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10/9
2017

今週の為替相場を考える(10月9日~10月13日)

今週は日米3連休明けの影響、中国国慶節明けの影響、10日の北朝鮮労働党創設記念日のサプライズの有無。11日のFOMC議事録、12日のドラギECB総裁とブレイナードRB理事が出席するパネル討論会、通常の米経済指標が注目されているが、最重要のイベントは極めて少ない一週間になっている。

 

今週の為替相場も、米金利と米株の動きに連動する可能性は高く、9月期の決算発表が始まる時期に当たり、株価の変動をともなうことで為替相場への影響が大きくなることが予想される。

 

過去2~3週間続いているドル高相場で、米国発の要因とユーロ圏、英国のきっかけをちょっと振り返って見たい。

 

米国は為替相場と連動性の高い米金利を注目したい。米10年債利回りは米連邦債務問題に短期引き上げ案で合意された翌日の9月7日2.0387%をボトムに上昇が始まり、9月26日にはイエレン議長が段階的な利上げの必要性を強調、9月27日に懸案の30年ぶりの税制改革が示され2.3%から急伸、米株も上昇しドル高相場を作っていた。

 

また、次期FRB議長にウォーシュ元FRB理事が有力との観測が、より積極的なQEの縮小と利上げ期待に結びつき、先週末の米雇用時計では非農業部門雇用者数はハリケーンの影響で無視され、むしろ賃金の上昇を評価し米金利は上昇、10年債利回りは一時2.4%台上昇、FBI長官が突然解任された翌日の5月11日以来の水準へ。米12月の利上げはほぼ間違いないと市場は織り込みドル高傾向が続いていた。

 

ユーロ圏では、EURUSDが、大枠1.1850~1.2100の250ポイントのレンジを割り込み下落が始まったのは、9月25日で独総選挙「極右政党が躍進しメルケル首相の与党連合が議席を減らす」結果後で、9月28日にはビルロワドガロー仏中銀総裁が利上げ慎重発言とユーロ高懸念発言をしている。

 

9月29日のユーロ圏のCPIが予想外に弱く、10月1日の投票日を前にしてスペイン・カタルーニャ州独立問題にユーロ売りが強まり、週明け10月2日の選挙結果は9割が独立賛成に、ギャップを空けユーロ売りが加速。10月5日のECB理事会議事録ではユーロ相場の急伸懸念を示唆、先週末には一時1.16695まで下落している。EURUSDは、8月17日の安値1.1662がポイント。

 

英国では、GBPUSDが大枠1.3450~1.3650の200ポイントレンジを割り込み下落が始まったのは、9月26日~27日にかけてで、イエレン議長のタカ派発言と米税制改革案が前進した日に当たるが、22日にムーディーズ・インベスター「英国の長期債務格付けを「Aa1」→「Aa2」に引き下げたことも関わりがありそうである。

 

9月29日のGDP確報値は弱くポンド売りが強まり、10月2日の月曜はカタルーニャ州政府の分離独立を説う住民投票の結果にEURUSDが急落した影響にGBPUSDも、ギャップを空け安値からスタートし1.3300を割り込み、10月3日には英国のEU離脱交渉の難航にジョンソン英外相辞任の要求のウワサが流れ、党大会を前にして不穏な流れが広まる。

 

10月4日の党大会最終日には、メイ首相は多数のハプニングに見舞われ、元閣僚のエド・ベイジー議員は、メイ英首相は保守党議員らの信頼を失いつつあり辞任を考えるべきと発言。GBPUSDは9月6日の水準となる1.300の大台直前まで急落している。

 

今週はこれらの材料に変化がみられるか、たま、テクニカルではこの流れが加速するのか変転の兆しがあるのかを十分注視しながら対応をする必要がある。

 

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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】

 

◎USDJPY【予想レンジ 111.80←112.50~113.50→続伸】

 

USDJPYは、先週末にも一時113.50を試す動きも見られたが、終盤にかけて北朝鮮リスクもあり円ショートがたまりすぎていたのか、過度に失速。9月27日からドル買い傾向が続きながらも、113円台の終値は一度も現実のものとならず。結局のところ、112.20~113.50の1.2円のレンジ相場を継続中で、方向性は定まらず、衆議院選の世論調査で変動するリスクはあるも、ドル円ストレートでの取引の難しさを象徴している。

 

DailyチャートのStoch RSIは、Basis=111.81、Upper=113.85、Lower=109.76、K=55.06、D=68.51と売りの流れを継続中。

 

DailyチャートのMAは、9月26日から200日MAを上回り、終値ベース=111.91、高値ベース=112.41、安値ベース=111.44。

 

IMM通貨先物では、【円】-71,347→-84,643(-13,296)と、円は、2週間続けてショートポジションが大幅に増加し、ネットポジションでは8月15日以来の水準に逆戻り、引き続きネット・ショートを一人で背負う流れが続く。

 

USDJPYオプションのリスクリバーサルではロンドンベースで、1週間は前週-1.25→1.00%とドルプットが縮小、1か月も-1.65→-1.55へと低下するも、長いところは逆に上昇している。

 

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◎EURUSD【予想レンジ 1.1650~1.1780→上昇へ】

 

EURUSDは、7月31日~8月24日まで約3.5週間続いた大枠1.1670~1.1900のレンジ相場を再現中。先週終盤には一時直近の安値を更新するなど、下値の不安感は消えず。1.1750~80の上値の重さが目立つ半面、カタルーニャ州独立の問題もひとまず収まり、ECBのQEの動きを気にしながら8月17日の安値1.1662がポイントで下げ止まり反発することができるか注目。

