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2018

今週の為替相場を考える(1月22日~1月26日)

米議会上院が新たな予算案を可決することができず、米政府機関の一部が閉鎖となる事態が発生。独大連立協議の合意に向けて、21日に中道左派の社会民主党(SPD)の党大会はどのような結果をだすのだろうか? いずれにしてもこれらを材料に週明けから為替相場の変動は避けられず。

 

2018年も既に3週間を過ぎた。株高、金利上昇が続き、為替相場は一時のドル買いから逆にドル売り傾向が続いている。先週一週間を振り返ると、GBPUSD+2.10%(ポンド高)、USDJPY-1.95%(円高)、AUDUSD+1.59%(豪ドル高)、EURUSD+1.55%(ユーロ高)、NZDUSD+1.49%(NZドル高)へ。

 

USDCAD+0.68%(カナダドル安)と皮肉なことに、カナダ中銀は政策金利を0.25%引き上げ1.0%に決定。過去7か月で3度目の利上げ後にカナダドル売りへと変化している。まさに「Buy the rumor、sell the fact」

 

相場変動要因は各国それぞれ事情が異なるも、米国発からの材料としては米政府機関の一部が閉鎖のドル売りと、お腹いっぱいの米資産への投資から欧州債投資への変化や、ドル買いポジションの巻き戻しを除けば、ドル買い要因だけは変わらず(?)

 

昨年末の米税制改革法案が成立し、米国の年内3度の利上げ期待と、米10年債利回りが2.6%台と2014年7月の水準まで上昇し、NYダウは2万6千ドル台へと最高値を更新。直近ではリパトリ(本国への資金還流)減税とアップルのレパトリ税に絡む380億ドルの税支払がドル買い要因ともなっていた。このような中でのドル安傾向でもある。

 

円高は、1月9日に日銀が予想外の長期債の買い入れオペを減額したことから緩和縮小の思惑で始まり、テクニカルで円高傾向が強まっていることによる。緩和縮小は否定されてはいるが、1/23(火)日銀金融政策決定会合・黒田日銀総裁記者会見を注目せざるを得ない。

 

ユーロ高は、1月11日発表のECB議事録からで「早い時期にガイダンスの段階的なシフトについて検討」との結果を受けて、EURUSDは急伸し、一時1.23台まで上昇。通貨当局からのユーロ高牽制政発言と「フォワードガイダンス変更せず」の発言でユーロ買いも落ち着く。結局は1/25(木)ECB理事会・ドラギECB総裁の記者会見を注目せざるを得ない。とにかく21日のドイツ社会民主党(SPD)党大会では独連立協議で合意できるかが重要。

 

豪ドル高は、中国経済の影響に連動する動きもあり、中国GDPは予想を上回り貿易収支も改善へ。ドンブレット独中銀理事が「独連銀が人民元を外貨準備に組み入れることを決定した」と表明。外貨準備の構成比率がどうなるかは不明ながら、他の中銀でも人民元の外貨準備拡大+ドル準備の減少の可能性も気になる。また、資源価格と原油価格の上昇もあり、AUDUSDは0.80の大台を一時上回る水準まで上昇。

 

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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】

 

◎USDJPY【予想レンジ 109.80←110.20~111.50】

 

USDJPYは、9月18日からボトムラインとなった110.80台を先週は一時割り込み110.20近くまで下落。110円の大台を割り込みストップロスやオプション絡みの動きを期待したが、失敗。昨年12月15日の日銀短観では、2017年度の自動車のUSDJPY想定レートは110.20円とあったことを思い出すが、偶然にもこの水準を円高のピークとして下げ止まる。

 

実需筋+資本筋、アップルのレパトリ税に絡むドル買いの思惑に値を戻すも111.50円の壁は超えられず。基本は110.20~111.50のコアレンジを想定しながらも、1/23(火)日銀の金融政策決定会合+黒田日銀総裁の発言内容(円高を避けると思われる)、米政府機関の一部が閉鎖のリスクに円買いを試す投機筋も。対クロスでは、ECB理事会の影響は、米国のGDPの影響も直接的に反応しやすい。

