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10/23
2017

今週の為替相場を考える(10月23日~10月27日)

今週もドル買いが続くのか? 選択肢を比較するとドル高に分が?

 

米国では、米上院は19日夜、2018年度連邦予算の大枠を定めた予算決議案を可決し、共和党は民主党議員の支持がなくても、税制改革法案を可決することが可能となってます。先にトランプ大統領は大型税制改革法案を年内に実現し、米国民へ「プリスマスプレゼント」にしたと話していましたが、その実現性に向け一歩前進しドル高思考が強くなっています。

 

米2年債利回りは一時1.5804%と9年ぶりの高水準へと上昇し、11月1日のFOMCでQEの縮小がスタートし、CME FedWatchの12月の利上げ予想確率は86.3→91.7%へ上昇、来年3月と5月の利上げ予想確率も高まっており、ドル買いの支援材料となっています。

 

日本では、マスコミで「日経平均株価は56年ぶりに14連騰と過去最長に並ぶ」、「水準は1996年10月18日以来の21年ぶりの高値」と、株高の報道が目立っていますが、今週発表される日本の全国CPIの前年比予想は0.7%、コアコアも0.2%と変わらず鈍い伸びとなっています。 日銀はWSJ紙が先に報道していた「ステルス・テーパリング」と比喩される金融政策の引き締めへと来週の金融政策決定会合で動くのでしょうか? その可能性は非常に低いと思っていますが?

 

衆議院選ですが、今日22日(日)に結果が判明し、自民・公明の圧倒的な勝利で終わることができるのでしょうか? 23日(月)の週明けのオセアニア市場から円相場が動くことになるでしょう。その結果をうけ日本株と円相場が変動することになり、結果を注目してみることにしましょう。

 

英国は、EUとの交渉では20日閉幕したEU首脳会議で、「将来の話し合いに前向き」との報道がある一方、英国がEUに支払う精算金の具体的な提案が必要で、通商分野の交渉は先送りされ、引き続き不透明でポンドの売り圧力の材料となっています。また、11月2日のBOE金融政策委員会では、緩和縮小の期待が残っている反面、直近のカーニーBOE総裁を含めた政策委員の発言ではインフレ進行のリスクを気にしながらも、ブレグジットリスクを気にしてなのか慎重発言が目立っています。

 

ユーロ圏では、何処に落ちどころを見つけることができるか不明ですが、スペイン・カタルーニャ州の自治政府と中央政府との独立宣言をめぐる対立は、21日にスペイン・ラホイ首相が自治権の一部を停止する措置を取り、プチデモン・カタルーニャ州首相は強く反発し、バルセロナでは独立支持派約45万人がデモに参加。自治権停止で激しく対立することになり、27日の議会上院の本会議で対応措置を決めることになりますが、ユーロにとっては売り材料として残っています。

 

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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】

 

◎USDJPY【予想レンジ 112.80~114.80】

 

先週は、前週の112.50を中心とした攻防から上抜け円安へ。米上院が2018年度予算の大枠となる予算決議案を可決し米金利の上昇と米株は上昇、米2年債の利回りは一時1.5804%と9年ぶりの高水準で予想外の円売りへとなりました。USDJPYは終値ベースでも7月13日以来初めて、終値ベースでは113円台を維持し、過去2週間続いた動きの鈍いレンジ相場から円安相場へと変化しています。この動きが、26日の衆議院で与党圧勝期待が予想通りの結果となった場合にどこまで続くのでしょうか? 現状では円安相場を期待することになりそうです。リスク要因は米国の円安を懸念する政治的な圧力の有無。

 

DailyチャートのBBは、Basis=112.51、Upper=113.27、Lower=111.75で、112.51がボトムラインとしてポイントになりそうです。
DailyチャートのStoch RSIは、K=64.19 D=33.40と買い変化が続き、ニュートラルゾーンに位置。
DailyチャートのMAは、短期線が長期線を上抜け買いに変化。200日MA終値ベース=111.22、高値ベース=111.66、安値ベース=110.74。

