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10/30
2017

今週の為替相場を考える(10月30日~11月3日)

先週は米下院が共和党上院の予算決議案を可決、米GDPも予想外に強く、FOMCの継続的な利上げ期待もあり、米金利は上昇しドル買いが続きました。米10年債利回りは一時2.5%に迫る水準まで上昇し、米2年債も一時1.63%まで上昇、2008年以来となる高水準で推移し、加えて米株の上昇傾向も続いています。

 

一方、カタルーニャ自治州の問題でユーロは弱く、利上げ期待の後退やブレグジットリスクも消えずポンドは弱く、追加利上げ観測が後退し原油高でもカナダドルは弱く、NZ政局の不安や中銀へ政策緩和圧力を危惧してNZドルは弱く等々、主要通貨はそれぞれでマイナス要因をかけており、ドル高の要因となっています。

 

今週は月末・月初に当たり重要な金融政策の発表や経済指標の発表が多く控えており、それに加えて、先週・週末からの北朝鮮リスク、カタルーニャ問題、次期FRB議長の人選問題など不透明要因が多く、その結果により金利と株価が変動し、同時に為替相場の変動が伴うことが多くなりそうです。

 

【金融政策】
金融政策では、BOE(11/2)、FOMC(11/1)を注目。BOEの金融政策委員会では、政策金利0.25%→0.5%への引き上げと資産買い入れ枠は4350億ポンドで据え置きが予想していますが、利上げはほぼ確実視されており、相場に織り込み済みと考えてもいいでしょう。

 

GBPUSDが動くことで、EURGBPとGBPJPYが変動し、EURUDSやUSDJPY相場へも影響を受けることになりそうです。同時発表のBOE議事録とBOE四半期インフレ報告も相場変動要因であることに変わりありません。

 

FOMCは最も市場へのインパクトが強いのですが、今回は記者会見の予定もなく「バランスシートの縮小」の実施とその影響、既成事実化かされている12月の0.25%の追加利上げと、不透明な来年の利上げ回数を読み取ることができるのでしょうか? いつもながら直後の相場変動は高いものがあります。

 

【経済指標】
経済指標では、米雇用統計(11/3)が主役で予想数字は、失業率は4.2%で変わらず、非農業部門雇用者数は前回-3.3万人→+31.0万人へ増加を予想、平均時給の前年比は前回2.9%→2.7%へ低下を予想と、それぞれの数字で相場が変動する可能性が高く、直後の相場変動を読み取ることは難しくなりそうです。

 

【北朝鮮リスク】
北朝鮮リスクでは、北朝鮮の国営メディアは、核・ミサイル開発について「すでに最終完成のための目標達成がすべて成し遂げられた段階にある」と主張。トランプ米大統領の日本、中国、韓国訪問のタイミング前の発表に、市場では米朝間の緊張が一段と高まる可能性と、開発が終了したことで新たな実験が終了するのではとの期待感もありますが、リスク回避の動きに円相場も影響を受ける可能性が強いと思われます。

 

【カタルーニャの独立宣言と第155条の自治権停止措置】
カタルーニャ州議会が独立を採択したことで、中央政府は自治権停止を実行し、州首相や幹部を解任し州警察直接指揮科に置く措置を決定し、12月21日に州議会選挙を実施へ。スペイン株は続落、安全資産の国債が買われ、EUR売りへと動きリスク回避へと動き7月後半の水準まで下落し、今後の情勢次第を見守る動きへ。ユーロ相場にとって擦り傷程度で終わるのか、それとも骨折まで自体が深刻になるのか、かつて経験したことのない事態に予測不明なこともあり、引き続きリスク回避のユーロ売りに戻りは限定的と思われます。

 

【次期FRB議長の人選】
いつもながら、トランプ大統領の真意を読み取ることは難しいのですが、今週発表が予定されている次期FRB議長にパウエルFRB理事が最有力とWSJ紙は報じています。パウエルFRB理事はイエレン現議長の政策を世襲すると思われ、米金利緩やかな上昇期待=ドル売りの材料に使われやすくなります。逆に、テーラー氏が選出されると、金融引き締めの加速との思惑にドル買いへ動くことが予想できます。

 

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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】

 

◎USDJPY【予想レンジ 113.00~114.50】

 

