ホーム > コラムの泉 > FXストラテジスト 太田二郎の今週の為替相場 展望と注目材料

迷ったらココ!期間限定

3/20
2017

今週の為替相場を考える(3月20日~3月24日)

FOMCも終わり、オランダ下院選挙も終わり、今週は相場変動の争点がぼやけていることは否めない。先週はFOMCの利上げにもより大幅な利上げを期待していた反動なのか、米金利は軟調でドルは全面安となっている。オランダ下院選挙では与党が第一党を維持し勝利、極右の躍進は抑えられ、ユーロ圏主要国の国政選挙に楽観的なムードも見られる。

 

今週は、特に重要な経済指標や発言が乏しい週となっている。再びトランプ大統領とトランプ政権の動きが注目されると思われる。つまり、G20で米国が反対した「あらゆる形態の保護主義に対抗する」文言は削除されたこと。また、米国は「通貨安競争を懸念する」と文言を入れるよう主張していたこと。米国が主張する「公正な貿易と公正は為替レート」を目指す動きが再び、相場の焦点になる可能性で高いと考えられる。

 

トランプ政権は修正後の新入国制限令に対する裁判所の差し止め命令を不服として上訴する方針を決めているが、またしても敗訴することにでもなれば、トランプ政権への信頼度の低下は避けられず。逆に勝訴すると、さらに強権をもって通商問題に望んでくる可能性も否定できず。こちらも今週の重要なテーマとなっている。

 

先週、すでに過ぎ去ったテーマも引き続き今後の課題として残っている。
オランダの与党勝利が、今後のフランス、ドイツ、さらにイタリア国政選挙へ与える影響は不透明で、EURUSDの3週連続の上昇が本物か見極めができにくいのが現状では。

 

FOMCの利上げ決定後の米金利の低下とドル安は、膨らみすぎた利上げ期待は削がれたことによる反動、米国は引き続き年内2度の利上げする可能性は高く、潜在的なドル買い要因に大きな変化はないと考えたいが、ECBもBOEも利上げムードが盛り上がるなか、ドル買い要因も一時より輝きが薄らいでいる。

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

今週の【通貨ペア別のレンジ予想】

 

◎USDJPY【予想レンジ 111.50~114.00】

 

113.50~115.502円レンジが暫く続いたが、FOMCの米利上げ決定後の急落で、3月1日の112円台の水準近くへと逆戻りしている。以降のレンジも112.50~113.60と、113.50が今のところ上限にあたり、円高ムードがにわかに高まっている。15日の複数の一大イベントが過ぎたことで市場のボラティリティーは急速に低下してはいるが、USDJPYのオプションのリスクリバーサルは、短期から長期を含めドルプットが拡大、市場の円高予測が強いことを示している。

 

一方、日米間の貿易問題や米国の為替政策が極端な円高を容認するのか? 個別交渉で輸出規制をするようになれば話はべつだが、米中間では通商問題で強硬な姿勢を示したG20を考えれば、日本だけが別枠であり続けるかは疑問で、大幅な円高への可能性も薄いのでは?

 

=======================================

 

◎EURUSD【予想レンジ 1.0650~1.0900】

 

3週間前は1.0500台を一時割り込みながらもユーロ買いが復活、2週間前には1.05台のボトムを固め続伸、先週は一時1.07台の大台まで上昇後、FOMCを経て1.0780台まで続伸するなど、3週連続で上昇し強さが目立っている。

 

ECBは量的緩和の縮小をすでに決定しているが、先週末はノボトニー・オーストリア中銀総裁が「主要政策金利であるリファイナンス金利より先に中銀預金金利を引き上げる可能性がある」と発言。過去にも未確認でこの手の発言は流れていたが、ノボトニーの発言でユーロにとっては強気な材料が加わっている。

 

第一陣のオランダ下院選挙は与党が勝利し事なきを得たが、続くフランス、ドイツ、イタリアの国政選挙の影響や、英国のEU離脱の申請に伴う何等かのリスクも気なるが、目先はユーロ売り圧力が弱まる要因では?

 

=======================================

 

◎GBPUSD【予想レンジ 1.2250~1.2550】

 

過去2週間、陰線引けが続いていたが、先週はFOMCを境に上昇へと変化、ようやく週足でも陽線引けとなっている。主要通貨の中ではEURGBPを筆頭にポンド売り傾向が続いていたが、0.8800をピークに軟化し、GBPUSDもようやく上昇力が強まっている。

 

BOEは予想外に金融政策委員のフォーブス委員一名が利上げを主張し、他の何人かも利上げ必要性の機会が近いと判断していたとの報道があり、ポンド相場のムードに変化も。

 

議会と女王はメイ首相へ英国がEUを離脱する手続きを開始するリスボン条約50条の発動を承認、一時これを材料にしてポンド売りが見られた。早ければ、今週や来週中にでも手続きが始まるが、終了までは約2年必要とのこと。また、EUは4月7日(予定)に英国のEU離脱に備えた緊急サミットを開催する。

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

今週の主な材料(3月20日~3月24日)

 

今週3月20日(月曜)は春分の日で東京市場は休日となる。また、一足先にサマータイムへ移行している米国市場に続き、26日から英国・欧州は冬時間が終了、夏時間に移行する(3月26日~10月29日)。これで、アジア市場の終盤にかけての動きが早めに活発化する可能性が高くなりそうで注意が必要となる。

 

評価は別として、先週のFOMCを含め嵐のようなイベントが過ぎ去った。今週はその反動なのか極端に重要なイベントが少ない週となっている。3/23(木)のイエレンFRB議長の講演、NZ中銀の金融政策、3/24(金)の米耐久財受注が、最重要とは言い難いが現状の中では市場へのインパクトはそれなりに大きい。

 

