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2018

今週の為替相場を考える(1月29日~2月2日)

先週は予想外のドル安となってしまったが、米国の為替政策をめぐり市場は疑心暗鬼。今週は、米FOMCと米雇用統計の2台イベントと米テクニカルにもEUR高とGBP高が続く中で、BOEやECBは自国通貨高の抑制に動く可能性も消えず。

 

ムニューシン米財務長官のドル安発言にドルは下落し、IMF専務理事や多くの主要国中銀・政府筋から反発の声が上がる中、トランプ米大統領の発言にドル売りからドル買いへと一時変化。米財務長官の「ドル相場を動かそうとしたわけではない」と否定するも、米国の輸入関税措置など保護主義的な動きや、トランプ大統領と側近のロシア疑惑の捜査の懸念など、不安定な相場展開になりそうな雰囲気も強い。

 

トランプ大統領はダボス会議で、公正で互恵的な貿易の実現を主張。離脱したTPPについて「すべての参加国の利益になる」ことを前提に、復帰を検討する考えを表明するも、米国第一主義の流れを変えたわけではない。このような朝改暮令とも取られるトランプ大統領の発言は今に始まったことではないが、30日のトランプ大統領一般教書演説を注目したい。

 

ECBの年内の資産買い入れの停止を織り込み、EURUSDが約3年ぶりの高値で、1.25の大台を一時超えた今、ドラギECB総裁の「年内の利上げの確率はほとんどない」との発言と「ユーロの上昇は、不確実性の源で、米国発のドル安を巡る発言が金融情勢の変化につながる場合、ECBは戦略を見直す必要がある」も気になり、今週のEURUSD相場を通貨当局者の発言を注意したい。

 

GBPUSDはブレグジット当時の高値1.5018→安値1.1905の76.4%超を達成した今、先週にはハモンド英財務相がダボスで、「2016年のブレグジット直後の衝撃から経済が持ち直すに伴い、英国のインフレ率はピークを打ち、ポンドは上昇している」と発言。この水準からどこまで一方的なポンド高を通貨当局が容認することができるのか注目。今週はカーニーBOE総裁の議会証言がありその発言を注目したい。

 

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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】

 

◎USDJPY【予想レンジ107.80~110.20】

 

先週は予想外の円高となり正直なところ戸惑っている。日銀展望レポートで2018年度の物価見通しを上方修正したことで一時円高へと動くも、黒田日銀総裁は「出口を検討する段階にはいたっていない」と緩和策の継続を主張し、米株高と米金利が上昇する中で、円売りの安心感も一時見られた。しかしながら、ムニューシン米財務長官発言のドル安発言が円買いの引き金となり、トランプ大統領や財務長官の否定発言にも市場全体でドル売りの流れは止まらず一時108.20台まで予想外の大幅な下落となっている。

 

テクニカルでは主要通貨でドル売りの流へと変化する中で、USDJPYも後追いしドル売りへと変化。昨年9月4日の安値107.32が当面の目標となり、108.50円以下のドル買い需要は引き続き多そうに思えるが、110円の大台を回復するには通貨当局の口先だけでは難しく、米国側の確固たるドルの信認回復の動きが必要となりそうである。

 

DailyチャートのBBは、Basis=111.25、Upper=113.79、Lower=108.72で、Basisを一時的に割り込み続落中

 

WeeklyチャートのBBは、Basis=112.28、Upper=114.79、Lower=109.76と、4月17日からLower~Upperレンジを割り込み続落中

 

DailyチャートのStoch RSIは、K=7.39 D=24.36と、売りを継続しながらも売られ過ぎゾーンにある。WeeklyのStoch RSIは、K=11.31 D=31.42と、こちらも売りを継続中で売られすぎゾーンにある。

 

DailyチャートのMAは、200日MA close=111.74、high=12.15、Lower=111.33で、重要なポイントを割り込みな、Weeklyチャートの200MA close=112.51をも割り込み、ドル売りの流れを継続中。

