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9/4
2017

今週の為替相場を考える(9月4日~9月8日)

市場は、米国の9月のQE縮小と12月の利上げ(FOMC 9月12日)、ECB理事会(9月6日)で早期の政策変更の討議に対して疑問視する声が強まり、北朝鮮リスク、税制改革の遅れ・連邦債務上限引き上げ問題などトランプ政権へのリスクもあり、目の前の材料に対して明確な方向感を持てずにいます。

 

市場は期待感として「9月の米株下落=ドル安」を願っているように思え、米個人投資家は米株を売却し債券に投資に乗り換えているとの報道やデータもあります。しかしながら、米株の底堅さは変わらず、新興国株は非常に堅調を維持しています。

 

米債券の利回りの低迷は気になりますが、これらが明確に変化するまでは、盲目的なドル安期待も持ち続けることは難しいのではと考えます。円相場に関しても将来の見通しにたいしては円高期待が円安期待を上回る状態が続いていますが、決定的な動きになっていません。

 

市場の関心度合いは別として、NZDUSDの下落-1.19%とUSDCADの下落0.71%が目立っていることに気が付きます。この動きは先週一週間にとどまることはなくトレンドとして有効で、NZDUSDは4日連続で下落し、USDCADは二日連続で大幅な下げとなっています。

 

NZドル安は、北朝鮮のリスク回避もありますが、NZ中銀のNZドル安誘導発言+財政収支の黒字額減少+成長見通しの下方修正など挙げられ、利上げ期待度は非常に弱い通貨です。

 

カナダドル高は、除く自動車の小売売上高は強く、GDPは予想外に強く最近は原油価格の変動による動きもやや弱まり、9月6日のカナダ中銀による9月に続き2度目の利上げ期待が潜在的に左右していると思われます。

 

一方、主要通貨では、EURUSDが1.20から折り返し下落し1.18台と約400ポイント値を下げ上昇のスタート地点に逆戻り。USDJPYは108.20台→110.60台へと約240ポイント値を戻して推移、AUDUSDは0.7850~0.8000のレンジ、GBPUSDは1.2800~1.3000のレンジとなっています。

 

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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】

 

◎USDJPY【予想レンジ 108.00~111.00、111.50→上昇】

 

USDJPYは、先週は北朝鮮リスクに一時108.50のポイントを割り込み一時108.20台まで円高が加速したもの、幅広い大口買いに阻止され108円を割り込むこともなく反発。強い米経済指標も加わり、ショートカバーに110.60台とほぼ元の水準に逆戻りしています。

 

今週も日本発の材料は9月8日のGDP以外に見当たらず、北朝鮮リスクの突発的な動揺がなければ、108.00~111.00のレンジに再び収束し111.50を超えるような円安となれば、投機筋からの買い戻しが強まることが予想されます。当面の注目は円クロスでどの通貨ペアをロングに円を売るかが主役になりそうです。

 

期待感は、AUDJPYとCADJPYのロングで、短期的な下げは覚悟しながら下落時に狙うか、長期的な動きを期待したくなります。

 

StockRSIのDailyでは、K=93.45 D=77.25と買われすぎゾーンにあり、109.73が中心点にあり、売り圧力が強まる可能性もあります。移動平均線では、7月21日に200日MAを割り込んでから続落中で、現在は112.44にあり、36日MAは110.41にあり一時この水準を上回りましたが、終値ベースでは有効で上値のポイントとなっています。

 

IMM通貨先物では、【円】-74,086→-68,524(5,562)と、3週間連続で円のショートが減少してはいますが、主要通貨の中では引き続きNO.1のショートの座を維持。米ドル換算ではドル買いが約78億ドルでピークの7月18日の週142億ドルから大きく減少しています。

 

USDJPYオプションのリスクリバーサルでは、1週間は前週-0.55→-0.50と若干円コールが弱まり、1か月も-0.95→-0.85、12か月まで円コールが減少傾向にあり、円先高感は全く変わっていませんがやや弱含んでいると考えてもいいでしょう。

 

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◎EURUSD【予想レンジ 1.1800~1.200】

 

膠着状態から上値を抜け出した期待の星と考えていましたが、1.2070台と2014年12月の終値水準を試しながらも、ECB関係や為政者からEUR高の牽制発言や、ECBの金融政策見直し開始期待の後退に、現時点では1.1800~1.200のレンジでロックされています。

 

もちろん、9月6日のECB理事会とドラギECB総裁の会見で今後の金融政策で明確なシグナルが発せられることにでもなれば、このレンジを抜け出す可能性が出てきますが、現状ではそれを期待することも難しいと思われます。

 

気になるのは、EURGBPで8月29日に0.93台を達成してから0.9150まで続落、EURJPYと合わせクロスでEUR高とならないと、高値を更新することは難しくなる可能性も意識されます。

 