それと、トランプ政権は修正後の新入国制限令に対する裁判所の差し止め命令を不服として上訴する方針を決めているが、どのような影響を与えるのか。①G20で問題視された通商分野での中国と米国との対立、②日米間での農業分野での今後の交渉の行方、③為替政策では通貨安競争を懸念すると文言を声明に入れるように主張していた米国の今後の動きも、今週のテーマに限らず継続的にフォローする必要がある。

 

3/23(木)のイエレンFRB議長の講演では、先週のFOMCで利上げを決定し、FF金利予測値では年内さらに2度の利上げを示す動きをしめしたことで、新たなサプライズは期待できそうにないが、追加の強気な発言の有無を確認したい。

 

3/23(木)のNZ中銀金融政策では、政策金利1.75%の据え置きは、ほぼ間違いなささそうで、それ以外の決定事項の有無と、声明での発言に注目したい。

 

3/24(金)の米耐久財受注は、前月比予想1.2%(前回2.0%)、除く輸送機器・前月比予想0.7%(前回0.0%)と、輸送機器を含めた耐久財受注の予想は弱い。また、製造業受注・航空機を除く非国防資本財=予想0.6%(前回−0.1%)、製造業出荷・航空機を除く非国防資本財=予想0.1%(前回−0.4%)とこちらは強い数字の予想となっている。

 

米経済指標とFRB関係者の発言だけを注目してみたい、

 

3/20(月)
エバンズ・シカゴ連銀総裁講演

 

3/21(火)
ダドリーNY連銀総裁パネル討論会に参加
ジョージ・カンザスシティ連銀総裁講演

 

3/22(水) 
住宅価格指数
中古住宅販売

 

3/23(木)  
新規失業保険申請件数
新築住宅販売件数
カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演

 

3/24(金)
耐久財受注
総合PMI・速報値
エバンズ・シカゴ連銀総裁講演
ブラード・セントルイス連銀総裁講演
ダドリーNY連銀総裁講演

 

詳しくは別表をご覧ください。

 

20170320ota1

 

20170320ota2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • シェアする
  • 【この記事のURL】
2/27
2017

今週の為替相場を考える(2月27日~3月3日)

トランプ氏が1月20日に米大統領に就任して、すでに一月が過ぎ、今週は早くも3月を迎えようとしています。フリン大統領補佐官は辞任し、移民政策は一時停止され、これに変わる新たな政策の発表が待たれます。

 

28日のトランプ米大統領による「上下両院合同会議での演説」で、移民政策を含め、外交・軍事・経済・通商問題が取り上げられると思われ、為替相場に影響を及ぼすことになりそうです。非常に重要で、その結果で方向性が見えにくい現時点の為替相場の変化を期待したくなります。

 

為替相場を過去3週、終値ベースの変動率で振り返るってみると、ユーロ圏主要国の政治的なリスクなのかEURUSDの下げ幅は最も大きく、−1.39%、−0.25%、−0.46%と3週連続で下落。一方のUSDJPYは、日米首脳談後から円高景況が強まり、+0.6%、−0.29%、−0.67%と2週連続で円高傾向となっています。

 

また、円クロスでも、EURJPYとNZDJPYは3週連続で下落、GBPJPY、AUDJPY、CADJPYは2週連続で下落しており、全体的な値動きは円高+ドル高になっています。先週だけを見ても、EURJPYは−1.14%(136.2pips)、CADJPY−0.73%(−62.5pips)の下げで、EURJPYのショートが円絡みを含め主要国通貨の中では最も高パフォーマンスでした。

 

最新のIMM通貨先物市場のポジションを見ても、資源価格との連動制が高い豪ドルやカナダドルのロングが拡大し、逆に、政局へとEU離脱のリスクにユーロとポンドのショートが拡大する流れと、リスク回避の流れにスイスと円もシートが減少する動きとに分類され、複雑な流れとなっています。

 

USDJPYの円高傾向が持続する条件を大まかに考えると、①株安+②米金安+③リスク回避+④クロスでの円高傾向+⑤資源価格の低下等が考えられます。

 

では現状はどうでしょう? 米株や新興国株の上昇に反し、日本株は伸び悩み、米10年債・2年債利回りは、トランプ氏が大統領に選出されて以降は高値圏にとどまっているも、12月中旬から伸び悩んでいます。原油価格はOPEC・非オペックの減産合意後は50ドル台前半で安定し動かず。円クロスでは12月中旬のピークに円安水準を維持するも伸び悩みを示すなど、テクニカル的に円高期待が強まる中でも、取り巻く状況は複雑です。

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

今週の【通貨ペア別のレンジ予想】

 

◎USDJPY【予想レンジ 111.50~113.50】

 

チャートパターンはドル売り・円買いの継続を示唆しており、ファンダメンタルズの円売りとは逆の動きが続いています。28日のトランプ米大統領議会演説でドルに対する信認が高まることができるのでしょうか? 結果を出るまでは判断はできませんが、米国民に与えるメッセージとしてはドルに対してポジティブであると考えることができます。

 

いずれにしても、111.50~115円のレンジを抜け出すことができるのでしょうか? 更なる円高には111.50円を割り込むことができるか焦点で、その原動力となるのは、いつもながら円クロスで円高が続くことが条件になります。

 

その、EURJPYですが11月29日の安値118.50台を割り込み、Dailyの終値ベースでも11月28日の118.70台を割り込み、先週末は118.30台でクローズしています。また、NZDJPYは12月23日来の安値80.40台を意識する80.50台を、クローズベースでも80.60台とほぼ同水準で終了し、共に円高傾向の継続を示唆していますが、こちらの動きも注目しています。

 

=======================================

 

◎EURUSD【予想レンジ 1.0500~1.0650】

 

