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12/18
2017

今週の為替相場を考える(12月18日~12月22日)

FOMC、BOE、ECBの金融政策の発表も終わり、クリスマス休暇を前に投機的な動きは弱まり実需中心の動きが強まる可能性が高くなっています。

 

今週の注目は米税制改革法案が下院でも可決され、期待通り22日までトランプ大統領が署名できるのでしょうか、今週の波乱要因となっています。 今週の相場に直接的な関係はありませんが、リパトリ減税によるドル買いが今後どの程度発生することが期待できるのでしょうか?

 

また、底堅く推移しテクニカルでは反転が期待できるAUDNZD、NZDUSDは順調に上昇することができるのでしょうか? USDJPY相場は、いつもながら上昇期待=裏切られ、下落期待=裏切られ、結局はワイドな111.00~114.50のレンジ相場を抜け出すことができるのでしょうか? (本音は期待していません)

 

先週のFOMCでは、想通り利上げを実施し来年の3度の利上げ期待が継続されていますが、期待していたタカ派の発言も見られませんでした。BOEもECBもタカ派的な動きは見られず、為替相場の変動は予想外に緩慢となり今週に続いています。

 

先週も米株上昇し米債利回りは2年債の上昇が続き、ドル円相場と関連性の高い米10年債利回りは安定しドル買い要因となっていますが。仮に米税制改革法案が下院でも可決され、期待通り22日までトランプ大統領が署名されるとドル買いの要因と考えていいでしょう。

 

格言にある、「buy the rumor、sell the fact」のリスクは否定できませんが、とりあえずはドル買いとなる可能性も意識せざるを得ません。逆に、成立できない事態にでもなれば、期待が裏切られドル売りが加速することでしょう!

 

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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】

 

◎USDJPY【予想レンジ 111.50←112.00~113.00】

 

円相場は、クリスマス休暇を来週前半に控えて動きは緩慢になる可能性が高い。実需筋の動向次第で相場が動く可能性が高くなり、アジア市場では仲値水準の変動には注意が必要。引き続き米経済指標に一喜一憂しながらも、大手投機筋が不在で方向性を作ることは難しそう。ただし、米税制改革改革法案の成立は波乱要因。

 

DailyチャートのBBは、Basis=112.32、Upper=113.80、Lower=110.85で、先週は一時的にBasisを割り込むも終値ベースでBasisを安値に、Basis~Upperのレンジで推移。
WeeklyチャートのBBも、Basis=111.63を終値ベースでは安値に、Upper=115.05のレンジを9月18日の週から継続中で、この水準での動きが継続することが期待できる。

 

DailyチャートのStoch RSIは、K=63.45 D=84.89と、買いから売りへと変化し、やや買われすぎゾーンにあり現在もその流れを継続中。
 
 

DailyチャートのMAは、36日線が200日線を上抜けし買い継続で弱いながらも買いの流れは変割らず。200日MA close=111.62、high=112.04、Lower=111.20で、high=112.04をボトムとした流れが2週連続している。36日MA close=112.86、high=113.26、Lower=112.50で、close=112.86を高値にし、200日MAのhighの112.04のレンジでの動きが過去2週間続き、今週もこのレンジを意識しながら抜け出した方向に動きやすい。
 
 

IMM通貨先物は、【円】-114,267→-114,123(144)、円ショートはNO.1で前週とほぼ変わらず。昨年の11月29日以来55週連続のショートを維持し、ショートポジションも10月10日以降は10万コントラクト台を上回り、円ショートポジションの流れは変わらず。
 
 

USDJPYオプションのリスクリバーサルではロンドンベースで、1週間が前週-0.45→0.80%と上昇し短期的な円高リスクを強めながらも、1か月超では大きな変化は見られず、クリスマス休暇を直前に控えた安定した動きが期待できる。

 

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◎EURUSD【予想レンジ 1.1720~1.1900】

 

ブレグジット交渉も何とか一段落。オーストリアで極右政権との連立政権が成立した事のリスクは気になるも大きな動きは期待できず。要人の発言も極めて少なくムードはクリスマスムード突入相場。ただし、米税制改革改革法案の成立は波乱要因。

 

DailyチャートのBBは、Basis=1.1817、Upper=1.1935、Lower=1.1698で、一時的に上抜けしているが終値ベースではBasisを基本的に上値は重くlower~Basisのレンジが続いている。
WeeklyチャートのBBは、Basis=1.1810、Upper=1.2031、Lower=1.1589と、Basisを中心と、lower1.1589~Upper1.2031のレンジを継続中。

 

DailyチャートのStoch RSIは、K=18.93、D=9.28と、売られすぎゾーンにあり売りから買いへと変化している。

 

DailyチャートのMAは、200日線のclose=1.14388にあり相変わらず現在値と大幅に乖離している。36日線はclose=1.1751、high=1.1786、low=1.1716で、先週はCloseを中心に、lowをボトムにhighを上回る動きが続いている。

 

IMM通貨先物は、【ユーロ】93,106→113,899(20,793)と、ユーロのロングはNO.1で変わらず。5月9日から32週続くロングポジションで初めて10万の大台を達成し、ユーロの先高を意識したポジションが拡大中。

 

EURUSDのオプションのリスクリバーサルは、ロンドンベースで1週間が前週0.30→0.10%へ低下、1か月超でも低下傾向が目立っており、EURの先高リスクが低下している。

 

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◎GBPUSD【予想レンジ 1.3250~1.3500】

 

ブレグジット交渉も何とか一段落。メイ首相の支持率は低下傾向が続く中で、閣僚内での対立が気になるが、「政治ネタは長く続かず」の経験則から一時的なポンド安にとどまる可能性も強いがフォローもできず。クリスマス休暇ムードが強く結局はレンジ相場を脱しきれないのではと考えたい。ただし、米税制改革改革法案の成立は波乱要因。

