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8/14
2017

今週の為替相場を考える(8月14日~8月18日)

金利差と北朝鮮リスクが引き続き重要。

 

ドルは4日の強い米雇用統計後のドル買いも続かず、先週は予想を下回る米消費者物価指数に下落へ。さらに、軍事行動にでも発展しかねない米朝間での緊張の拡大し「北朝鮮リスク拡大=株安+債券利回り低下」の動きが活発となり、円は「金利差縮小=円高」で上昇。今週は、16日のFOMC議事録が米国発の材料としては相場変動リスクが高くなっています。

 

他の主要国では第2四半期GDPの速報値や、消費者物価指数(CPI)、雇用統計に加え、中銀議事録の発表が多くなっており、今週は北朝鮮リスクの変化を除けば各国の固有の材料により通貨間で異なる相場変動になることが予想されます。

 

ところで、先週のドル安要因となっていた世界的に低下している株価を前週末と比較してみましょう。日経平均株価=19,952.33→19,729.74(-1.12%)、ダウ22,092.81→21,858.32(-1.06%)、独DAX12,297.72→12,014.06(-2.31%)、英FTSE7,511.71→7,309.96(-2.69%)、MSCI1,067.26→1,042.80(-2.29%)と、英国や新興国の下げ幅が大きくなっています。

 

債券利回では(7月の高値=主に7月7日の米雇用統計後ですが)→(8月4日の米雇用統計後の高値)→(先週末)を比較すると、米10年債利回り=2.394→2.287→2.189%まで低下、独10年債は0.619→0.488→0.382%で低下、英10年債も1.338→1.118→1.062%まで低下し、日本の10年債利回りは問題外で、「金利差縮小=円高」が続いており、今週の為替相場はこの流れが続くのか大きなポイントになっています。

 

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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】

 

◎USDJPY【予想レンジ 続落←108.00~111.00】

 

先週は北朝鮮リスクと弱い米CPIに予想外の下落幅が拡大、株安+米金利の低下に110円、109円の簡単に割り込み、クロスでも円高が進み、方程式は円高へ。円ベア派にとっては最後の砦は108.00円で、この水準で下げ止まるのか、さらに円高が加速するのかは、「日本のGDP」と「米FOMC議事録」と、「北朝鮮リスク」の3点の行方次第。週足のローソク足では反転の「十字架」がみられたので目先は反発の可能性も気になります。

 

StockRSIのDailyでは、K=19.01、D=40.86と売られすぎゾーンにありますが、強いダウンサイド圧力の継続にUSDJPYの下落傾向が続いています。移動平均線では、7月21日に200日MAを割り込んでから続落中で、現時点では112.30に位置し、36日MAも111.77で共に遥か上方に位置し、この水準を上回るまでは反転を確認できそうにありません。

 

ただし、ローソク足の7月24日のDailyチャートのパターンと同じく、転換サインを示す下髭が長く始値=終値の転換サインもあり、円高局面が目先終了する可能性も気になりますが、流れの変化には110.50円を超えることが必要になりそうで、それまでは戻り売り圧力が続きそうです。

 

IMM通貨先物では、【円】-112,196→-95,813(16,383)は、引き続き主要通貨では最大のショートを維持していますが、3週連続でショートは減少し、円安一辺倒の相場に変化の兆しの可能性も。USDJPYオプションのリスクリバーサルでは、1週間は前週-0.95→-1.50%へ急拡大、1か月-1.10→-1.50%へ、6か月も-1.50→-1.80%と1年まですべて上昇気味で先週と同じく中期的な円高期待が強まっています。

 

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◎EURUSD【予想レンジ 1.1700~1.19000】

 

EURUSDは1.17割れをボトムに終盤にかけては1.18台を復活し1.1850を目指す動きとなりました。北朝鮮リスクの回避に欧州債の買い(利回りは低下)で底堅くし、EURGBPの買いや弱い米CPIも加わっての上昇復活です。今週は、ユーロ圏各国のGDPとCPIで、9月7日のECB理事会で期待されている、資産縮小のスケジュール発表の可能性に直結する可能性があり、ECB議事録を含めて注目しています。

 

StockRSIのDailyでは、K=10.59、D=17.17と売られすぎゾーンに変化し買いに転換する可能性も見られます。200日MA=は1.0912で先週同様に遥か下の水準に位置し、最近の動きでは36日MAで下げ止まる動きが続いています。その線も1.1563 と現状の1.1773近辺から下方に位置しており、現状ではWeeklyベースのMA=終値1.1777(高値のMA=1.1895~安値のMA=1.1679)がより重要となっています。