仏大統領選の世論調査では、決戦投票では中道・無党派のマクロンしが極右ルペンを抑えて勝利する可能性が高まり、フランスのEU離脱のリスク軽減はEUR買い材料ながら、反応は鈍いものがありました。独ドイツ連邦議会選挙の世論調査でメルケル首相の保守系与党連合の支持率が低下、イタリア大統領選は立候補者が多数と混迷、ギリシャへのIMFとEUの支援合意の動きにも、融資が実行されないなど問題が残り、材料は強弱混在です。先週は一時1.0500の大台を割り込むなど、ユーロ安の不安感は晴れません。

 

今週は、28日のトランプ米大統領議会演説が相場変動要因で、1.0500を底値に反発するのか、逆に1.0500を割り込み1.0400まで売りが加速するのか見極めが必要です。

 

=======================================

 

◎GBPUSD【予想レンジ 1.2300←1.2400~1.2600 】

 

GBPUSDは1.2400をボトムにし上昇傾向が続くのかと思いながらも、終わってみれば1.2600のトライは失敗し、1.2400~1.2550のレンジ相場に入っています。テクニカルでは引き続きダウンサイドのリスクは消えず、1.2500を一時こえながらも逆に圧力が強まっています。

 

今週は、他の主要国と同じく、28日のトランプ米大統領議会演説が相場変動要因で、英国のEU離脱の手続き開始の時機も近づき、1.2500近辺で収束している動きに変化を期待したくなります。

 

=======================================

 

◎AUDUSD【予想レンジ 0.7600~0.7750】

 

IMMのポジションでも豪ドルのロングが増加し、AUDUSDは0.77台を一時達成するなど、底堅い値動きが続いています。ただ、過去3週間の週足のローソク足では、オープンとクローズが3週連続でほぼ同水準という、なんとも言えない結果となっており、次の一手で動くことを期待したくなります。

 

Dailyチャートでは0.7500で底固め、0.7600で底固めし、0.7740台を高値に上値が重い展開となっていることで、0.7600~0.7750のレンジに収まっている流れの変化を期待したくなります。

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

今週の主な材料(2月27日~3月3日)

 

【今週のイベント」

 

トランプ新政権の内部抗争や、為替政策や移民政策など不透明感が強まり、若干ながらドルへの信頼感が揺らぎ始めていることは確かでしょう。しかしそれが米国の将来へのステップアップのための「生まれいずる悩み」なのか、「期待感から失望感」への現れのどちらなのでしょうか? 米株は上昇し、債券は買われ(利回り低下)の傾向が続く中で、今しばらく様子を見なければ判断できない状況と考えます。

 

今週のメイン・イベントは28日のトランプ米大統領による「上下両院合同会議での演説」ではないでしょうか? 正副大統領、下院議長、連邦最高裁判事など、重要なメンバーが勢ぞろいする一大イベントとなっています。この場で外交・軍事・経済・通商問題が取り上げられると思われ、為替相場に影響を及ぼす重大発言がないとは限りません。

 

常識から考えると(?)ネガティブな発言は考えにくく、ドルに対してはポジティブ要因と考えます。ただ、直近のドル相場の動きは鈍く、逆に円高傾向となっており、他の主要国通貨では動きは緩慢で、事前に為替相場に織り込んだ値動きとは言い難い状況で、結果がストレートにドル相場に反映されることになりそうです。

 

それ以外では、3月1日に米国発の経済指標(GDP・個人所得・消費、ISM製造業景気指数)が、3月3日にはFRB関係者(イエレン議長・フィッシャー副議長など)の発言が集中しており、今週は28日の月末、1日の月初め、3日の週末が相場波乱の日になる可能性が高いと思われます。

 

日本発でも3日には全国消費者物価指数の発表が控えており、予想外の結果となれば債券や株式市場への影響と円相場への波及も気になります。

 

【今週の主な発言・イベント】
2/27(月)カプラン・ダラス連銀総裁講演
2/28(火)トランプ米大統領「上下両院合同会議での演説」、ウィリアムズSF連銀総裁講演
3/1 (水)ブラード・セントルイス連銀総裁講演、カプラン・ダラス連銀総裁講演、カナダ中銀 金融政策発表
3/2 (木) ブレナード・FRB理事講演
3/3 (金) スター・クリーブランド連銀総裁講演、エバンス・シカゴ連銀総裁、ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演、パウエルFRB理事講演、 フィッシャーFRB副議長講演、イエレンFRB議長、

 

【今週の主要な経済指標】

 

2/27(月)米耐久財受注・速報値
2/28(火)米第4四半期GDP・改定値
3/1 (水)米第4四半期GDP、米個人所得・個人消費支出、米ISM製造業景気指数、米地区連銀経済報告(ベージュブック)
3/2 (木) カナダGDP
3/3 (金) 日本全国消費者物価指数、米SM非製造業景況指数

 

詳しくは、今週の予定表をご覧ください。

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

20170227_01

 

20170227_02

 

20170227_03

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • シェアする
  • 【この記事のURL】
2/20
2017

今週の為替相場を考える・注目材料(2月20日~24日)

イエレンFRB議長の議会証言からは、3月の利上げの可能性を残すも、大勢は6月利上げを意識した動きと、トランプ政権の不調和音や、新たな政策発表が台風の目へ。

 

為替市場を遠目から長い月足で眺めると、EURUSDは1.05~1.15、AUDUSDは0.7~0.8のレンジとそれぞれ1000pipsのレンジ相場が続き、GBPUSDは三角持ち合いで1.24~1.25近辺にしゅうれんし、USDJPYは広くは100~125円、狭くは110~120円のレンジにしゅうれん。各々その動きがブレークしたときが新たな大相場になる可能性が高いと思われます。

 

トランプ政権の拡張的な経済政策を意識し、株価では上海総合と日経平均株価は伸び悩みながらも高値圏で推移し、米株は最高値を更新し、新興国株価も2015年7月来の水準へと上昇し、欧州株も堅調に推移し、株高傾向は止まりそうにありません。

 

一方、金利ですが、米債券利回りは上昇し、債券から株式へと資金シフトが進み、米金利上昇を見越す動きも強い反面、米10年債利回りは昨年12月16日の週2.6%をピークにして、高止まり2.3~2.5%のレンジ、2年債利回りも1.3%をピークにし大枠で1.15~1.25%のレンジで安定推移となっています。

 

結果としては、資金は債券市場→株式市場へとシフトし、為替相場はドル高値圏で推移するも、「ドル急伸から安定的なドル高を維持」とでも言えそうです。円相場ですが、最近の流れは米株高=USDJPYの上昇圧力は弱まり、金利との連動性が高いのかレンジ相場に入っていますが、トランプ政権の影響を最も強く受ける通貨とも言えそうです。

 

さて、短期的な材料を独断と偏見で考えてみましょう!

