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9/11
2017

今週の為替相場を考える(9月11日~9月15日)

「北朝鮮リスクの増減」、「米債務上限・政府機関閉鎖リスクの一時的後退」。「ハリケーンの米経済に与える影響」と、止まらぬ「米債利回り低下」の動き、「テクニカルのドル売り」で、AUD高+AUD高+EUR高+GBP高+JPY高+CHF高は何処まで続くのでしょうか?

 

「北朝鮮リスクの増減」
危惧した9月9日の北朝鮮の行動もなく、週明けの為替市場は週末リスクの巻き戻しに円売りが活発になることが予想されます。ただ、11日の北朝鮮に対する国連の制裁決議案の結果次第では、直近でもリスク回避が再燃する可能性も残り、円売りも限界があることでしょう。

 

「米債務上限・政府機関閉鎖リスクの一時的後退」
先週末には米下院が上院に続きハリケーン対策票を織り込んだ、連邦債務上限の引き上げと、前提予算を含む一体法案を可決したことで、12月まで政府機関の閉鎖や米国債がデフォルトに陥るリスクは回避されていますが、米債利回りが上昇傾向を示さなければドル相場に対して懸念材料と言わざるを得ません。

 

「ハリケーンの米経済に与える影響」
ハリケーン「ハービー」に続き「イルマ」の米経済への影響が心配です。先週の米週間新規失業保険申請件数は、ハービーの影響を受けて予想外に数字が上昇し、米経済へ悪影響を与えていたことがはっきりとしました。ダドリーNY連銀総裁が「利上げ時期に影響する可能性もある」との発言もあり、米利上げ期待度が低下を続けドル売りの材料となる可能性も残っています。

 

「止まらぬ米債利回りの動き」
ダドリーNY連銀総裁が「利上げ時期に影響する可能性もある」との発言もあり、米利上げ期待度が低下を続けドル売りの材料となる可能性も残っています。ちなみに先週末のCME FedWatch では、12月利上げ期待度、36.7→27.3%へ低下しており、米10年債利回りは2.05%台とトランプ米大統領が誕生した昨年の11月上旬の上昇以降では最も低下しています。

 

「テクニカルのドル売り」
CAD高+AUD高+EUR高+GBP高+JPY高+CHF高で、テクニカル(週足)では、EURUSDは200週MAを超えてから上昇が止まらず、2015年1月以来、久々の1.20台を達成。GBPUSDは200週MAまでのりしろを大幅に残しながらも、2016年9月来以来の高水準でとなる1.32台を達成。AUDUSDは200週MA]を超え、2015年5月以来の0.80台を達成し、終値ベースでは2015年1月の0.8224に次ぐ水準へと上昇。USDJPYも、200週MAを割り込んでからは下落を続け107円台で終了し2016年11月以来の安値を更新しています。

 

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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】

 

◎USDJPY【予想レンジ 107.00~108.50~80】

 

USDJPYは、大枠108.00~111.50のレンジの下限を割り込み、4月17日の安値108.13を割り込んでからは目先のストップを執行。先週末の終わり値でも108の大台を回復できず107.80台で越週しました。

 

9日に北朝鮮がミサイル発射などの危惧された行動をとらなかったことで、週末リスクの円買いポジションの巻き戻しが週明けから期待できます。一方、11日の北朝鮮に対する国連の制裁決議案の内容次第では、北朝鮮が更なる行動に出る可能性は否定できず、108.50を超えて円売りが加速するような状況には思えません。

 

USDJPYですが、リスク回避時に選好される円買いと、円ショートポジションの巻き戻しに加え、米金利の低下による円買いが重複する現在の流れに乗らざるを得えず、底値を探る展開が予想されます。ただし、北朝鮮リスクでは日本は当事国であることは間違いなく、円の潜在的リスクを含めた考え方を持つ必要がありそうです。

 

StockRSIのDailyでは、K=20.43 D=54.19と売りサインを継続しながらも、109.45をベースに108.16~110.74のレンジの下限を割り込み、売られすぎゾーンにあります。移動平均線では、7月21日に200日MAを割り込んでから続落中で110.91に位置し、36日MAは109.93でこの水準を上限にして過去1週間は下げ幅が拡大しています。

 

IMM通貨先物では、【円】-68,524→-72,945(-4,421)と、6週間続けて減少していた円のショートは久々に転換し上昇。市場センチメントは円安へと変化していたことで、先週を終えてみれば107円台まで進んだ円高へ引き金になっていた可能性もあります。

 

USDJPYオプションのリスクリバーサルでは、1週間は前週-0.50→--1.80へ、1か月も-0.85→-1.50へ大幅に拡大、12か月まで円コールが上昇していることで強い円先高感が示されています。

 

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◎EURUSD【予想レンジ 1.1870~1.2100】

 

堅調なユーロ圏の経済指標、ECB理事会で金融政策を据え置き、ガイダンスの変更もなく、ドラギ総裁の記者会見ではEUR高を警戒する反面、QEの大筋は10月に示すことがEUR買いの材料とのコメントが多い。スタッフ見通しでは成長を上方修正、インフレ見通しを下方修正する情弱混在。債券利回りは低下する中で、為替相場はEUR高へ突入。EURUSDは200週MAを超えてから上昇が止まらず、2015年1月以来、久々の1.20台を達成。(あまり理屈に合わないのですが、理屈より現実が大事、ただし、1.20超ではEU高をけん制する発言も気になる)

 

StockRSIのDailyでは、K=66.83、D=44.95で買いサインを継続中で、ニュートラルゾーンに近い。200日MA=1.1289で引き続き遥か下の水準に位置し、最近の動きでは36日MAで下げ止まる動きが多かった水準も1.1790とかい離が拡大しています。注目していたWeeklyベースのMA=終値1.1743(高値のMA=1.860~安値のMA=1.1645)は上限を超えてから、高値のMAを下限に上昇を継続中で、一つの判断の目安と考えてもいいでしょう。