USDJPYは、衆議院選で与党大勝=株価上昇=円安相場の期待感が盛り上がり114円台半ばまで上昇しましたが、先週も日々終値ベースでは114円台を維持することはできず、結局は円売り相場も限定的で、底値を徐々に切り上げながらも、元の大枠113~114円の範囲へと逆戻りしています。今週はトランプ大統領の訪日を前にし、北朝鮮の挑発的な行動が目立ち、次期FRB議長の人選とFOMC、米雇用統計と不透明要因が残っていることで、極端な円高は考えにくい反面、リスク回避の動きに円ショートを維持することも難しくなっている。

 

DailyチャートのBBは、Basis=112.87、Upper=114.08、Lower=111.66で、1112.87がボトムラインとしてポイントになりそうです。
DailyチャートのStoch RSIは、K=88.05 D=88.53と、買われすぎゾーンで売り変化へ。
DailyチャートのMAは、短期線が長期線を上抜け買いに変化を継続中、200日MA終値ベース=111.73、高値ベース=112.17、安値ベース=111.27と引き続き乖離幅は大きい。

 

IMM通貨先物では、【円】-101,286→-116,857(-15,571)は、集計日との誤差がありそれを割り引いで考える必要がありますが、円のショートはNO.1でさらに拡大。2016年11月29日から48週間連続中で、その間のトータル・ポジションでは7月18日の-126,919コントラクトが最大でその水準に近づきつつあり、注意も必要。

 

USDJPYオプションのリスクリバーサルではロンドンベースで、1週間は前週-1.25→-0.50%と円コールが縮小し、12か月まで全てで円コールが弱まり、円先高リスクが後退しています。

 

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◎EURUSD【予想レンジ 1.1500~1.1750】

 

ECB理事会は資産買い入れ額を半減させ、QEを9月まで延期したことで独債利回りは低下、独米金利差拡大にEURUSDは下落。さらに、ユーロはカタルーニャ自治州の独立前言を受けた、スペイン中央政府の対抗措置に事態の悪化が予想されユーロ売りの可能性はぬぐい切れず。次期FRB議長の人選とFOMC、米雇用統計と不透明要因が残っていますが、テクニカルではユーロ売り圧力が強く、上値は限定的と思われます。

 

DailyチャートのBBは、Basis=1.17646、Upper=1.1886、Lower=1.1643。
DailyチャートのStoch RSIは、K=29.95、D=47.49ニュートラルに近く、売りの流れが続いています。
DailyチャートのMAは、36日MA=終値ベース1.1825、高値ベース=1.1870、安値ベース=1.1790にあり、終値べースを高値に続落傾向が続いています。

 

IMM通貨先物では、【ユーロ】90,452→83,504(-6,948)と、集計日との誤差がありそれを割り引いで考える必要がありますが、ユーロのロングはNO.1ながら2週連続で小幅減少。5月9日から25週連続しロングを維持していますが、10月10日の98,079コントラクトをピークにその間に一度も10万の大台を達成したこともなく、一つの節目に。

 

EURUSDのオプションのリスクリバーサルは、ロンドンベースで1週間が前週0.55→0.00%と大幅低下、しユーロはコールからプットへ変化する可能性も? 1~3か月までユーロコールは低下し、市場のユーロ先高感が弱まっています。

 

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◎GBPUSD【予想レンジ 1.3000~1.3300】

 

GBPUSDは、強いGDPにもブレグジットリスクへが残りポンド買いは続かず、逆にEURUSDの下落に連動し売りへと変化していますが、BOEの利上げ期待もあり1.3000を何とか維持。期FRB議長の人選とFOMC、米雇用統計と不透明要因が残っており、1.30~1.3300のレンジを抜け出すことは難しいのではと思われます。

 

DailyチャートのBBは、Basis=1.3194、Upper=1.3310、Lower=1.3079。
DailyチャートのStoch RSIは、K=45.19、D=55.18とニュートラルゾーンにあり、売り変化へ。
DailyチャートのMAは、36日MA=終値ベース1.3289、高値ベース=1.3350、安値ベース=1.3229にあり、引き続き下限を割り込み続落傾向が続いていますが、終値ベースでは1.3100の大台を維持しており、今週の一つのポイントになる可能性も。Weeklyチャートでは、36週MA終値ベース1.2888(安値ベース1.2760、高値ベース1.2989)で、この高値ベース1.2989が4月17日の週よりいままで下限となっており、注目。

 

IMM通貨先物では、【ポンド】5,047→-1,485(-6,532)と、集計日との誤差がありそれを割り引いで考える必要がありますが、ポンドは、3週連続しネットショートが拡大し、トータル・ポジションでは5週間ぶりにロングからショートへと逆戻り。数値は若干のショートにとどまっており、次回の発表を注目。

 