 

IMM通貨先物では、【ユーロ】82,637→93,685(11,048)は、3週間ぶりに前週比でロングが拡大。ネットロングは5月9日の週にネットショートからロングへ転換してからロングの増加幅は最大で、ユーロの先高期待は変わらず。逆に、オプションのリスクリバーサルでは、1週間は前週0.15→-0.60へとユーロプットへ変化、1か月0.40→h0.00%と変化直前、3か月0.25→0.00%と変化直前、6か月0.00→-0.05%と変化しており、短期から中期まではユーロプットオーバーへ変化しており、ユーロの先安感が強まっています。

 

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◎GBPUSD【予想レンジ 1.2900~1.3100】

 

GBPUSDは先週1.2950~1.3050のレンジで推移。弱い米消費者物価や北朝鮮リスクに1.30台を復活し底堅さを維持していますが、上下のポイントを抜け出せず、今週の方向性がやや不透明になっており、予想レンジを策定することは難しくなっています。

 

FOMC議事録で相場変動が強まることは間違いなさそうですが、英CPI・RPI、英雇用統計と英国発の重要な指標もあり、この数字で先週の上下レンジを抜け出す動きが期待できそうです。

 

StockRSIのDailyでは、K=4.27、D=9.35と売られすぎゾーンで買いに変化する可能性が強まっています。200日MA=1.2633にあり先週と同じく遥か下方に位置し、26日MA=は1.2952にあり、安値・高値ベースの26日MAは1.2947~1.3037にあり先週はこの水準をボトムに反発し、今週もこの水準がボトムになる可能性を意識しています。

 

IMM通貨先物では、【ポンド】-29,452→-25,160(4,292)は、3週間ぶりに前日比でショートが減少。ネットでは円に次いでショートが大きい状況は変わらず。GBPUSDオプションのリスクリバーサルでは、GBPプットで変わりません。1週間は-0.15→-0.10%とやや低下していますが、1か月は-0.20→-0.40%、3か月以降もポンドプットオーバーが拡大傾向にあり、ポンドの先安観は払しょくされていません。

 

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今週の主な材料(8月14日~8月18日)

 

4日の強い米雇用統計、11日の弱い米消費者物価指数と、週替わりの変化に連動しドル相場が変動していましたが、今週はFOMC議事録を除くと米国では最重要と思われるイベント・経済指標は以外に少ない週となっています。

 

逆に他の主要国では第2四半期GDPの速報値や、消費者物価指数(CPI)、雇用統計に加え、中銀議事録の発表が多くなっており、今週は各国の固有の材料により通貨間で異なる相場変動になることが予想されます。

 

また、直近では米朝間で軍事的行動を匂わせる牽制球の投げ合いに、今週の北朝鮮リスクが一機に高まり、事態の急変によるリスク回避の動きに為替相場が変動することが避けられない状態にあることは変わっていません。

 

個人的には北朝鮮リスクに対してのリスク回避通貨に円を入れることに異論があり避けたいと思いますが、影響度合いの少ないEURが先週と同じく再評価される可能性は残っています。

 

米FOMC議事録以外では、特に注目するのはユーロ圏各国のGDPとCPIで、9月7日のECB理事会で期待されている、資産縮小のスケジュール発表の可能性に直結する可能性があり、ECB議事録を含めて注目しています。

 

今週の重要なイベント

 

【日本GDP(8/14)】
【豪中銀議事録(8/15)】
【独GDP(8/15)】
【英CPI・RPI(8/15)】
【英雇用統計(8/16)】
【ユーロ圏GDP(8/16)】
【FOMC議事録(8/16)】
【豪雇用統計(8/17)】
【ユーロ圏CPI(8/17)】
【ECB議事録(8/17)】
【カナダCPI(8/18)】

 

詳しくは別表をご覧ください。

 

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太田 二郎

FXストラテジスト 太田 二郎(ohta jiro)

FXのスタートはすでに35年近く前に遡る。外資系銀行でFXを学び現在に至る。米 系・英系・独系・オランダ系の外銀を経て、日本のFXリテー ル・ビジネスの草 分けとして米系支店の設立を経て、多くの個人投資家と関わりをもち、現在に至 る。現在は投資助言会社の業務部長を兼任し、頻度は 少ないながらも、セミ ナー講師をし、業界紙へFXコメントを掲載中。
信条は、「Once a dealer, always a dealer」教訓は、「FX Dealerは、全ての 面で人の手本となるべき」