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2018

今週の為替相場を考える(1月15日~1月19日)

先週の為替相場は一言でいえばドル全面安ながら、年始の相場は一方向の流れだけを見るのも危険では?

 

FRBの今年3回程度の利上げを確りと織り込み、米税制改革によるリパトリのドル買い要因を織り込みながらも、ECB、BOE、BOJ、RBA、BOCの緩和縮小からの変化を期待し、昨年ドルロングポジションの巻き戻しが続いている。

 

EURUSDは1.22台と2014年12月の水準へと上昇、GBPUSDも1.37台と2016年6月のブレグジット後の高値を更新しドル売りが加速、USDCAD+AUDUSD+NZDUSDは資源価格の上昇もありドル売り圧力はやや劣るも昨年9月時点の水準までドル売りが進み、USDJPYも昨年11月の円高水準となる110.80台を目指した動きとなっている。

 

新たに加わったECBの早期利上げとBOJの緩和縮小期待、独2大政党の大連立合意期待、スペイン・オランダはソフトBREXITを求めることで合意し、中国の米国債売却・停止の思わぬ可能性が表面化し、結果的に相場変動要因が多く材料に素直に反応する展開となった。

 

世界的に景況感は大幅改善し、成長の拡大が見込まれ、原油価格・資源価格の上昇はとまらず、世界的な株高と債券売り(利回り上昇)で、米10年債利回りはは2.6%のビックポイント近くへとトランプ大統領就任前後の水準へ上昇、2年債は2%台の大台を達成しリーマンショック当時となる2008年9月以来の高水準となっている。

 

米10年債利回りの上昇+株高=円安の方程式は何処へ? 市場は手のひらを返したように、テクニカルでのドル売りサインに反応しているが、年始の投機的なポジションの偏りが少ない中で、上下変動が大きくなることが予想され、一方向の流れだけを見るのも危険では?

 

イベントリスクだけを材料に考えれば、カナダ中銀が1.0%の政策金利を0.25%利上げることをある程度市場は織り込み・期待した動きとなっている。市場予想の多くは0.25%の利上げを予想、一部では据え置きの予想もありどちらに転んでもカナダドルの相場が動くリスクは高く、イベントでの取引が増えそう。

 

豪雇用統計は、失業率5.4%と変わらずの予想で、雇用者数は前月比予想1.5万人(前回61.6万人)と低下が予想されている。しかし、11日の豪小売売上高は予想外に強く、逆に5日の豪貿易収支は予想外のマイナスと強弱混在しており相場を動かす要因と考えられる。

 

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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】

 

◎USDJPY【予想レンジ 109.40~111.80】

 

いつの日か日銀は緩和縮小へ!? と思いながらもその行動を注視する動きと、円ショートの巻き戻しを期待すると投機筋は多かった。先週は意図的なのかは不明ながら、日銀の超長期債オペを予想外に減額したことで市場は緩和政の縮小を予期し、それに円ショートの巻き戻しが加速し、ついに111円を割り込み昨年11月の円高水準へ。日銀は増長する緩和縮小の期待感を弱めながらの展開で、円安水準では円買いが強まることが予想されるも、一方的な円高を避ける可能性が高い。また、米債利回りの上昇が円安期待を弱める可能性も意識。

 

DailyチャートのBBは、Basis=112.63、Upper=113.97、Lower=111.29で、先週もBasisを割り込みこの水準が上限となっている。lowerをも3日連続で割り込み111.50をトップに戻り売り圧力を継続中。

 

WeeklyチャートのBBは、Basis=112.21、Upper=115.03、Lower=109.34と、4月17日からLower~Upperのレンジは有効ながら、9月18日の週から継続中でBasis~Upper のレンジの割り込み売りへ。今週はlowerの109.39が大きなポイントに。

 

DailyチャートのStoch RSIは、K=8.62 D=39.54と、売りを継続し、売られすぎゾーンで推移。

 

