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11/27
2017

今週の為替相場を考える(11月27日~12月1日)

感謝祭も終わりクリスマスと年末・年始の相場がスタートした。

 

先週のドル安相場は、米国の税制改革法案への期待感に膨らんだドルロングの調整と、米長期債利回りの低下が引き起こしたと思われるが、EURUSDとGBPUSDの上昇はそれぞれ個別の要因もあるように思えてならない。

 

ポンドにとって懸念材料だった英国のブレグジット交渉の行方も、12月14~15日のEU首脳会議を前にしてメイ英首相の態度は軟化ぎみ。制裁金の積み増しなど譲歩案が示されるなど「ハードブレグジット」から「ソフトブレグジット」へ変化する可能性が意識される。さらに、BOEの政策委員からもタカ派・ハト派が混在していることが証明され、ポンド買いへとつながっている。

 

ユーロにとって懸念材料だった独の連立協議の決裂は、独自由民主党(FDP)がキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)緑の党との連立協議連立交渉の再開を示唆との報道が流れ事態の改善が期待される。また、ECB議事録では早期利上げの可能性と従来型の資産買い入れプログラムを維持するかどうかを巡り激しい討議が行われたことで、より積極的な緩和縮小の可能性も残っていた。

 

円は、米長期金利の低下傾向は止まらず、米税制改革法案を期待し、衆議院選で保守予想外の大勝もあり積みあがっていた円ショートの巻き戻しが年末を前にして本格化した流れにUSDJPYは111円近くまで下落したように思えてならない。この動きは本当に季節的な要因なのか本格的な円高の始まりなのか、なかなか判断が難しいが、100~105円のレンジがコアと仮定すればボトム圏に近いとも考えられる。

 

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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】

 

◎USDJPY【予想レンジ 100.85-00~112.50】

 

USDJPYは、3週連続の陰線(三羽ガラス)で早々と年末の円ショートのポジション一掃セールに突入し111.50円を割り込み111円ギリギリで下げ止まっている。

 

USDJPYは衆議院選で与党圧勝の結果を受けて上昇が始まり、11月6日に114.74の高値をつけてからは続落へと変化。テクニカル的には上値と下値が切り下がるダウントレンドが続いていたが、米利上げ期待に伴う日米金利差の拡大や米税制改革法案の可決を期待したドル買いも根強く円ショーを継続していた結果に思われてならない。

 

今週は111.50円を割り込み111円近くまで下落したことで、短期的は円ロングが一掃された可能性も高く、株価の続落や米債利回りの低下などのリスク回避の流れが続かない限り、111円前半を絶極的に売るような状況にあるとは考えにくい。111円~114円、または、110~115円のレンジが今まで通りに続いていると考えれば、そろそろボトム水準に近づいているように思えてならない。

 

DailyチャートのBBは、Basis=113.08、Upper=114.94、Lower=111.23で先週は下限を一時割り込んではいるが終値ベースでは引き続きこの水準を維持。

 

DailyチャートのStoch RSIは、K=8.95 D=11.38と、完全に売られすぎゾーンにあり不安定ながら買いへと変化。

 

DailyチャートのMAは、36日線が200日線を上抜けし買い継続で長期的な買いの流れは変わっていないが数値は低下し、36日線を日足が割り込み中期的に売りへと変化している。200日MA終値ベース=111.71で先週にはこの水準を割り込み下落、high=112.13、Lower=111.28で、111.00~30ゾーンは抵抗が強い。

 

IMM通貨先物は、米感謝祭・ブラックマンデーのため発表が11月27日に延期。大きく積みあがっていた円のショートがどれだけ減少しているか注目。

 

USDJPYオプションのリスクリバーサルではロンドンベースで、1週間が前週-0.85→-0.95%と3週連続で上昇、1か月も3週連続の増加となり、円高リスクを意識した動きとなっている。3か月超の長いところは逆にやや軟化。

 

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◎EURUSD【予想レンジ 1.1800~1.1980】

 

EURUSD は、独の連立協議の行方とECBの今後の政策が相場変動のカギを握っている。9月25日から長期間続いている1.19の大台を高値とする流れに変化がみられるのか注目しているが、1.200のサイコロジカルなポイントはそう簡単に抜け出せるかは疑問。

 

先週、独自由民主党(FDP)はルケル首相のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)緑の党との連立協議連立交渉を打ち切り一時ユーロ売りの材料となったが、政治的混乱を避けるために連立協議の用意があることを示唆。ECB議事録では早期利上げの可能性と、オープンエンド(無期限)型の資産買い入れプログラムを維持するかどうかを巡り激しい討議がされていたことで、ユーロ買いに結びついている。

 

DailyチャートのBBは、Basis=1.1708、Upper=1.1898、Lower=1.1517で、Upperのレンジを上回る上昇となっており、一時的に売り圧力が強まる可能性もある。

 

DailyチャートのStoch RSIは、K=91.65、D=83.34と、買われすぎゾーンにあり警戒感がある中で買いの流れを継続中で強いトレンドの上昇が続くのか注目したい。

 

DailyチャートのMAは、200日線のclose=1.1381にあり相変わらず現在値と大幅に乖離している。36日線のclose=1.1736と先週の安値水準にほぼ合致しており、high=1.1769、low=1.1699となっており、今週は現在値との乖離は大きいが1.1735~70ゾーンをボトムとなっている。

 

IMM通貨先物は、米感謝祭・ブラックマンデーのため発表が11月27日に延期。ユーロのロングは伸び悩み気味となっていたが先週のEUR高でどの程度ロングが積みあがっているのか注目。

 

