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7/28
2017

頻発する“十字線”が、ドル円の先行きを暗示…!?

 ECB(欧州中央銀行)理事会(20日)は“ハト派/タカ派が混在”したものの、マーケットは“タカ派部分”のみに反応しました。一方のFOMC(米連邦公開市場員会・25-26日)も“ハト派/タカ派が混在”でしたが、こちらは“ハト派部分”のみに反応した印象があります。ユーロドルが2015年1月以来となる1.17ドル後半へと駆け上がる中(①)、ドル円は前回記した“6/14~7/11の50%押し(111.641円 ②)”では下げ止まらず、“同61.8%押し(110.967円 ③)”をも一時割り込む下落を見せています(④)。

 

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 “米インフレ鈍化⇒金利先高観後退”に“米欧金利差縮小”、さらには“トランプ政権の迷走”等…。ドルにとっては明らかに“逆風”が吹いており、重く圧し掛かっています。ユーロドルが1.17ドルを明確に上回ってきたことを考えると、「しばらくドル売りは続く」と見るのが自然かもしれません。

 

 ただ「各国中銀による金融正常化争い」は依然としてマーケットテーマとして健在であり、「金融政策の正常化争いの先頭はドル⇒最後方は円」という構図も崩れておりません。このため「ドル売り⇔円売り」が互いに引っ張り合い、明確な方向性を見出せない状況へと陥ってきたことが窺えるところです。

 

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 週足を見ると「方向感のないレンジ相場」に入り込んでいる印象があります(⑤)。それでいてイメージは“下方向へ傾斜”している印象があり(⑥)、前記したように“ドル売り材料”も揃っている状況では、なおさらその傾斜はきつくなりがちです。

 

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 一方で日足を見ると、“一目均衡表先行スパンの雲(現在は111.367-110.249円)”に再び押し戻されたものの(⑦)、“ドル売り材料”が揃っている割には大きく崩れておりません。雲の上限付近にて、“概ね横ばい”を続けています(⑧)。“大陽線(25日)-大陰線(26日)”を描くなど“派手な動き”をしているようにも見えますが、この両日を“一本のローソク足”に見立てると、雲に押し戻されて以降は「十字線(寄引同時線)を頻発」させていることが窺えます(⑨)。

 

 ※十字線(寄引同時線):売り方/買い方共に思い切って動くことができず、様子見(打診売り/打診買い)となりやすい線。相場の流れが変わる時にも現れやすく、拮抗する売り方/買い方のいずれかが勝れば、雪崩を打つように動く可能性もある攻防の分岐点。

 

 膠着状況を打破するには、新たな材料(要因)が必要です。しかしながら現在はその材料が見当たらず、決め手を欠いているのが実状です。想定される“夏枯れ(ボラティリティの低下)”は“仕掛け的な動き”を呼び込む可能性を秘めていますが、一方で“積極的な売買が手控えられる”とは“両刃の剣”です。ドル売り材料が揃っている現状を考えると、 「下方ブレイクには、さらに強力なドル売り(もしくは円買い)材料が必要」と考えざるを得ないところです。

 

 もちろんイメージは“下方向へ傾斜”ですので、決して楽観はできません。それでも “レンジ下限”付近で推移し、前記したように“十字線を頻発”させています。大きく動意づく可能性を秘めた“雲のネジレ”も、まだ先(8月4-7日 ⑩)になります。イメージ(流れ)には逆らう格好になりますが、「下値は浅い」「戻り売りではなく、押し目買い」で臨みたい局面と考えます。

 

(2017年7月28日執筆)

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ブロガープロフィール

武市 佳史

ファイナンシャル・プランナー 武市 佳史(takechi yoshifumi)

大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)、テクニカルアナリスト。
日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。数多くの一般投資家と接しながら、現在はFX大手「マネーパートナーズ」のチーフアナリストとして、為替コラム執筆やWebセミナー講師を務めるのみならず、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。「初心者には分かり易く、上級者も納得」がモットー。