 

DailyチャートのBBは、Basis=112.10、Upper=114.05、Lower=110.15で、Basisを一時的に割り込みながら収束へ。

 

WeeklyチャートのBBは、Basis=112.24、Upper=114.99、Lower=109.49と、4月17日からLower~Upperのレンジは有効で、9月18日の週から継続中でBasis~Upper のレンジの割り込み売りへ。今週もlowerの109.50が下限の大きなポイントに。

 

DailyチャートのStoch RSIは、K=30.77 D=13.04と、買いへと変化し売られすぎゾーンにある。WeeklyのStoch RSIは、K=19.27 D=40.83と売りを継続中で売られすぎゾーンにある。

 

DailyチャートのMAは、200日MA close=111.72、high=112.12、Lower=111.31で、先週から111.72を割り込み、Weeklyチャートの200MA close=112.48割り込み、ドル売りの流れを継続中。

 

IMM通貨先物は、【円】前週-125,536→-119,350(6,186)と、円は、5週間ぶりに円売りが6,186コントラクト減少するも、2016年11月29日から続く円売りポジションは60週間も継続中で、円売りの金額もドル換算で135億ドルと非常に高水準が続いている。

 

USDJPYオプションのリスクリバーサルではロンドンベースで、1週間が前週-0.7→-0.85%とマイナス幅が拡大(円高リスクへ)し、1か月は-0.90→-0.85%と低下するも、3か月~12か月までの長いところはマイナス幅の拡大がみられる。1か月ボラティリティは1月上旬の6%近くから7.4%まで上昇中。

 

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◎EURUSD【予想レンジ 1.2100~1.2320】

 

ユーロドルは1月11日発表のECB議事録で「早い時期にガイダンスの段階的なシフトについて検討」から続くユーロ高傾向を維持するも、先週一週間を通じては、通貨当局者によるユーロ高けん制発言(この動きは1.21台でも見られ、一時ユーロ売りへと変化していた)や、「フォワードガイダンス変更せず」との発言にやや意気消沈。21日の独中道左派の社会民主党(SPD)の党大会で大連立が合意されれば再び上昇局面も考えられるが、基本は1/25(木)ECB理事会・ドラギECB総裁記者意見待ち。

 

DailyチャートのBBは、Basis=1.2049、Upper=1.2310、Lower=1.1788で、先週はBasisとUpperを一時上値けしながらも、1.23台で上げ止まり収束へ。

 

WeeklyチャートのBBは、Basis=1.1869、Upper=1.2204、Lower=1.1533と、Basisを中心とした動きからUpperを超え上昇へ。

 

DailyチャートのStoch RSIは、K=71.49、D=76.56と、売りへと変化し変われ過ぎゾーンにある。

 

DailyチャートのMAは、200日線のclose=1.1595にあり相変わらず現在値と大幅に乖離している。36日線はclose=1.1945、high=1.1984、low=1.1904と、highをボトムとした動きから1.22台へと上昇。

 

WeeklyチャートのMAは、12月25日に36日線が200日線を上抜けしてから上昇傾向が続いており、先週末では36日線close=1.1707、200日線close=1.1571となっている。

 

IMM通貨先物は、【ユーロ】前週144,691→139,490(-5,201)と、ユーロは、4週間ぶりに買いが-5,201コントラクト減収するも、2017年5月9日から続くユーロ買いポジションは37週間も継続中で、ユーロ売りの金額もドル換算で214億ドルと非常に高水準が続いている。

 

EURUSDのオプションのリスクリバーサルは、ロンドンベースで1週間が前週0.70と変わらず。1か月は0.55→0.75%へと上昇へ、3か月~1年も上昇し、ユーロ高リスクを意識した動きへ。

 

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今週の主な材料(1月22日~1月26日)

 

今週は、英国・米国のGDPや、NZ・日本・カナダのCPIの発表があり、日銀とECBが金融政策を発表する。米国は19日に予算案を可決できず、21日の独SPD党大会で大連立が合意できるのか? 週明けから相場変動のリスクが非常に高い。