EURUSDのオプションのリスクリバーサルは、ロンドンベースで1週間が前週0.45→0.35%へ低下、1か月は0.50→0.50%で変わらず、3か月から先の長いところは上昇傾向にあり、短期的にはユーロ高への警戒感示しながらも中期的なユーロ高リスクを意識した動きとなっている。

 

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◎GBPUSD【予想レンジ 1.3250~1.3400】

 

10月2日から続く大枠1.30~1.33のレンジの上限をやや上回り、12月14~15日のEU首脳会議を前にして、ブレグジット交渉が大いに注目され、その経緯によりポンド相場が変動する可能性が高まっている。

 

GBPUSDはメイ英首相に対する不信任の高まりとブレグジット交渉の難航から始まるポンド売りに11月3日には一時1.3039まで下落していたが、政治ネタも続かず再び1.31~1.33のレンジに戻り。先週はブレグジット交渉の進展期待とEURUSDの上昇の影響もあり、英政府の成長見通し引き下げにもかかわらず1.33の大台を上回り終了している。

 

20日のBOEインフレ報告公聴会では、BOE政策委員の間でインフレや失業などを巡る見解が分かれいることを確認された。以前にカーニーBOE総裁が「もし経済成長が予想通りなら、次の数年の間に複数回の利上げをすることとなるだろう」の発言していたことが思い出されてならない。

 

英国のEU離脱交渉は、12月14~15日のEU首脳会議で成果が問われることになる。英政府は精算金の上澄みを提案していると言われ、メイ英首相は「EU離脱交渉はともに前進することが必要で、英国は欧州の安全保障の維持にコミットする」と発言、この交渉の行方が相場変動の材料に使われやすい。

 

DailyチャートのBBは、Basis=1.3197、Upper=1.3349、Lower=1.3045、先週の高値は金曜日の高値は1.3360で、1.3338で終了し、Upperの1.3349近くで上げ止まっている。

 

DailyチャートのStoch RSIは、K=97.22、D=92.56と、買いサインを継続しているが買われすぎゾーンにあり、強いトレンドのある上昇でなければ変転する可能性も気になる。

 

DailyチャートのMAは、200日線のclose=1.2907にあり相変わらず現在値と大幅に乖離している。36日線のclose=1.3193と先週の安値水準にほぼ合致しており、high=1.3239、low=1.3193となっており、今週は現在値との乖離は大きいが1.3240-50ゾーンをボトムとなっている。

 

IMM通貨先物は、米感謝祭・ブラックマンデーのため発表が11月27日に延期。

 

GBPUSDのオプションのリスクリバーサルは、ロンドンベースで1週間が前週-0.40→0.30、1か月-0.55→-0.50%とやや軟化気味ながら、3か月から先の長いところは変わらずで、目先の上昇は短期のみで中期的な変化は見られず。

 

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今週の主な材料(11月27日~12月1日)

 

今週で11月も終わり12月が始まる。月末・月初は経済指標が特に集中し、さらに実需筋の動きに相場が変動しやすくなる時期でもある。今週も、米国の税制改革法案の行方、英国のブレグジット交渉の行方、独の連立協議の行方が相場変動のカギを握っている。

 

今週は金融政策の発表はなく、やや盛り上がりに欠ける可能性もあるが、来週の豪中銀、カナダ中銀の金融政策の発表と、12月中旬に集中するFOMC、BOE金融政策委員会、ECB理事会へ向けた思惑が先行する週となりそうでもある。

 

さて、今週特に注目しているのは、パウエル次期FRB議長の米上院銀行委員会での承認公聴会(11/28)と、イエレンFRB議長の上下両院合同委員会での証言(11/29)。11月22日のFOMC議事録(11月1日分)では利上げを示唆する一方で低インフレが懸念されドル売りが強まったことが思い出される。追加利上げ間違いなと思われているが、12/13のFOMCを前にして発言内容が気になる。

 

米国発の経済指標では、米第3四半期GDP改定値(11/29)と、個人消費支出(11/30)で、米金利と株価への影響が大きく結果としてドル相場への影響も大きい。新築住宅販売件数(11/27)、CB消費者信頼感指数(11/28)、中古住宅販売保留・ベージュブック(11/29)、シカゴ購買部協会景気指数(11/30)、ISM製造業景況指数・建設支出(12/1)も重要となっている。

 

今週は、カナダ発で重要な発言や経済指標が多く発言も控えている。カナダ中銀金融安定性報告・ポロズカナダ中銀総裁・ウィルキンス副総裁の記者会見(11/28)と、雇用統計・GDP(12/1)は数字次第ではあるが過去を振り返ると相場変動が大きくなることが多い。

 

 

それ以外では、NZ中銀金融安定性報告・仏GDP改定値・独中銀金融安定性報告・ユーロ圏景況感指数・独CPI(11/29)、中国製造業&非製造業PMI・独雇用統計・ユーロ圏CPI(11/30)、日本CPI(12/1)も注目したい。

 

詳しくは別表をご覧ください

 

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20171127

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太田 二郎

FXストラテジスト 太田 二郎(ohta jiro)

FXのスタートはすでに35年近く前に遡る。外資系銀行でFXを学び現在に至る。米 系・英系・独系・オランダ系の外銀を経て、日本のFXリテー ル・ビジネスの草 分けとして米系支店の設立を経て、多くの個人投資家と関わりをもち、現在に至 る。現在は投資助言会社の業務部長を兼任し、頻度は 少ないながらも、セミ ナー講師をし、業界紙へFXコメントを掲載中。
信条は、「Once a dealer, always a dealer」教訓は、「FX Dealerは、全ての 面で人の手本となるべき」