 

【米国】
●トランプ政権内の勢力争いによる混乱→ 積極的なドル買いが抑制。
●トランプ政権の移民規制への混乱→ 積極的なドル買いが抑制。
●米金利の上昇(量的緩和終了→利上げ継続)=3月の可能性を残すも6月再利上げが本命でドル高期待を維持。
●トランプ政権の通商政策期待(米国への資金還流)=総論はドル高期待。
●最新のIMMポジションでは、通貨ショートが7週連続で減少(ドル高思考の低迷)。

 

【英国】
●英国のEU離脱の申請へ(3月9日~10日EU首脳会議)=影響を見守る動きへ。
●BOEの不透明な金融政策(インフレ進行+成長率減速リスク)=影響を見守る動きへ
●最新のIMMポジションでは、ポンドショートの減少が止まりやや増加へ。

 

【ユーロ圏】
●フランス・イタリア・オランダ政治的な動き、メルケル独首相の求心力の低下→ ユーロ売り要因へ。
●最新のIMMポジションでは、ユーロショートは4週間ぶりの若干増加へ。

 

【日本】
●日米首脳会談後の円高リスクの軽減+自発的な円高抑制の動き→ 円売り圧力が弱まるが、潜在的な円売り材料は変わらず。
●日銀の長期金利0.0%±0.1%の維持の継続性への疑問→ 日銀の政策への注目度が高まる。
●最新のIMMポジションでは、円ショートが7連続で減少へ。

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

今週の【通貨ペア別のレンジ予想】

 

◎USDJPY【予想レンジ 112.00~114.20】

 

チャートパターンはドル売り・円買いの継続を示唆しており、ファンダメンタルズの円売りとは逆の動きとでもいえそうです。先週は115円のポイント直前を高値にし、トランプ政権内での対立や移民政策の不透明感が強く、安全資産の円買いへと変化し、予想外に円は他通貨に対して上昇し、ドル円の買い戻しは限定的となっていました。

 

今週予定されえているトランプ大統領の新たな政策があるのかないのか? それがどのようなものか? その影響は? などつい考えてしまいます。USDJPYは上値113.70~80、114.10~20円に高いハードルが控えており、この水準を超えるまでは、市場のドル安・円高センチメントは変わりそうにありませんが、112円台は先に下値トライを失敗した経緯もあり、積極的にドル売りをスタートすることも躊躇されます。ただし、111.50円割の先週の安値を割り込むとストップの売りが控えていることでしょう。

 

=======================================

 

◎EURUSD【予想レンジ 1.0550~1.0750】

 

欧州委員会の冬季経済見通しはユーロ圏GDOPを上方修正しましたが、逆にユーロ圏+独+イタリア+ギリシャ第4四半期GDP・速報値は予想外に弱く、イタリアとフランスの選挙の思惑とその影響、ギリシャ支援の動きに、EURUSDは1.07台を達成できずにいます。

 

フランスの大統領選では極右のルペン氏の大統領選の当選率確率の度合いの高さが注目され、現状ではユーロ売り材料に利用されています。ECBの量的緩和の縮小から始まったユーロ買いの流れも続かず、ECB理事会の議事録では安定的な金融政策を維持する必要があると金融緩和策の縮小には消極的でした。オランダ、フランス、ドイツのユーロ圏主要3カ国で今年選挙が実施されることから、ECBは当面、様子見姿勢を維持し当面の緩和継続に大枠で1.05~1.08のレンジで、目先は1.06~1.07のレンジで推移する可能性が高いと判断しています。

 

=======================================

 

◎GBPUSD【予想レンジ 1.2300←1.2400~1.2600 】

 

英雇用統計の雇用者の伸びは強く、英CPIは高水準ながら小売物価指数はやや弱くインフレリスクを意識しており、予想外に弱かった英小売売上高にポンドは急落したことは記憶に新しいことです。今週も英第4四半期GDPの速報値が発表され相場変動の材料になることは間違いありません。

 

週を通じてもGBPUSDの伸びは鈍く逆に上値の重さげ目立ち、テクニカルでは日足、週足と上値の重い展開が続いています。メイ首相は3月9日~10日に開催されるEU首脳会議でEU離脱を通告する計画を示していますが、ポンド相場への影響は未定です。

 

=======================================

 

◎AUDUSD【予想レンジ 0.7600~0.7750】

 

先々週、ロウ豪中銀総裁は2017~2018年豪GDP見通し3.0%へ上昇し、今後の豪経済は底堅いとの発言しAUDUSDは上昇傾向を続けていました。先週の豪雇用統計も改善傾向が続いていますが、3週間続伸の後だけに0.77台からやや値を上げていますが、資源価格が後押し上昇傾向を維持しています。

 

今週は豪中銀議事録や、ロウ豪中銀総裁の証言もあり、結果によっては相場への影響も気になります。ただし、0.7500をボトムに維持できれば上昇傾向を維持するとみています。

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

【今週のイベント】

 