 

日銀が1月9日に予想外の長期債の買い入れオペを減額したことで、量的緩和を縮小するのではとの思惑に円高が加速したことは忘れることができない。関係者は「それを意図したことではない」と否定はしているが、今週の金融政策決定会合と黒田日銀総裁の発言の重みは増している。

 

また、1月11日発表のECB議事録では「早い時期にガイダンスの段階的なシフトについて検討」との結果を受けて、EURUSDが1.20の大台をクリアして上昇傾向を維持していることは記憶に新しい。ただし、急速なユーロ高を危惧したのか、ビルロワドガロー仏中銀総裁、コンスタンシオECB副総裁、ノボトニー・オーストリア中銀総と要人からはユーロ高をけん制する発言が多く見られ、「フォワードガイダンス変更せず」との発言も多い。今回のECB理事会では金融政策の変更はないと思われているが、ドラギECB総裁発言はいつも以上に注目度が高い。

 

19日失効の米暫定予算は、米議会上院が新たな予算案を可決することができず、政府機関の一部が閉鎖となる事態が発生、今後どのように変化するのか? 交渉を継続しているといわれているが、週明けの相場動向には注意が必要でもある。

 

21日(日曜)は、メルケル独首相の運命を決めるといっても過言でない重要な日でもある。独大連立協議の合意に向けて、中道左派の社会民主党(SPD)の党大会があり、この場でメルケル首相率いる保守系のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)との連立を結成し、同首相の政権担当4期目を実現できるか決まる。こちらも週明けの相場動向には中一が必要。

 

そして、米国と英国の第4四半期GDPの発表があり、金融政策と関連性の高い、日本、カナダのCPIの発表も控えている。

 

「主要な経済指標・イベント」
1/24(水)英雇用統計、日本貿易収支、ユーロ圏PMI
1/25(木)NZCPI、独IFO景況感指数、カナダ小売売上高
1/26(金)日本CPI、英GDP、米GDP、カナダCPI

 

「米国発の経済指標・要人発言」
1/24(水)米PMI・速報値、米住宅価格指数、米中古住宅販売、
1/25(木)米週間新規失業保険申請件数、米卸売在庫、米景気先行指数、米新築住宅販売件数
1/26(金)米GDP、米耐久財受注

 

「金融政策の発表」
1/23(火)日銀金融政策決定会合・黒田日銀総裁記者会見
1/25(木)ECB理事会・ドラギECB総裁記者意見

 

「今後の主要材料(一部重複)」
1/21 (日)ドイツ社会民主党(SPD)党大会、独連立協議決着へ
1/23~29 モントリオールでNAFTA再交渉
1/23~26 世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議) 
1/25 (木)ECB理事会
1/30 (火)米一般教書演説(政権の施政方針を米議会の上下両院合同会議で表明)
1/30 (火)トランプ大統領はインフレ計画を公表
1/31 (水) FOMC
2/8 (木) BOE金融政策委員会
2/8 (木) カタルーニャ州新政権の承認投票を実施期限、場合によっては再選挙の可能性も。
2/9~25 平昌冬季オリンピック
3月以降、EU首脳は英国とEU離脱の第2段階を協議予定
3/4 (日)イタリア総選挙
3/13 (火)ペンシルベニア連邦下院補欠選挙

 

今週の予定の詳細は別表をご覧ください。

 

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太田 二郎

FXストラテジスト 太田 二郎(ohta jiro)

FXのスタートはすでに35年近く前に遡る。外資系銀行でFXを学び現在に至る。米 系・英系・独系・オランダ系の外銀を経て、日本のFXリテー ル・ビジネスの草 分けとして米系支店の設立を経て、多くの個人投資家と関わりをもち、現在に至 る。現在は投資助言会社の業務部長を兼任し、頻度は 少ないながらも、セミ ナー講師をし、業界紙へFXコメントを掲載中。
信条は、「Once a dealer, always a dealer」教訓は、「FX Dealerは、全ての 面で人の手本となるべき」