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迷ったらココ!期間限定

7/24
2017

今週の為替相場を考える(7月24日~28日)

緩和策の変更ができる通貨高、できない通貨安の大きな流れは変わらず、問題は積みあがったポジションの調整と買えていないリスク。

 

トランプ氏の支持率低下やロシア疑惑問題にも米株は強く過度の期待感はありませんが、クシュナー上級顧問(7/24)、トランプJr・マナフォート選対本部長(7/26)と続く議会公聴会でも無風でいられるのでしょうか? 

 

今週は米GDPとFOMCの結果を受けた米金利の変化と主要国間の金利差の変化が注目され、ドル相場にとっては試練の1週間となりそうです。

 

今週の主な材料にも記載していますが、FOMC(7/26)と米国GDP(7/28)以外でも、豪州CPI(7/26)、英国GDP(7/26)、日本CPI(7/28)、カナダGDP(7/28)の結果を受けた相場変動が高いと思われます。

 

USDJPYは、唯一利上げや緩和縮小とは無縁の通貨で、投機的な円ショートが大幅に積みあった状態から米金利の低下に連動して調整が続き、USDJPYは111台まで下落。今週の米GDPとFOMCの結果を受けた米金利動向を注目。AUDUSDは豪中銀議事録で将来の利上げ期待が高まり、0.80のサイコロジカルな水準を目指す中で、中銀副総裁から豪ドル高へのけん制発言が飛び出しやや伸び悩んではいますが、引き続き上昇圧力を継続中。

 

EURUSDは、やや伸び悩むCPIにもドラギECB総裁の「ECBは秋に決定を下す」発言に火が付き1.1700の大台を目指し上昇を続け。GBPUSDは、ネガティブ材料の中で1.30近辺と健闘し、USDCADはカナダ中銀が7月12日に7年ぶりに利上げを実施し、雇用の改善と成長拡大が見込まれ追加利上げ期待にカナダドル高期待は変わらず。

 

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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】

 

◎USDJPY【予想レンジ 110.50~80~112.50】

 

ドル円は、唯一利上げや緩和縮小とは無縁の通貨で、投機的な円ショートが大幅に積みあった状態の調整が続いています。その引き金となったのは、株価連動型から米金利連動型に円相場が変化し、日米金利差の縮小が主因と思われ、今週のFOMCと米GDPでネガティブサプライズがなければ、円相場は中期的に110~115円のレンジを維持することが予想されます。

 

金利差と円相場の関連ですが、7月7日の米雇用統計で米10年債利回りは2.3945%がピークをつけ(USDJPY114円台へ上昇)、7月12日のイエレンFRB議長の議会証言で下げ幅は加速し先週末では一時2.2234%まで低下(USDJPYは114.494→111.012まで下落)しています。

 

StockRSIのDailyでは、K=0.00、D=3.54と売られすぎゾーンにあり、強いダウンサイド圧力の継続の場合は別ですが、通常は反発する可能性が意識されます。200日MA=111.81を割り込みダウンサイドのリスクが続いていますが、4月中旬と6月上旬にも200日MAを割り込みながらも反発しているケースもあり積極的売りにくい状況となっています。

 

IMM通貨先物では、【円】-112,125→-126,919(-14,794)と、引き続き円の一人負け状態ですが、集計日の18日以降に円高が加速していることをからショートは減少していると思われます。オプションのリスクリバーサルでは、1週間から1年まででは円コールオーバーが強まっており、市場の円先高期待を反映しています。

 

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◎EURUSD【予想レンジ 1.1550→1.1800】

 

ECBはやや伸び悩むCPIにも関わらず、ユーロ圏各国の政局の安定やドラギECB総裁の「ECBは秋に決定を下す」発言にバランスシートの縮小開始の可能性に上昇力は止まらず。

 

ユーロを買えていないリスクが高いのでしょうか、ドラギECB総裁から「テーパリングのシナリオ、議論されていない」と火消しに動き、独債券利回りや他の主要国の債券利回りの上昇は見られないものの、通貨EURUSDだけは上昇を維持し、利食い売りの反応も鈍く上昇トレンドは変わらず。心配はスピード違反的な上昇に対して中銀関係者からブレーキを踏む発言と、米GDPとFOMCのサプライズのみ。

 

StockRSIのDailyでは、K=84.88、D=61.11と買いを継続中ですが水準として買われすぎゾーンに近づいています。200日MA=は1.0852と遥か下の水準に位置し、最近の動きでは36日MAで下げ止まる動きが続いていますが、その線も1.1329 と現状の1.1660台から下方に位置しており、WeeklyベースのMA=1.1804がより意識されます。

 