今週は最重要のイベントは少なく、20日(月)が米国とカナダは祝日で株式と債券市場は休場となり、短期のポジション調整が進んだ後のドル相場の変化や、トランプ政権発の材料や行動に振り回されることも材料として考えておかなければなりません。

 

22日のFOMC議事録は2月1日の発表分で、予想通り金融政策の据え置きを決定し、期待した早期利上げを示唆する発言がなくドル売りに反応したことを思い出します。ただ、その後のイエレンFRB議長の議会証言や他のFOMCメンバーの発言からは早期利上げを求める意見も多く、3月15日のFOMCを前にして利上げの可能性を判断する重要な議事録ともいえるでしょう。

 

21日の豪中銀議事録では2月7日の発表分で、政策金利1.5%の据え置きを予想通り決定し、市場へのインパクトは皆無の状態でした。その後、ロウ中銀総裁、四半期金融政策報告書では、成長率見通しを引き上げタカ派の内容に、豪ドルが上昇した経緯があり議事録と、22日、24日のロウ豪中銀総裁発言を合わせ注目しています。

 

米国関係では米債入札による長期金の変化を材料にして為替相場が動くことも、最近ではよく見られます。FRB理事や連銀総裁の発言も、決定的な影響力はあるとは考えにくいのですが、いつもながら、短期的な相場変動の材料に使われており、注意が必要となっています。

 

2/20(月)米国・カナダ市場は休場
2/21(火)豪中銀議事録公表(2月7日分)、米2年債入札(260億ドル)、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁発言、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁発言、 ウィリアムズ・SF連銀総裁講演
2/22(水)ロウ豪中銀総裁講演、FOMC議事録公表(2月1日分)、米5年債(340億ドル)、パウエルFRB理事講演
2/23(木)米7年債(280億ドル)、ロックハート・アトランタ連銀総裁会見
2/24(金)ロウ豪中銀総裁議会証言

 

【今週の主要な経済指標】

 

今週は重要な経済指標は少ない週です。その中で注目したいのは英第4四半期GDP速報値で、前年比2.2%と前回と同水準が予想されています。また、カナダCPIは前年比1.3%と前回の1.5%から低下が、コアの前年比も1.3%と前回の1.6%から低下が予想されています。

 

2/20(月)ユーロ圏消費者信頼感指数・速報値
2/22(水)英第4四半期 GDP・速報値
2/24(金)カナダ消費者物価指数

 

米国発
2/21(火)総合・製造業・サービス業PMI・速報値
2/22(水)中古住宅販売件数
2/23(木)週間新規失業保険申請件数、シカゴ連銀全米活動指数、FHFA住宅価格指数、
2/24(金)新築住宅販売件数、ミシガン大学消費者信頼感指数

 

詳しくは、今週の予定表をご覧ください。

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

20170220ota_1
クリックして拡大

 

20170220ota_2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • シェアする
  • 【この記事のURL】
2/13
2017

今週の為替相場を考える・注目材料(2月13日~17日)

日米首脳会談も予想外に政治的な配慮が強く無事に終了。両首脳はプライベートでゴルフを1.5ラウンド(二つのゴルフ場)で楽しみ、日米友好ムードは満点。

 

ただし、貿易問題は麻生財務相・ペンス副大統領にゆだねられ、これから残る大きなテーマに変わりありませんし、トランプ米大統領が発する大統領令(13日の予定)とその影響への注目度も大きいものがあります。

 

それ以外で為替相場に影響を与える可能性が高い今週の材料としては、①米金利+米株価動向、②イエレンFRB議長の議会証言、③主要国のGDP+CPI+雇用統計、④イタリア・フランス・ギリシャの政治的・経済的な問題、⑤日銀の金融政策が挙げられます。

 

①米金利と米株は、米金利は3月のFOMCでは利上げ観測が後退する反面、年内の2回~3回の利上げを示唆するFOMCメンバーの発言も多く、政策金利と関連性の高い米2年債利回りは1.15~1.30%のレンジで推移し、利上げ期待を残しています。一方、米株は好調な企業業績と、トランプ大統領の拡大経済政策への期待感に、ダウは2万ドルをクリアに上回り上昇傾向は変わらず。ドル高思考へ。

 

②イエレンFRB議長の議会証言は、トランプ政権の打ち出す拡大経済政策と財政支出をもとに考えれば、将来のインフレ・リスクが高いことを意識しており、将来の利上げを示唆する流れに変化はないと思われ、ドル高思考へ。

 

③と④では、政治的に揺れるイタリア・フランスの政局と、支援策で揺れるギリシャ経済(先週末に国際債権団と支援協議で進展あり)の影響もあり、ユーロ圏・ドイツ・イタリア・ギリシャの最新のGDPの数字が重要となっています。

 

⑤日銀の金融政策は、従来通りで変わらずですが、長期金の変動に円相場が動くことも多く、日本のGDPの影響も注目材料。

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

今週の【通貨ペア別のレンジ予想】

 

◎USDJPY【予想レンジ 111.50-112.50~115.50】 押し目買い

 

日米首脳会談は、貿易不均衡に円安傾向を非難する発言もなく、まずは無難に終了。日米貿易不均衡の是正に円高への圧力を意識した、円ロングのポジションも先週金曜日に一時大幅に解消されていました。

 

そして、日米首脳の共同記者会見では、逆にやや円高へ振れるという、週末の影響も考えられますが、結果としては主体性の乏しい展開で終わっています。

 

さて、今週は強い米株と堅調な米金利や、トランプ政権からは当面の円高プレッシャーも消えたこともあり、円売りの継続が予想される反面、貿易問題は麻生財務相・ペンス副大統領との間で、どのようなことが取り決められる、不安定要因は解消されていません。

 

そのため、112.50、111.50円をボトムにした押し目買いの方針で臨みながらも、115.50円の壁は引き続き厚く広がっている。

 

=======================================

 