DailyチャートのMAは、36日線が200日線を上抜けし買い継続中ながら徐々に36日線が切り下がりドル売りと上値の重い流れが復活。200日MA close=111.70、high=112.10、Lower=111.29
で、highをボトムとした流れは破れLowerの111.29も抜けしている。

 

IMM通貨先物は、【円】前週-121,766→-125,536(-3,770)、円は、前週からショートが4週連続で小幅拡大。2016年11月29日から59週間続く円のショートは変わらず、ショートポジションNo.1も変わらず、円安を狙ったポジションに変化は見られず。

 

USDJPYオプションのリスクリバーサルではロンドンベースで、1週間が前週-0.2→-0.7%とマイナス幅が拡大(円高リスクへ)し、先週とは逆に、12か月までの長いところもマイナス幅の拡大がみられる。ボラティリティは急伸、長期低下後の動きは円高リスクを意識する流れへ。

 

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◎EURUSD【予想レンジ 1.2050~1.2220→1.2320】

 

先週は直近の上限1.21近辺を上抜け、テクニカルポイントの1.2220で上げ止まり、この水準を超えるとさらに上昇も意識。また、懸念材料の独二大政党が大連立政権継続に向けた政策文書で合意。ブレグジット交渉ではスペイン・オランダはソフトBREXITを求めることで合意し、英国・ユーロ圏経済の安心感が広まり、ECB議事録では「早い時期にガイダンスの段階的なシフトについて検討」とあり、1/25 (木)ECB理事会で何らかの動きを期待したくなる。

 

今週はこれらの材料が否定されない限り、ポジション調整のユーロ売り範囲にとどまり、また、ECBからユーロ高を意図的に抑制する発言(前回のEURUSD1.21では牽制発言によりEURUSDの上昇を抑えている)がない限り、押し目買いの流れを変える材料も乏しい。

 

DailyチャートのBBは、Basis=1.1946、Upper=1.2160、Lower=1.1733で、先週はBasisをボトムにUpperを上値けし上昇へ。

 

WeeklyチャートのBBは、Basis=1.1851、Upper=1.2147、Lower=1.1556と、Basisを中心とした動きからUpperを超え上昇へ。MonthlyチャートのBBはBasis=1.1283、Upper=1.2321、Lower=1.0244で、1.2320の水準を注目。

 

DailyチャートのStoch RSIは、K=34.80、D=32.40と、売られ過ぎゾーンから買いへと変化し、更なる上昇が見込まれる。

 

DailyチャートのMAは、200日線のclose=1.1591にあり相変わらず現在値と大幅に乖離している。36日線はclose=1.1895、high=1.1931、low=1.1855と、highをボトムに上昇傾向が続き、週末には直近の高値1.2100をもクリアし1.22台と上昇傾向が始まっている。

 

WeeklyチャートのMAは、36日線Close=1.16711が200日線Close=1.1579を上回り、さらなるEUR高を期待し高くなる動きを継続している。

 

IMM通貨先物は、【ユーロ】前週127,868→144,691(16,823)、ユーロは、前週からロングが4週連続で拡大。2017年5月9日から36週続くユーロのロングは変わらず、ネット+144,691は私がデータを取り出した2009年1月以来で最大で、ユーロ高を狙ったポジションに変化は見られず。

 

EURUSDのオプションのリスクリバーサルは、ロンドンベースで1週間が前週0.30→0.70%と大幅上昇。1か月超も前週と様変わりで3か月は-0.05%→0.35%へと上昇、ユーロ高リスクを意識した動きへ。

 

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今週の主な材料(1月15日~1月19日)

 

先週の材料を振り返って見ると、日銀の長期債オペ、ECB議事録、米CPI、NAFTA交渉、人民元設定方式の変更、朝鮮半島の緊張緩和、中国政府の米国債購入の縮小の有無をめぐり相場が動き、世界的に景況感は大幅改善し成長の拡大が見込まれ、原油価格・資源価格の上昇はとまらず、世界的な株高と債券売り(利回り上昇)となっていた。