 

IMM通貨先物では、【ユーロ】86,519→96,309(9,790)と、18週連続のロングで8~10万コントラクトの高水準を維持。市場のユーロ高センチメントは変わらず。先週は2015年1月2日の週依頼、終値ベースで久々に1.2の大台へ。

 

EURUSDオプションのリスクリバーサルでは、1週間が前週は-0.25→0.55%へ、1か月も0.15→0.40%へ上昇、12か月まで全ての期間でEURコールが拡大し、12か月はEURプットが-0.05%まで低下しています。結果、EURの幅広い先高感を反映した動きとなっています。

 

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今週の主な材料(9月11日~9月15日)

 

9月9日の北朝鮮建国記念日では市場が懸念したサプライズは見られず、その反動が予想される反面、11日の国連による北朝鮮への制裁決議案の採決が新たな懸念材料となり控えおりなかなかリスク回避の行動パターンから脱却できにくい状況となっています。

 

先週末には米下院が上院に続きハリケーン対策票を織り込んだ、連邦債務上限の引き上げと、前提予算を含む一体法案を可決したことで、12月まで政府機関の閉鎖や米国債がデフォルトに陥るリスクは回避されていますが、米債利回りが上昇傾向を示さなければドル相場に対して懸念材料と言わざるを得ません。

 

また、中国は、9月4日のICO(イニシャル・コイン・オファリング)の禁止に続き、9月9日にビットコインなど仮想通貨の取引所を閉鎖。報道ではビットコインの元建て価格は9日朝に一時2.3万元台と前日から約2割下落とありましたが、為替相場に直接的な影響は考えにくいのですが、気になります。

 

さて、今週の主な材料は、冒頭に記載している11日の北朝鮮に対する国連の制裁決議案の採択を中国とロシアの反対が予想される中で、どこまで具体的に織り込めるのか? その結果を受けて、北朝鮮がどのような行動に出るのかが注目されます。

 

米株の動向では、12日のアップル新型スマートフォン販売のアナウンスメントで、米株の動向が為替相場に影響を与える可能性も意識されます。一部で、このイベント以降に米株の下げ幅が強まるのではとの危惧もありますが、実際にはどのような展開になるのか見守りたいと思います。

 

金融政策では、今週は14日のBOEの金融政策が注目されます。市場の予想は政策金利0.25%、資産買い入れ枠4350億ポンド+社債買い入れ枠100億ポンド の据え置きを、7対2で決定と予想していますが、同時に公表される議事録がより重要で波乱要因となり、高値を更新しているGBPUSDの動きに当然影響を与えることでしょう。

 

インフレ指標では、12日の英国と14日の米国の消費者物価指数(CPI)を注目しています。
英CPIは14日のBOEの金融政策の前の発表で予想は、前月比予想0.5% 前回-0.1%、前年比予想2.8% 前回2.6%、コア前年比予想2.5% 前回2.4%、小売物価指数・RPI前月比予想0.6% 前回0.2%、RPI前年比予想3.8% 前回3.6%、RPIX前年比=予想4.0% 前回3.9%と、強い予想数字が連なっており、ポンド高を期待させる予想数字となっています。

 

米CPIの予想は、前月比予想0.3% 前回0.1%、前年比予想1.8% 前回1.7%、コア前月比予想0.2% 前回0.1%、コア前年比予想1.6% 前回1.7%とコアの前年比を除き若干ですが強い予想数字となっています。市場の期待感は年内のQE縮小は変わらず、年内の追加利上げの期待度が低下傾向にありますが、これに歯止めをかけることができるのでしょうか?

 

雇用関連では、13日の英国の雇用統計と14日の豪州の雇用統計が重要となっています。
英雇用統計の予想は、失業率=予想2.3% 前回2.3%、失業保険申請件数=予想600人 前回-4,200人、ILO方式=3か月・前年比予想4.4% 前回4.4%、平均所得・含むボーナス=3か月・前年比予想2.3% 前回2.1%、平均所得・除くボーナス=3か月・前年比予想2.2% 前回2.1%で、平均所得の増加に注目しています。

 

豪雇用統計の予想は、失業率=予想5.6% 前回5.6%、雇用者数推移=予想19,000人 前回27,900人、正規雇用者数=予想 前回?20,300人、パートタイム雇用者数=予想 前回48,200人、労働参加率=予想65.1% 前回65.1%と、雇用者数の減少が見込まれていますが、正規雇用数の増減にも気を配る必要がありそうです。

 

注目材料
【国連北朝鮮への制裁決議案の採決(9/11)】
【アップル新型スマートフォン販売を発表(9/12)】
【英CPI(9/12)】
【英雇用統計(9/13)】
【豪雇用統計(9/14)】
【BOE金融政策(9/14)】
【米CPI(9/14)】
【東京市場敬老の日で休場I(9/18)】
【FOMCI(9/20)】

 

詳しくは別表をご覧ください。

 

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ブロガープロフィール

太田 二郎

FXストラテジスト 太田 二郎(ohta jiro)

FXのスタートはすでに35年近く前に遡る。外資系銀行でFXを学び現在に至る。米 系・英系・独系・オランダ系の外銀を経て、日本のFXリテー ル・ビジネスの草 分けとして米系支店の設立を経て、多くの個人投資家と関わりをもち、現在に至 る。現在は投資助言会社の業務部長を兼任し、頻度は 少ないながらも、セミ ナー講師をし、業界紙へFXコメントを掲載中。
信条は、「Once a dealer, always a dealer」教訓は、「FX Dealerは、全ての 面で人の手本となるべき」