 

IMM通貨先物は、【円】前週-119,350→-122,870(-3,520)、円は、2016年11月29日か61週間連続してショートで、NO.1の地位を維持。USDJPYは23日の集計日では110円台で推移するも、先週末に一時108.20円台まで円高が進んだことで、円売りポジションも縮小している可能性が高いと思われ、次週の数字に注目。

 

USDJPYオプションのリスクリバーサルではロンドンベースで、1週間が前週-0.85→1.0%とマイナス幅が拡大(円高リスクへ)し、1か月超もドルプット・円コールが拡大しており、円先高をヘッジする動きへ。

 

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◎EURUSD【予想レンジ1.21←1.2300~1.2500 】

 

1月12日の独二大政党が大連立政権継続に向けた政策文書で合意したことでユーロ買いが強まり、ユーロ圏の経済指標は強くECBは9月にもQEを終える可能性が高まり、1月16~17日にかけて通貨当局者からユーロ高けん制発言にもEURUSDの上昇は止まらず。1月24日のムニューシン米財務長官による「弱いドル」発言にその流れが加速し1.25の大台まで一時上昇。ドラギECB総裁からユーロ高をけん制する発言もあり現在に至っている。

 

EURUSDは6週続伸し一時1.2500の大台を超えて超えて約3年ぶりの高値となったことで、今週も通貨当局者によるEUR高けん制発言が気になる。また、1.25近辺では利食いのEUR売りが続く可能性も否定できず、1.2300を割り込むことがあればさらにその流れが加速する可能性も。

 

DailyチャートのBBは、Basis=1.2161、Upper=1.2470、Lower=1.1852で、Upperを上回る動きが続いているが、終値ベースでは1.25台を達成できず。

 

WeeklyチャートのBBは、Basis=1.1888、Upper=1.2298、Lower=1.1478と、Basisを中心とした動きからUpperを超え上昇、ユーロ高傾向を維持。

 

DailyチャートのStoch RSIは、K=93.14、D=78.53と、買い傾向が続くも買われすぎゾーンに位置。

 

DailyチャートのMAは、200日線のclose=1.1637、36日線はclose=1.2015と共に乖離幅が拡大し上昇傾向を維持。

 

WeeklyチャートのMAは、12月25日に36日線が200日線を上抜けしてから上昇傾向が続いており、先週末では36日線close=1.1812、200日線close=1.1564と乖離幅が拡大し参考にならず。

 

IMM通貨先物は、【ユーロ】前週139,490→144,717(5,227)、ユーロは、2017年5月9日から38週間連続してロングロングで、NO.1の地位を維持。144,717コントラクトのユーロ買いのポジションは、1月9日を上回り私がデータを取り出した2009年1月以来で最大。EURUSDも集計日の1.22台から一時1.25台まで上昇しており、ユーロ買いポジションがさらに拡大していると思われる。

 

EURUSDのオプションのリスクリバーサルは、ロンドンベースで1週間が前週0.70と変わらず。1か月は0.75→0.25%へと低下、1か月超もユーロコール・ドルプットが低下気味で、ユーロロングの調整の動きの可能性も強まる。

 

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今週の主な材料(1月29日~2月2日)

 

ムニューシン米財務長官(ドル安発言)、トランプ大統領(ドル高発言+TPP参加の可能性+保護主義姿勢)と、米国発の発言・材料で相場が動き先週を終えた。今週は月末・月初に当たり各国共に経済指標の発表が多くなるが、最重要と言えばもちろんながら、米国発のFOMCと米雇用統計となる。

 

FOMCは、政策金利のフェドファンドレート1.25~1.5%の据え置きは間違いないと思われている。CME Group FedWAtchでは96.4%の確率予測で据え置きが予想されており、3月21日には76.8%の確率予測で0.25%の利上げが、6月13日には56.1%の確率予測でさらに0.25%の追加利上げが予測されている。

 