 

米10年債利回りは2.5~2.6%へ、2年債が2%の大台達成、米株は高値を更新し、原油価格が2014年12月の水準へと急伸で、為替相場は本来ならドル買い材料にもかかわらず、弱い米コアCPIが材料視され、ECBの早期利上げ期待、日銀の緩和政の変更期待、中国の米債購入減少・停止リスク(のちに否定されたが?)と、新たな材料がドルロングの巻き戻しを誘発しドル売りへと反応している。

 

さて今週は、月曜日がキング牧師生誕記念日でNY市場休場となり、薄商いからのスタートとなる。米国発の経済指標や金融政策、イベントは極端に少なく、逆に、先週の為替相場をリードしたユーロ圏と英国と、カナダと豪州発の材料が今週の為替相場を動かす可能性が高く、先週同様に、EURJPY、GBPJPY、CADJPYの変動には注意が必要となっている。

 

独・ユーロ圏CPIは前回と変わらずとやや上昇が見込まれている。通常は予想通りの結果が多く相場変動のリスクは極めて少ないが、想定外の場合は1月25日のECB理事会の影響から相場が変動しやすい。

 

カナダ中銀が1.0%の政策金利を0.25%利上げることをある程度市場は織り込み・期待した動きとなっている。市場予想の多くは0.25%の利上げを予想、一部では据え置きの予想もありどちらに転んでもカナダドルの相場が動くリスクは高く、イベントでの取引が増えそう。

 

豪雇用統計は、失業率5.4%と変わらずの予想で、雇用者数は前月比予想1.5万人(前回61.6万人)と低下が予想されている。しかし、11日の豪小売売上高は予想外に強く、逆に5日の豪貿易収支は予想外のマイナスと強弱混在しており相場を動かす要因と考えられる。

 

「主要な経済指標・イベント」
1/15(月)キング牧師生誕記念日(NY市場休場)
1/16(火)独CPI、英CPI
1/17(水)ユーロ圏CPI
1/18(木)豪雇用統計、中国GDP

 

「米国発の経済指標・要人発言」
1/16(火)NY連銀製造業景気指数
1/17(水)鉱工業生産、設備稼働率、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、エバンズ・シカゴ連銀総裁発言、カプラン・ダラス連銀総裁発言、メスター・クリーブランド連銀総裁発言
1/18(木)フィラデルフィア連銀景気指数、住宅着工件数、住宅建設許可件数、週間新規失業保険申請件数
1/19(金)ミシガン大学消費者信頼感指数

 

「金融政策の発表」
1/17(水)カナダ中銀

 

「今後の主要材料(一部重複)」
1/19 (金)米暫定予算の期日
1/23~28 モントリオールでNAFTA再交渉の第6回協議
1/25 (木)ECB理事会
1/30 (火)米一般教書演説(政権の施政方針を米議会の上下両院合同会議で表明)
1/31 (水)FOMC
2/8 (木)BOE金融政策委員会
2/8 (木)カタルーニャ州新政権の承認投票を実施期限、場合によっては再選挙の可能性も。
2/9~25 平昌冬季オリンピック
3月以降、EU首脳は英国とEU離脱の第2段階を協議予定
3/4 (日)イタリア総選挙

 

今週の予定の詳細は別表をご覧ください。
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太田 二郎

FXストラテジスト 太田 二郎(ohta jiro)

FXのスタートはすでに35年近く前に遡る。外資系銀行でFXを学び現在に至る。米 系・英系・独系・オランダ系の外銀を経て、日本のFXリテー ル・ビジネスの草 分けとして米系支店の設立を経て、多くの個人投資家と関わりをもち、現在に至 る。現在は投資助言会社の業務部長を兼任し、頻度は 少ないながらも、セミ ナー講師をし、業界紙へFXコメントを掲載中。
信条は、「Once a dealer, always a dealer」教訓は、「FX Dealerは、全ての 面で人の手本となるべき」