◎EURUSD【予想レンジ 1.0600~1.0850】1.08台の重さ変わらず。

 

EUR売りの際に材料として使われる、イタリア・フランスの政局不安、ギリシャの支援策。仏は世論調査では極右ルペン氏の支持率は低下するも、混迷は変わらず。ギリシャは国債債権団で話し合いが再開とのことで、好転する可能性はあるも問題は山積。

 

週足では、1.08台の上値の重さを確認した後、過去週間の安値を割り込み大陰線で終了しており、市場のEUR買いセンチメントが変化している可能性を指摘、基本は1.0850を超えるまでは戻り売りの流れとなっています。

 

日足では、1.0600を維持できれば、1.0750~1.08台への復活の可能性が高まることもあり、基本は戻り売りを維持しながら、EUR売りの流れは変わらずと考えます。

 

=======================================

 

◎GBPUSD【予想レンジ 1.24000~1.2700 】レンジ相場が続く

 

英国のEU離脱も、メイ首相が明確は指針を示したことで、金融界からの強い反発が残りますが、目先は最悪のリスクを目先は回避。今後は3月までに離脱の申請をすることができるのかを注目しています。

 

週足では、21週MAが1.2459にあり、過去3週間はこの水準から離れられず。1.2800の大台を超えることができれば、再上昇の流れを確認できるも、逆にダブルトップになるリスクもあり、注意しています。

 

日足では、予想外に底堅い動きとなっており、EURGBPの売りの影響もあるとは思うが、終値ベースでは1.24を維持し、底堅さも感じられ、1.2400~1.2700を週終値ベースで抜け出すまでは、レンジを意識した動きを考えています。

 

=======================================

 

◎AUDUSD【予想レンジ 0.7600~0.7700→0.7800】レンジ相場の継続

 

ロウ豪中銀総裁や豪中銀四半期金融政策報告では「2017年6月期のGDP伸び率予想を1.5~2.5%に1%引き下げへ」するも、「今後2年間は回復することで、追加緩和は検討せず」。「2017、18年は3%程度、19年6月期は2.75~3.75%に加速へ」、「中銀目標の2~3%の範囲に達するのは19年半ば以降」と、将来の成長とインフレ拡大を示唆。これが今後の為替相場にどの程度影響を与えるかは不明ながら市場は好意的に見てはいますが、0.77の大台は達成できずにいます。

 

週足では、昨年の4月29日の週以来、0.7700を上回ってクローズしたことはなく、安定して上回ったことが定義となれば、2015年7月15日以来長期にわたり実現していません。そのため0.7700の大台をクリアに上昇できるかが重要なポイントになっている。

 

日足では、今年に入って超えられなかった0.7600を上抜けしてからは、0.7600~0.7700のレンジが続き、結果的にはレンジ相場が継続していることになっています。今週このレンジから抜け出すことができるかを注目しています。

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

今週の主な材料

 

注目の日米首脳会談は終わり、今週以降はその結果を受けて、麻生財務相・ペンス副大統領とでどのような動きがみられるのでしょうか?

 

今週も引き続き、トランプ大統領が発する大統領令と、発言に市場が振り回されることになりそうです。それ以外でも、イエレンFRB議長の議会証言や、主要国のGDP、CPI、雇用統計と、米国発の雇用・住宅・景況感指数は重要で、米金利や米株価の動向が、為替相場に与える影響は相変わらず大きいものがあります。

 

【今週のイベント」
●トランプ大統領が(13日~14日)に、国家安全保障に関する追加措置の大統領令を発表する可能性を示唆しており、重要です。

 

●イエレンFRB議長は(14日&15日)に米上下議会で半期に一度の金融政策報告を議会に提出し、証言を行う。FRBの金融政策は相場変動要因では最も影響度の高い部類の一つで、いつもながら非常に重要です。

 

特に、初日の14日の上院銀行委員会での証言は特に影響度は高く、多くの市場参加者が注目しており、金融政策の方向性はもちろんながら、言葉尻でも相場が上下変動する可能性が高く注意が必要です。

 

【今週の経済指標」(主要国でGDP、CPI、雇用統計の発表が多い)。
≪GDP≫
●イタリア&フランスの政治的リスク、ギリシャの経済的リスクがユーロ相場のテーマとなっていることもあり、14日の独・イタリア・ユーロ圏・ギリシャのGDPは最新第4四半期の速報値でもあり、注目度は高くなっています。また、13日の日本のGDPも注目されています。

 

●13日の日本第4四半期GDPは、前期比では0.3%と前回と変わらないが、前年比では1.1%と前回を下回る予想で、予想数字から大きく逸脱することは稀ながら、注目材料となっています。

 

≪GCPI≫
●14日には、中国CPI、ドイツCPI、スイスCPI、英CPI、15日には、米CPIが控えており、それぞれでは直後の相場変動が高いこともあり、注意が必要です。

 

≪G雇用統計≫
●15日には、英雇用統計、16日の、豪州雇用統計が控えており、こちらも直後の相場変動は高いので、注意が必要です。

 

≪米国発≫
●14日=生産者物価指数、15日=小売売上高、鉱工業生産・設備稼働率、NAB住宅市場指数、16日=新失業保険申請件数、住宅着工・許可件数、フィラデルフィア連銀景気指数、17日=景気先行指数などでは、予想外の結果での変動に注意しましょう。

 

詳しくは、今週の予定表をご覧ください。

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

20170213_1
(クリックして拡大)
 

20170213_2
(クリックして拡大)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • シェアする
  • 【この記事のURL】
2/6
2017

今週の為替相場を考える・注目材料(2月6日~10日)

ドル安政策への変化を疑う動きへ。週末の日米首脳会談を目にして、円相場の流れを予測することは難しく、貿易不均衡の是正要求のリスクヘッジに円高傾向の流れは変わらず。

 