31日のFOMCでは利上げ期待は非常に低く、新たなトレンドが出るような大きな変化を期待する動きは少ない。ただし、2月3日(土曜)にFRB議長はイエレン氏からパウエル氏へと変わり、イエレン氏にとって最後のFOMCで、なんらかの「置き土産」を期待したくなる(確率は低いのですが)。

 

2日の米雇用統計は、失業率=予想4.1% 前回4.1%、非農業部門雇用者数=予想18.2万人 前回14.8万人、 平均時給=前月比予想0.3% 前回0.3%、平均時給=前年比予想2.6% 前回2.5%となっており、非農業部門雇用者数と平均時給と合わせて判断する必要がる。非農業部門雇用者数が予想レンジの15~20.5万を、平均時給の前月比が予想レンジの0.2~0.3%を、前年比が予想レンジの2.5~2.7%を超える変化には要注意。

 

また、1/30 (火)米一般教書演説(政権の施政方針を米議会の上下両院合同会議で表明)の内容の相場変動要因と考えられる。

 

先週はEURUSDが一時1.25台、GBPUSDが一時1.43台を、ムニューシン米財務長官からドル安発言もあり達成する中で、ドラギECB総裁のEUR高けん制発言の効果は限定的となっていた。今週は30日のカーニーBOE総裁の議会証言を含めて、自国通貨高をけん制する発言が気になる週になっている。

 

今週はまたユーロ圏各国、カナダと2017年の第4四半期GDP・速報値の発表が多くなり、独を含めたユーロ圏各国や豪州のCPIの発表も相場変動要因となっている。

 

「主要な経済指標・イベント」
1/29(月)米個人所得・個人消費支出
1/30(火)ユーロ圏GDP、独CPI、カーニーBOE総裁議会証言
1/31(水)豪CPI、カナダGDP、米FOMC
2/1 (木)—
2/2 (金)米雇用統計

 

「米国発の経済指標・要人発言(一部重複)」
1/29(月)—
1/30(火)S&P/ケースシラー住宅価格指数、CB消費者信頼感指数
1/31(水)ADP全国雇用者数、シカゴ購買部協会景気指数、中古住宅販売保留件数指数、週間原油在庫
2/1 (木)単位労働コスト・非農業部門労働生産性、週間新規失業保険申請件数、製造業PMI、建設支出、ISM製造業景気指数
2/2 (金)雇用統計、ミシガン大学消費者信頼感指数、製造業受注・耐久財受注、ウイリアムズSF連銀総裁講演

 

「金融政策の発表」
1/29(月)—
1/30(火)—
1/31(水)FOMC
2/1 (木)—
2/2 (金)—

 

「今後の主要材料(一部重複)」
1/30 (火)米一般教書演説(政権の施政方針を米議会の上下両院合同会議で表明)
1/31 (水) FOMC
2/8 (木) BOE金融政策委員会
2/8 (木) カタルーニャ州新政権の承認投票を実施期限
2/9~25 平昌冬季オリンピック
2/12 トランプ政権、2019年度予算教書を発表
3月以降、EU首脳は英国とEU離脱の第2段階を協議予定
3/4 (日)イタリア総選挙
3/13 (火)ペンシルベニア連邦下院補欠選挙

 

今週の予定の詳細は別表をご覧ください。

 

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太田 二郎

FXストラテジスト 太田 二郎(ohta jiro)

FXのスタートはすでに35年近く前に遡る。外資系銀行でFXを学び現在に至る。米 系・英系・独系・オランダ系の外銀を経て、日本のFXリテー ル・ビジネスの草 分けとして米系支店の設立を経て、多くの個人投資家と関わりをもち、現在に至 る。現在は投資助言会社の業務部長を兼任し、頻度は 少ないながらも、セミ ナー講師をし、業界紙へFXコメントを掲載中。
信条は、「Once a dealer, always a dealer」教訓は、「FX Dealerは、全ての 面で人の手本となるべき」