP(7/28)】
9. 【ミシガン大学消費者信頼感指数(7/28)】

 

中銀関係
1.【ホールデンBOE政策委員(7/26)】
2.【ロウ豪中銀総裁(7/26)】
3.【カシュカリ連銀総裁(7/28)】
4.【トルコ中銀金融政策(7/27)】
5.【(7/2)】

 

詳しくは別表をご覧ください。

 

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ブロガープロフィール

太田 二郎

FXストラテジスト 太田 二郎(ohta jiro)

FXのスタートはすでに35年近く前に遡る。外資系銀行でFXを学び現在に至る。米 系・英系・独系・オランダ系の外銀を経て、日本のFXリテー ル・ビジネスの草 分けとして米系支店の設立を経て、多くの個人投資家と関わりをもち、現在に至 る。現在は投資助言会社の業務部長を兼任し、頻度は 少ないながらも、セミ ナー講師をし、業界紙へFXコメントを掲載中。
信条は、「Once a dealer, always a dealer」教訓は、「FX Dealerは、全ての 面で人の手本となるべき」