 

IMM通貨先物では、【円】-101,419→-101,286(133)と、相変わらずショートNO.1の地位を維持。昨年11月29日来続く円ショートは大きく変化する兆しもなく、前週比では若干改善するも、過去2週連続で10万台を維持し、市場参加者の円安思考は変わらず。

 

USDJPYオプションのリスクリバーサルではロンドンベースで、1週間は前週-1.00%から-1.25%と円コールが拡大していますが、1か月から先は逆に、円コールが弱まり、円先高リスクが後退しています。

 

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◎EURUSD【予想レンジ 1.1700-50~1.1850-00 】

 

EURUSDは、米国が予算決議案を可決し米金利の上昇の影響を忘れることはできません。内的要因では、カタルーニャ州の独立宣言行使の動きとスペイン中央政府による自治権停止の動きに事態はより深刻化し先週と同じくユーロに対してのリスクが存在しています。また、26日のECB理事会では予想通り来年からQEの縮小を決定することになるのでしょうか? 仮になったとしても慎重姿勢で臨む間違いなく、理事会の結果を見るまでは積極的に動きにくい状況に変わりありません。予想外の結果となるまでは、1.1730~1.1880のレンジ内に収まるか可能性が高く、この水準を抜け出した方向に動きが加速する可能性も強まっています。

 

DailyチャートのBBは、Basis=1.1786、Upper=1.1870、Lower=1.1701。
DailyチャートのStoch RSIは、K=65.47、D=65.22でやや買われすぎゾーンにあるもニュートラルに近く、弱いながらも売りに変化が感じられます。
DailyチャートのMAは、36日MA=終値ベース1.1811、高値ベース=1.1849、安値ベース=1.1772にあり、この大枠で上下レンジに収まっています。

 

IMM通貨先物では、【ユーロ】98,079→90,452(-7,627)と、相変わらずロングNO.1の地位を維持。5月9日来続くユーロのロングポジションは10万の大台を一度も上回ることはありませんが、9万台を3週連続で維持し、為替相場のユーロ安への変動にもかかわらず、市場参加者のユーロ高思考は変わらず。

 

EURUSDのオプションのリスクリバーサルは、ロンドンベースで1週間が前週0.40→0.55%と上昇、逆に1か月超から先は、低下傾向にあり、6~12か月ではユーロコールからプットへと変化。1か月も0.35→0.45%へと拡大、ユーロの上昇リスクを意識した流れが今週も続く。

 

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◎GBPUSD【予想レンジ 1.3030~1.3250】

 

GBPUSDは、米国が予算決議案を可決し米金利の上昇の影響を忘れることはできません。内的要因では、ブレグジット交渉の難航にBOEは緩和縮小に対しての慎重姿勢となっていることは間違いありません。ただ、最近の経済指標ではインフレ圧力は上昇し賃金の上昇もあり、小売は弱かったのですが緩和縮小の期待感は残ったままです。GBPUSDは1.3100をボトムになんとか下げ止まっており、この水準を今週も維持することができるのでしょうか? 25日の英GDPや今後のブレグジット交渉の進展の有無を確認しながら、11月2日のBOE金融政策委員会を見守る動きになりそうです。

 

DailyチャートのBBは、Basis=1.3258、Upper=1.3481、Lower=1.3035。
DailyチャートのStoch RSIは、K=47.92、D=49.74とニュートラルゾーンに弱いながら売り変化しています。
DailyチャートのMAは、36日MA=終値ベース1.3267、高値ベース=1.3323、安値ベース=1.3207にあり、下限を割り込む下落となっています。Weeklyチャートでは、36週MA終値ベース1.2868(安値ベース1.2741、高値ベース1.2969)と4月17日の週より始まりいままで下限となっている、高値ベースの1.2969このポイントがボトムとなるか、注目していま。

 