StockRSIのDailyでは、K=47.20、D=70.39買われすぎゾーンから売りへ変化し下値リスクが強まっています。200日MA=は1.0989で先週同様に遥か下の水準に位置し、最近の動きでは36日MAで下げ止まる動きが続いています。その線も1.1757と徐々に接近し下値の重要なポイントになっています。また、注目していたWeeklyベースのMA=終値1.1750(高値のMA=1.1868~安値のMA=1.1652)は前週に上限を上抜け上昇し、逆の1.1868、1.1750、1.1652が下限のポイントになっています。

 

IMM通貨先物では、【ユーロ】87,976→86,519(-1,457)と、ピーク時の93,685コントラクト(7月8日の週)からは減少気味ながら、絶対的な高水準を維持し、ロングNO.1の座を継続中。米ドル換算ではドル売りが約129億ドルで7月3日の週以降は、110億ドル台を維持しています。

 

EURUSDオプションのリスクリバーサルでは、1週間が前週は0.10→-0.25%とEURプットへ変化、1か月は0.20→0.15%に低下し、ユーロ相場に対して弱気なムードになっています。

 

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今週の主な材料(9月4日~9月8日)

 

今週は週明け月曜日は米国市場がレーバーデーで休場となりますが、月初に当たり多くの経済指標や金融政策の発表が控えた週になります。

 

今週の米国発の最重要となる指標の発表はありませんが、米耐久財受注、(9/5)ISM非製造業景況指数(9/7)の二つが焦点になってくるでしょう。

 

今週の主役は米国発の政治的混乱や北朝鮮の突発的な出来事を除けば、金融政策が主役で3点を注目しています。

 

一つ目はECB理事会(9/7)とドラギECB総裁の記者会見で、市場は金融政策の変更は期待していませんが、資産買い入れプログラムを早いペースで終了することをアナウンスできるのでしょうか? 直近ではインフレ率の伸び悩みを主張し、ユーロ高をけん制するような発言が報道され、EURUSDの上値を抑える要因となっています。

 

もちろん、年初の1.03台→1.20台へ一時大幅に上昇していますが、2008年の高値1.60台、2014年の高値1.40から比較すれが歴史的に見てユーロ高水準とは言い難いのではないでしょうか? 問題はスピードでアクセルを話し、若干ブレーキを踏み入れているように思えてなりません。

 

二つ目はカナダ中銀の金融政策(9/6)で、市場は0.75%の政策金利の据え置き予想がメインですが、8/31のカナダGDPは予想外に強く、0.25%の利上げを期待する声もあることも確かです。大勢の予想通り、利上げを実施しない場合でも、今後の金融政策に関しての声明が重要で、その結果を受けて相場が動くことは避けられそうにありません。仮に利上げ期待を残す発言でもあればカナダドル買いが続く可能性もあります。

 

カナダ中銀は7月12日に0.25%利上げを実施しており、仮に、仮の話ですが今回利上げを実施するとすれば2か月間で2度目の利上げとなり、カナダドル買いがより強まることが予想されます。

 

三つ目は豪中銀の金融政策(9/5)で、市場は1.5%の据え置きを予想しており、固いと思われます。前回の議事録でも「通貨の一段の上昇は消費者物価を圧迫し、成長と雇用見通しを押し下げる可能性がある」と警告しており、AUDUSDが0.80を上回っている場合には影響が大きいと思いますが、同時にインフレの穏やかな上昇を予測し、将来の利上げの可能性を前回同様に示唆する可能性が高く、下げ幅は限定的に思われます。

 

注目材料
【米国市場(レーバーデー)で休場(9/4)】
【北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉開始(9/4)】
【豪中銀(RBA)金融政策発表(9/5)】
【米耐久財受注・確報値(9/5)】
【豪第2四半期 GDP(9/6)】
【カナダ中銀(BOC) 金融政策発表(9/6)】
【米ISM非製造業景況指数(9/6)】
【米地区連銀経済報告(ベージュブック)(9/6)】
【欧州中銀(ECB)金融政策発表・ドラギECB総裁記者会見(9/6)】
【日本第2四半期 GDP・第2次速報(9/8)】
【カナダ雇用統計(9/8)】
【中国消費者物価指数(CPI)(9/9)】

 

それ以外で潜在的な相場変動要因となりうる材料
1.ハリケーン「ハービー」の影響、
2.連邦債務上限引き上げの問題、
3.北朝鮮リスクの継続の問題、
4、9月20日のFOMCでQEの縮小の有無。

 

詳しくは別表をご覧ください。

 

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太田 二郎

FXストラテジスト 太田 二郎(ohta jiro)

FXのスタートはすでに35年近く前に遡る。外資系銀行でFXを学び現在に至る。米 系・英系・独系・オランダ系の外銀を経て、日本のFXリテー ル・ビジネスの草 分けとして米系支店の設立を経て、多くの個人投資家と関わりをもち、現在に至 る。現在は投資助言会社の業務部長を兼任し、頻度は 少ないながらも、セミ ナー講師をし、業界紙へFXコメントを掲載中。
信条は、「Once a dealer, always a dealer」教訓は、「FX Dealerは、全ての 面で人の手本となるべき」