 

DailyチャートのStoch RSIは、Basis=1.1852、Upper=1.2039、Lower=1.1665、K=9.63、D=12.27売られすぎゾーンにあり、弱いながらも買いへと変化している。

 

DailyチャートのMAは、相変わらず200日MAは1.1154にあり大幅な乖離状態は変わらず。36日MA=終値ベース1.1869、高値ベース=1.1914、安値ベース=1.1828にあり、1.1870~1.1900の上限を超えるまでは大幅な反発は難しそう。

 

IMM通貨先物では、【ユーロ】88,167→90,833(2,666)と、ユーロは微増。為替市場では続落傾向が続くも、ネットでロングポジションの増加傾向は弱まるもNO.1の地位を維持。

 

EURUSDのオプションのリスクリバーサルでは、1週間が前週0.20→0.35%と拡大、1か月も0.30→0.35%へと拡大、ユーロの上昇リスクを意識した流れとなっている。

 

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◎GBPUSD【予想レンジ 1.2930←1.3000~1.3150-80 】
 
 

GBPUSDは、景気鈍化+インフレ進行リスクから通貨高を目指す動きと来年初のBOE緩和縮小期待に膨れ上がったポンドロングポジションは、9月20日のFOMCで1.3657を高値に反落し、先週末の1.3027までこの傾向は止まらず。今週は1.30の大台で下げ止まることができるのか? 重要なポイントを前にして投機筋はこのポイントを狙う可能性も否定できず。逆に失敗すると1.3150~00までの戻りも。

 

DailyチャートのStoch RSIは、Basis=1.3364、Upper=1.3665、Lower=1.303、K=0.47 、D=1.62と売られすぎゾーンにあり変化は見られないが、GBPUSDの下落は止まらず。

 

DailyチャートのMAは、相変わらず200日MAは1.2767にありある程度の乖離状態は変わらず。36日MA=終値ベース1.3174、高値ベース=1.3228、安値ベース=1.3120にあり、1.3220~50の上限を超えるまでは大幅な反発は難しそう。Weeklyチャートでは、36週MA終値ベース1.2826(安値ベース1.2702、高値ベース1.2931)とこのポイントを意識。

 

IMM通貨先物では、【ポンド】5,054→19,949(14,895)と、ポンドは、前週に長期間続いたショートポジションからのロングへと変化がみられたが、今週もロングが大幅に拡大。為替市場のポンド売りとの動きの差は何を意味するのだろうか?

 

GBPUSDのオプションのリスクリバーサルでは、1週間が前週0.25→-0.65%、1か月も0.10→-0.70%へと、ポンドコールからポンドプットへと変化、先もポンドプットが拡大し、ポンドの下落リスクを意識した動きが強まっている。

 

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今週の主な材料(10月9日~10月13日)

 

先週を相場変動の要因を振り返ってみましょう。米国では、次期FRB議長の人事で相場が揺れ、米雇用統計で相場が揺れ、ティラーソンのトランプ能無し報道で相場が揺れ、強い米経済指標と米税制改革案の前進に米金利と米株が上昇し相場が揺れ、北朝鮮のミサイル発射準備と米西海外へ到達とのロシア議員報道に相場が揺れ。

 

他国では、カタルーニャ州独立をめぐり相場が揺れ、ECB理事会議事録でユーロ相場の上昇懸念に相場が揺れ、メイ英首相の信認低下と辞任を求める報道に相場が揺れ、豪中銀の利上げを急がない方針と通貨高抑制発言に相場が揺れ、日本も衆議院選を材料に相場が揺れる。

 

今週は週明け10/9(月)が日米共に祭日で3連休となることによる影響や、国慶節の長期休日明けから復帰する中国市場の動きは気になります。また、好決算との評価が高い米企業の9月期決算による米株の変動による為替相場の変動が強く予想される週になっています。

 

通常の重要な経済指標や金融政策の発表は少なく、FOMC議事録(10/11)とドラギECB総裁とブレイナードRB理事が出席するパネル討論会(10/12)、米CPI(10/13)が注目材料となっています。それ以外では10月31日~11月1日のFOMCでQEの縮小の開始が始まり、先週の米雇用統計で賃金の上昇から12月の米利上がほぼ間違いないといわれえいる米国発の経済指標を注目したいと思います。

 

ただし、相場変動が高まるリスクとなる、北朝鮮労働党創設記念日を10/10日日に控え北朝鮮の動向が気になり、北朝鮮が予想外の行動に出た場合に連休明けの東京市場の動揺は避けられそうにありません。また、10日は日本の衆議院の公示に当たり、翌11日は中国共産党大会が始まり、こちらの動きも気になります。

 

詳しくは、別表をご覧ください。

 

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太田 二郎

FXストラテジスト 太田 二郎(ohta jiro)

FXのスタートはすでに35年近く前に遡る。外資系銀行でFXを学び現在に至る。米 系・英系・独系・オランダ系の外銀を経て、日本のFXリテー ル・ビジネスの草 分けとして米系支店の設立を経て、多くの個人投資家と関わりをもち、現在に至 る。現在は投資助言会社の業務部長を兼任し、頻度は 少ないながらも、セミ ナー講師をし、業界紙へFXコメントを掲載中。
信条は、「Once a dealer, always a dealer」教訓は、「FX Dealerは、全ての 面で人の手本となるべき」