IMM通貨先物では、【ポンド】15,508→5,047(-10,461)と、2015年11月10日から9月19日まで98週間という歴史的にも非常に長い間続いたポンドはショートからロング変化し3週間過ぎました。何とかロングを維持しながらも+5,047コントラクトとほぼニュートラルへと逆戻りし、簡単には逆戻りしないと思いながらも次の動きを注視。

 

GBPUSDのオプションのリスクリバーサルでは、ロンドンベースで1週間が前週-0.20→-0.300%とポンドプットが拡大、1~3か月は逆に縮小していますが、6か月超ではポンドプットが高止まりし、ポンド安リスクが継続しています。

 

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今週の主な材料(10月23日~10月27日)

 

週末の衆議院選挙の結果はどうなっているのでしょうか? 日本の株式相場と円相場の大きな変動要因となっています。

 

金融政策では、25日のカナダ中銀は政策金利1.0%、26日のECB理事会は政策金利0.0%と、共に政策金利の据え置きが予想されていますが、ECBは来年1月からQEの縮小が見込まれており、ドラギECB総裁の記者意見は非常に重要です。

 

経済指標では、25日の豪CPIの前年比予想は2.0%と前回1.9%より強く、27日の日本CPIの前年比予想は0.7%と前回と変わらず。25日の英GDPの前年比予想は1.5%と前回と変わらず、27日の米GDPの前年比予想は2.5%と前回3.1%から低下が予想されています。

 

今週も、スペイン・カタルーニャ自治州の独立の巡る動きと、ブレグジット交渉をめぐる不安感や、北朝鮮による予想外の行動などのリスクは根底に残っていますが、これらの材料は新たな展開がない限りは落ち着きを取り戻しているようにも見えます。

 

先週は、米上院が予算決議案を可決、トランプ政権の税制改革法案の年内可決の可能性が高まったことを好感し、米金利が上昇しドルが上昇するきっかけの一つとなりました。トランプ政権が目指す大型減税の議会審議が本格化することで、ドル買い材料が続く可能性もあります。

 

為替変動要因となっている、次期FRB議長選のレースですが、トランプ大統領は近々その人事を発表することになっています。現時点ではイエレン議長、ジョン・テイラー氏、パウエル理事の三人に絞られると思われ、WSJ紙ではティラールールではFF金利は2.5~3.0%となるとの予想もあり、仮にテイラー氏が次期FRB議長にでもなれば、米金利の上昇期待とドル高傾向が強まる可能性もあります。

 

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【重要なイベント】
週内に次期FRB議長が決まる可能性
10/23 衆議院選挙の翌日、安倍首相会見
10/24 —
10/25 — 
10/26 —
10/27 —

 

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【要人発言】
10/23 —
10/24 —
10/25 ポロズカナダ中銀総裁、ウィルキンスカナダ中銀副総裁
10/26 ドラギECB総裁、デベル中銀総裁候補、ノボトニー・オーストリア中銀総裁
10/27 —

 

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【主要な経済指標】
10/23 —
10/24 —
10/25 豪CPI、英GDP、米耐久財受注、
10/26 —
10/27 日本CPI、米GDP

 

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【金融政策】
10/23 —
10/24 —
10/25 カナダ中銀金融政策
10/26 ECB理事会(欧州中銀)
10/27 —

 

詳しくは、別表をご覧ください。

 

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ブロガープロフィール

太田 二郎

FXストラテジスト 太田 二郎(ohta jiro)

FXのスタートはすでに35年近く前に遡る。外資系銀行でFXを学び現在に至る。米 系・英系・独系・オランダ系の外銀を経て、日本のFXリテー ル・ビジネスの草 分けとして米系支店の設立を経て、多くの個人投資家と関わりをもち、現在に至 る。現在は投資助言会社の業務部長を兼任し、頻度は 少ないながらも、セミ ナー講師をし、業界紙へFXコメントを掲載中。
信条は、「Once a dealer, always a dealer」教訓は、「FX Dealerは、全ての 面で人の手本となるべき」