トランプ米大統領の選出から続いたドル高は、2017年に入りドル売りへと変化し、強硬な移民規制に米国内外から反発が強まり、その流れは止まらず。ドル高が復活するにはトランプ政権から明確なドル高政策を示唆する発言が必要になっています。

 

今週は、主要国で重要な経済指標や金融政策の発表が極めて少ない週で、円相場がリードするドル売りの流れが継続するのか、それとも、反転するのか、週末の日米首脳会談の結果を見守る流れが続く可能性が高いと言えるでしょう。

 

リスクはサプライズの円高で、投機筋が円高を試す可能性を意識しながらも、トランプ大統領の得意とする交渉術「飴と鞭」の政策を考えれば、予想外に友好ムードで終わる可能性も消えず、結果はポジションを一方向に傾け、維持することも難しい状況は変わっていません。

 

—————————————–

 

先週までの流れを振り返ってみましょう

 

【先週はドル売りの流れ止まらず】
先週は、米国の貿易不均衡がテーマとなり、米国から円安誘導との非難をうけた円相場の上昇が進み、IMM通貨先物市場での円のショートポジションが減少する流れが止まらず、主要国通貨でも同じような流れが続いています。

 

【先週は円の上昇はNO.1で、ポンドは伸び悩む】
前週比を変化率で見れば、USDJPY-2.19%と最も高くドル売りをリードし、次いでAUDUSDの+1.8%。トランプ政権からドイツの貿易黒字が問題視されたEURUSDも+0.88%の上昇となっています。

 

逆にGBPUSDは弱く-0.51%と、英国のEU離脱プロセスが明確になり、白書を公表した結果にも拘わらず、将来の英国経済への不安感は払しょくできない結果と思われます。

 

【2017年に入りドル売りの流れが止まらず】
週足でみると、USDJPY相場は、12月16日週の118.60台→112円台まで7週間かけて下落。EURUSDも1.0400割れを4週間続けた後、1.0340台→1.0830へ上昇、AUDUSDは12月23日の週0.7160台→0.7700直前へと上昇していますが、GBPUSDは1.2000近辺→1.2700へと上昇しながらも、昨年10月のフラッシュ・クラッシュ後は1.2800の大台を超えられずにいます。

 

【米金利は伸び悩む】
注目のFOMCでは、米金利の上昇傾向は変わらず、より大幅な利上げを求める動きがある反面、トランプ政権の政策の結果を見極める安全策なのか、3月の利上げ期待は弱まり、米金利は低下気味です。FFレートと連動性の高い米2年債利回りは先週末1.1969%で終了し、昨年12月に米利上げをした週の終値1.25%をつけてからは、伸び悩み1.2%前後で推移しています。

 

【米株は上昇止まらず】
NYダウは2万ドルの大台を達成、日経平均株価は週間ベースでは19500円台を超えることはできずにいますが、19000円をベースにし底堅く推移しており、今までの株高=円安の連動性は弱まる傾向にあります。

 

【CFTCのIMM通貨先物は通貨ショートが減少】
市場のセンチメントを理解する上で、重要視しているCFTCのIMM通貨先物市場では、通貨ショートが4週連続で減少し、相対的にドルの弱さが目立っています。

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

今週の【通貨ペア別のレンジ予想】

 

◎USDJPY【予想レンジ 111.00~113.50】

 

USDJPYは、円相場のアキレス腱となっている「貿易不均衡是正へのプレッシャー=円高への圧力」がトランプ大統領や政権担当者から指摘されてはどうしようもない。「株高=円安」の方程式は有効性が薄らぎ、積極的なドル買いも弱まり、逆に必要外の円ショートを解消する動きは止まらず。

 

日銀のスタンスが10年債利回りを明確に0%上下±0.01%に固定してくれるのか? 先週の日銀のオペで上下変動した円相場をみれば、不安でなりません。

 

結論として、10日の日米首脳会談の結果待ちで投機筋はやや円ロングへと傾きやすいが消極的。ポジション調整と実需筋の動きが市場をリードすることになりやすく、レンジは先週の112~114円のコアから、下値リスクは解消できず。

 

CFTCの円ポジションは引き続き高水準ながら、5週連続でショートが減少しており、円先安期待は弱まっている。

 

=======================================

 

◎EURUSD【予想レンジ 1.0700~1.0850】

 

EURUSDは、先週コアで1.0700~1.0800と、1.0800の上限を抜けてからも加速できず、米当局者の独貿易黒字(ユーロ安)を問題視する発言もあり、逆に低下。過去3週間の変動率も、+0.55%、-0.07%、+0.88%と緩やかで、今週もEURGBPの影響をうけながらも、緩やかな上昇が期待したいが、円相場の変動次第では、上下を抜け出す可能性も。

 

CFTCのユーロ売りポジションは2週連続で減少。ただし、前週からは半減以下と減少の流れは落ち着いてきている。

 

=======================================

 

◎GBPUSD【予想レンジ 1.24000~1.2700 】

 

GBPUSDは先週1.24~1.2700のレンジで推移し1.2800の重要のポイントを試す動きも見られず。メイ首相のEU離脱のプロセスの発表後は底堅い値動きとなるも、BOEの緩和策継続に、利上げ期待が払しょく。主要国でドル売りが進む中で、週終値では逆に低下して、上昇傾向が弱まっている。

 

今週は特に重要な発表もなく、上下のレンジ内での動きが予想される。1.28は昨年12月序盤の高値水準に位置し、1.28の水準は7月序盤のボトム当たり今後の重要なポイントになっていることに変わりない。この水準を超えると上昇力も本物か? 