 

DailyチャートのBBは、Basis=1.3374、Upper=1.3531、Lower=1.3217で、ワイドながらもlower~Upperのレンジ内で推移し緩やかに縮小傾向となっている。WeeklyのBBは、Basis=1.3202、Upper=1.3601、Lower=1.2803で、長期的な上昇傾向の中でWeeklyのBasisをボトムにした上昇の流れを維持し、先週の1.3202近辺が底値となる動きも期待できる。

 

DailyチャートのStoch RSIは、K=16.86、D=13.91と、売られすぎゾーンにあり売りから買いへと変化している。

 

DailyチャートのMAは、200日線のclose=1.2987にあり相変わらず現在値と大幅に乖離している。36日線のclose=1.32000、high=1.3246、low=1.3145と、close~highの水準をボトムに下げ止まっている。

 

IMM通貨先物は、【ポンド】6,406→11,388(4,982)は、ポンドは3週連続でロングを維持するも、9月26日から3~4週間ほどでロングとショートが入れ替わる動きが続き、先行きに対してもブル派・ベア派が混在。

 

GBPUSDのオプションのリスクリバーサルは、ロンドンベースで1週間が前週-0.15→-0.25%、一か月も-0.25→-0.35%とマイナス幅が拡大しポンド安リスクが強まるも、3か月超では大きな変化は見られず。

 

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今週の主な材料(12月18日~12月22日)

 

クリスマス相場の前哨戦へ突入。

 

今週も残り2週間。いあおうなしにクリスマス相場の前哨戦へと突入し大手の機関投資家やファンド勢が不在の中で動き難い展開が予想できる反面、いざ予想外の事が起これば短期的な変動が高まる相場になっています。

 

今週は、主要国の金融政策の発表もなく、要人の発言も極端に少なくなり、注目は米税制改革法案の年内成立の有無が目先の焦点の一つとなっています。

 

先週末には共和党指導部は税制改革法案をまとめテキストと概要説明を公表しました。下院は19日に採決を計画していますが、計画通りに採決でき期限と思われている22日にトランプ大統領が承認することができるのでしょうか?

 

簡単に説明すると、注目の企業の海外利益・海外滞留利益の現金に対し15.5%、現金以外8%課税する(リパトリ減税)。オバマケアが定める個人の保険加入義務は廃止する。法人税率18年からを35→21%に引き下げ、所得税の区分を変更し、最高税率区分を独身者で41.89401→50万ドルへ、夫婦合算申告47.701→60万ドルへ変更など。

 

リパトリ減税による為替相場でドル買いとなる影響は、「軽微」とか、「大きい」など、意見が分かれていますが、来年の第一四半期ではそれなりに影響があることは間違いなさそうです。

 

20日の党首討論も注目。15日のEU首脳会議でブレグジット交渉では、「移行期間や通商問題を協議する」次の段階に入ることを正式に承認しました。2019年3月29日の離脱期限に向け動き出していますが、第1段の交渉よりもより厳しくなることが予想されており、アイルランド国境の問題も曖昧なままです。英国内でも閣僚間の意見対立が噴き出る可能性も気になります。

 

21日のスペイン・カタルーニャ州議会選挙も注目。先の世論調査で独立賛成派の政党が過半数を割り込むとの結果となりましたが、仮に独立賛成派が過半数を維持することになれば、一時的に「混乱=EUR売り」となりそうですが、今までの経緯を考えれば逆に「政治ネタ続かず」の教訓から反発も考えらえます。

 

さて、今週の経済指標では米国発の材料が豊富で特に住宅関連の指標が目白押しです。重要なのは、NZ、米、英、カナダのGDPや、ユーロ圏とカナダのCPIと考えてもいいでしょう。

 

「主要な経済指標」
12/18(月)ユーロ圏CPI、米NAHB住宅市場指数
12/19(火)米住宅着工・住宅建設許可件数
12/20(水)米中古住宅販売件数
12/21(木)NZGDP、米GDP、カナダCPI、カナダ小売売上高、新規失業保険申請件数、米住宅価格指数、米景気先行指数、ユーロ圏消費者信頼感
12/22(金)英GDP、米個人所得・個人消費、米耐久財受注、カナダGDP、米ミシガン大学消費者信頼感、米新築住宅販売件数

 

「金融政策関連」
12/19(火)豪中銀議事録(12月5日分)
12/21(木)日銀金融政策決定会合、黒田総裁会見

 

「今後の主要材料(一部重複)」
12月19日 米税制改革法案、下院は19日採決を計画
12月20日 英首相、党首討論
12月21日 カタルーニャ州議会選挙
12月22日 米債券市場、NY時間午後2時までの短縮取引
12月22日 米税制改革法案を大統領に送る目標期限
12月25日 クリスマス、日本を除き世界的に多くの市場は休場
12月26日 欧州市場の多くは休場
2018年1月 トランプ大統領、約束のインフラ計画を公表(1月30日の一般教書演説の前を目指す)

 

詳しくは別表をご覧ください

 

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太田 二郎

FXストラテジスト 太田 二郎(ohta jiro)

FXのスタートはすでに35年近く前に遡る。外資系銀行でFXを学び現在に至る。米 系・英系・独系・オランダ系の外銀を経て、日本のFXリテー ル・ビジネスの草 分けとして米系支店の設立を経て、多くの個人投資家と関わりをもち、現在に至 る。現在は投資助言会社の業務部長を兼任し、頻度は 少ないながらも、セミ ナー講師をし、業界紙へFXコメントを掲載中。
信条は、「Once a dealer, always a dealer」教訓は、「FX Dealerは、全ての 面で人の手本となるべき」