GBPUSDのオプションのリスクリバーサルでは、ロンドンベースで1週間が前週-0.3→-0.3%と変わらず、1か月から先も大きな変化は見られず、ポンドプットを維持し、ポンドの先安リスクは変わらず。

 

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今週の主な材料(10月30日~11月3日)

 

今週から11月がスタートし欧州は冬時間がスタート、来週から米国が冬時間に入ります。また今週は月末・月初に当たり重要な金融政策の発表や経済指標の発表が多く控えており、その結果による相場変動が高まることは間違いありません。

 

金融政策では、日銀(10/30)、BOE(11/2)、FOMC(11/1)と続きます。FOMCは最も市場へのインパクトが強いのですが、今回は記者会見の予定もなく「バランスシートの縮小」の実施とその影響、既成事実化かされている12月の0.25%の追加利上げと、不透明な来年の利上げ回数を読み取ることができるのでしょうか? いつもながら直後の相場変動は高いものがあります。

 

次いで、BOEの金融政策委員会では、政策金利0.25%→0.5%への引き上げの予想が強く、ほぼ確実視されています。また、資産買い入れ枠は4350億ポンドで据え置きを予想されており、仮にこの予想と異なる結果にでもなればポンド相場の変化が加速することは容易に予想できます。GBPUSDが動くことで、EURGBPとGBPJPYが変動し、EURUDSやUSDJPY相場へも影響を受けることになりそうです。また、同時発表のBOE議事録で今後の見通しを判断し、BOE四半期インフレ報告では、成長とインフレ予測に相場が動くことは間違いありません。

 

10月30日に日銀は金融政策を変更することは期待できませんが、「ステルス・テーパリグ」とも呼ばれている、目に見えない緩和縮小がいつ頃から? 本当にスタートすることができるのでしょうか? あまり期待はしていませんが!

 

経済指標では、米雇用統計(11/3)が主役で予想数字は、失業率は4.2%で変わらず、非農業部門雇用者数は前回の-3.3万人から予想31.0万人へと大幅上昇が、平均時給の前年比は前回2.9%から2.7%へと低下が予想されており、それぞれの数字の増減により相場が変動することが多く、総合的に評価する必要がありそうです。そういう意味では米債利回りを見ながら取引をするように必要もありそうです。

 

NZの雇用統計は早朝6:45時の発表で薄商いの中で、相場変動が高い指標となっており注意が必要です。それ以外でも多数の発表が控えていますので、下記の各項目別に確認してみてください。

 

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【重要なイベント】

 

10/29 欧州は夏時間から冬時間に移行(指標の発表が1時間遅くなります)
10/30 —–
10/31 —–
11/1  —–  
11/2  —–
11/3  東京市場休場(文化の日)、アップル「iPhoneX」発売
11/5  米国市場は冬時間へ移行、トランプ大統領来日(5~7日)

 

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【要人発言】

 

10/30 —–
10/31 ポロズカ・ウイルキンスカナダ中銀総裁&副総裁
11/1  カンリフBOE副総裁
11/2  ダドリーNY連銀総、パウエルFRB理事、
11/3  —–

 

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【主要な経済指標】

 

10/30 米個人所得・個人消費支出、独CPI
10/31 ユーロ圏GDP、ユーロ圏CPI、カナダGDP、米消費者信頼感指数
11/1  NZ雇用統計、米ADP雇用統計、米ISM製造業景気指数、米建設支出
11/2  独雇用統計、米非脳病部門労働生産性・単位労働コスト
11/3  豪小売売上高、米雇用統計、米貿易収支、カナダ雇用統計、カナダ貿易終始、米ISM非製造業景気指数、米製造業新規受注、米耐久財受注

 

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【金融政策】

 

10/30 日銀(金融政策決定会合)
10/31 —–
11/1  FOMC
11/2  英中銀(BOE MPC)
11/3  —–

 

詳しくは、別表をご覧ください。

 

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太田 二郎

FXストラテジスト 太田 二郎(ohta jiro)

FXのスタートはすでに35年近く前に遡る。外資系銀行でFXを学び現在に至る。米 系・英系・独系・オランダ系の外銀を経て、日本のFXリテー ル・ビジネスの草 分けとして米系支店の設立を経て、多くの個人投資家と関わりをもち、現在に至 る。現在は投資助言会社の業務部長を兼任し、頻度は 少ないながらも、セミ ナー講師をし、業界紙へFXコメントを掲載中。
信条は、「Once a dealer, always a dealer」教訓は、「FX Dealerは、全ての 面で人の手本となるべき」