 

CFTCのポンド売りポジションは、2週連続で減少を続け減少しポンド売りのセンチメントは後退中。

 

=======================================

 

◎AUDUSD【予想レンジ 0.7600~0.7800】

 

UDUSDは、上限となっていた0.7600の大台をクリアし、上昇傾向を維持している。0.7500の下限から0.7600台へとスライドし、どこまで上昇することができるのか? IMM通貨先物では、NZのショートが急減していることもあり、理由は不明ながら資金が移動している可能性も。

 

CFTCの豪ドル・ポジションはショートからロングへと変化して3週間過ぎ増加中で、予想外に強さを維持している。

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

今週の主な材料

 

日米首脳会談が主役で、日銀のスタンスは波乱要因。主要国の経済指標や金融政策は少なく、豪州&NZの金融政策と、カナダの雇用統計を注目。

 

———————

 

【日米首脳会談】
10日(金)の日米首脳会談では、日本がどのようなお土産を持参して、その結果に、トランプ大統領がどのように反応するのか? 結果として為替相場どう反応するのか? 

 

一部報道では、ワシントンでトランプ大統領と首脳会談をした後、エアーフォースワンでフロリダ州パームビーチに移動し、トランプ氏とゴルフのプレーをするとの案もあるとのこと。考えるだけでも興味深い週末になりそうです。

 

事前の報道では、トランプ大統領が目指す「米国のインフラ投資に4500億ドル(約51兆円)の市場を創出し、70万人雇用を作る」とあります。安倍首相は「日米成長雇用イニシアチブ」をお題目にし、日米の成長と雇用をもたらし、絆を強化することを目標としていることでしょう。

 

スパイサー・ホワイトハウス報道官は、日米首脳会談の議題は「貿易や安全保障が多く含まれる」と発言しており、米国は日米の貿易不均衡の是正を求めることは必至です。自動車輸出問題など日本の対米黒字問題の激化を抑えることができるのでしょうか? USDJPY相場の大きな影響は避けられそうにありません。

 

安全保障では、マティス国防長官の来日で、日本は「防衛力を強化し、役割の拡大をはかっていく方針」、米国は「在日アメリカ軍の駐留経費で、日本とのコスト分担の在り方は他国にも手本になる」と発言しています。

 

各国の駐留米軍経費の負担率ですが、日本は74.5%。韓国は40.0%、ドイツは32.6%にとどまり、日本は突出して高かったことを評価していると思われるが、それをさらに増額することになるのか? 日米首脳会談を注目しましょう!

 

———————

 

【日銀のスタンス】
先週3日(金)に日銀の輪番オペに円相場が急変するなど、中長期的な日銀のスタンスを見極める必要がありそうです。

 

日銀は10年債利回りをゼロ%近辺で推移するように国債を買い入れており、市場が予想する±0.1%のレンジ枠を上回り、一時0.153%まで上昇したことでUSDJPYは1113.10円台→112.50円台へと円高へと動きました。(指値オペがなかったことで)

 

これに対して日銀は、2か月半ぶりに指定した利回り(0.11%)で国債を無制限に買い入れる「指値オペ」を実施しました。計7,239億円分の国債を購入し、USDJPYは112.60円台→113.20円台へと円高→円安へと切り替わっていました。今後も、日銀のスタンスや10年債利回りの動きに注意が必要です。

 

———————

 

【経済指標&金融政策】
米国発の経済指標はいつもながら重要で、中国初の経済指標も要注意ですが、米国を含め久しぶりに主要国での最重となる経済指標や金融政策の発表も少なく、豪州&NZの禁輸政策とカナダ雇用統計の注目度が高まっています。

 

「米国」
2/6(月)労働市場実勢指数(LMCI)
2/7(火)貿易収支、JOLT労働調査(求人件数
2/8(水)米10年債入札
2/9(木)新規失業保険申請件数、卸売在庫&卸売売上高、米30年債入札
2/10(金)日米首脳会談(ワシントン)、輸入物価指数、ミシガン大学消費者信頼感指数、

 

「中国」
2/7(火)財新総合PMI
2/10(金)貿易収支、人民元建て新規融資

 

「豪州」
2/7(火)豪中銀 金融政策発表=政策金利1.5%の据え置きを予想していますが、いつもながら中銀の声明に市場の変化度合いは高いイベントで、AUDUSDやAUDJPYのポジション管理には十分注意が必要です。

 

「NZ」
2/9(木) NZ中銀 金融政策発表=政策金利1.75%の据え置きを予想。ウィーラーNZ中銀総裁記者会見。午前5時の米国市場の終盤で、欧州市場が終了した後の時間帯だけに、通常よりもインパクトは大きく、上下変動のリスクが高いイベントです。中銀総裁の記者会見を含め「動くことは当たり前」との考えて臨んだほうがよさそうです。

 

「カナダ」
2/10(金)カナダ雇用統計は、失業率=予想6.9% 前回6.9%、雇用者推移=予想0.0人 前回53700人と大幅な低下を予想。金曜日で他に重要なイベントも見られず、USDCADやCADJPYを中心にして動きが強まりそうです。労働参加率や(予想65.8% 前回65.8%)、フルタイム雇用者(予想 前回81300人)、パートタイム雇用者(予想 前回-27600人)も併せて見る必要があります。

 

その他を含め詳細は、経済指標の予定表をご覧ください。

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

20170206_01
※クリックで拡大します

 

20170206_02
※クリックで拡大します

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • シェアする
  • 【この記事のURL】

ブロガープロフィール

太田 二郎

FXストラテジスト 太田 二郎(ohta jiro)

FXのスタートはすでに35年近く前に遡る。外資系銀行でFXを学び現在に至る。米 系・英系・独系・オランダ系の外銀を経て、日本のFXリテー ル・ビジネスの草 分けとして米系支店の設立を経て、多くの個人投資家と関わりをもち、現在に至 る。現在は投資助言会社の業務部長を兼任し、頻度は 少ないながらも、セミ ナー講師をし、業界紙へFXコメントを掲載中。
信条は、「Once a dealer, always a dealer」教訓は、「FX Dealerは、全ての 面で人の手本となるべき」