IMM通貨先物では、【ユーロ】83,788→91,321(7,533)と、人気NO.1通貨。私がデータを取り始めた2009年1月6日以降では最大のネットロングポジションを更新中。オプションのリスクリバーサルでは、1週間から3か月まではユーロコールが拡大しており、12か月までの期間でもEURプットが縮小傾向にあり市場はユーロ高の期待感が強まっています。

 

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◎GBPUSD【予想レンジ 1.2915~1.3150】

 

EURGBPの上昇力は強く0.9000の大台が目の前になっています。要因はもちろんECBのテーパリング期待と、逆に弱い英CPIと政局の不安定化に、BOEの早期の緩和策の変化期待が弱まっていることにあります。この状況下でもGBPUSDは1.300前後を維持しており、ポンドの極端な弱さは感じられませんが、今週26日に発表される英GDPの結果に素直に反応することが予想されます。

 

StockRSIのDailyでは、K=49.20、D=64.03と売りを継続していますが、水準的にはニュートラルゾーンに近づいています。200日MA=1.2566にあり遥か下方に位置し、26日MA=は1.2867にあり、安値・高値ベースの26日MAは1.2818~1.2915でこのゾーンが底値になる可能性が高と思われます。

 

IMM通貨先物では、【ポンド】-24,138→-16,473(7,665)と、再びネットショートは減少中。ただ、市場の期待を裏切る18日の英CPIに、資産買い入れ縮小の時期が先延ばしになる可能性を意識し、ポンド売りが強まったことを割り引いて考える必要もありそうです。オプションのリスクリバーサルでは、引き続き短期から長期までポンドプットオーバーで、やや拡大傾向にありますが大きな変化は見られません。

 

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◎AUDUSD【予想レンジ 0.7820~0.7980】

 

18日の豪中銀議事録で火を噴いた将来の利上げ期待の豪ドルの買いも、AUDUSD0.8000の大台を直前して通貨高をけん制する発言に、利食いの売りが先行しやすくなっています。逆に短期間で急騰したことで実需筋が買えていないリスクも残り、26日の豪CPIの結果に素直に反応すると思われますが、下げ止まると買いが強まり、上昇すると通貨当局の牽制球が意識され高値を変えず、上下にロックされる可能性もあります。

 

StockRSIのDailyでは、K=93.75、D=93.02と買われすぎゾーンにあり売りへと変化する可能性が高くなっています。200日MA=0.7542、36日MA=0.7638と遥か下に位置しておりかい離が広がっています。

 

IMM通貨先物では、【豪ドル】36,806→51,356(14,550)は、ネットロングへ変化して5週間過ぎましたが、ロングが拡大する流れに変化は見られません。オプションのリスクリバーサルでは、1WeekではAUDプットからコールへ、そしてプットへと変化しながらも、1Month超では最近の豪ドル高を反映してプットが低下しつつあります。

 

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今週の主な材料(7月24日~28日)米GDPとFOMCがメインイベント

 

主要国間の金融政策の動きと違いで相場が動くことは最近の常となっています。そのため、今週も引き続き中銀関係者の発言と金融政策とそれに直結する経済指標には十分注意が必要となっています。

 

FOMC(7/26)は今週の重要なイベントの一つで金融政策の据え置きがほぼ間違いないと思われていますが、9月、12月の金融政策の変化について示唆する動きがあるのでしょうか? 

 

CMEのFedWatchではFFレート1.0~1.25%に据え置く可能性が96.9%と確実しされていますが、最近の米長期債利回りは低下気味の中、今後の見通しに関する声明に関して注目度は高いものがあります。

 

今週は、第2四半期のGDP速報値の発表も多く、米国(7/28)、英国(7/26)、カナダ(7/28)時筋のみならず投資家も注目しています。

 

米GDPは弱かった前期から大幅上昇が見込まれており(前年比1.4→2.5%)、英国は低下が見込まれています(前年比2.0→1.7%)。カナダGDPの前月比予想は横ばいですが(0.2%)、前年比では大幅な上昇が予想されています(3.3→4.2%)。7月12日にカナダ中銀が利上げ実施し追加利上げが期待される中で注目されることは間違いありません。

 

金融政策に直結するCPIでは、豪州(7/26)、日本(7/28)が予定されています。豪州CPIの予想は前期比で低下(0.5→0.4%)、前年比で上昇(2.1→2.25)、コア前月比は横ばい(0.5%)、前年比で低下(-1.9→-1.8%)と複雑です。ちなみに、日本のCPIは前回と変わらずの予想で(前年比0.4%、コア0.4%)、東京都区部CPIは若干の増加が見込まれています。

 

先日デベル豪中銀副総裁が豪ドル高と利上げ期待をけん制した発言をしていましたが、今週はロウ豪中銀総裁(7/26)の発言があり注目せざるを得ません。

 

米大統領選当時のロシア疑惑に関しては、報道の割には為替相場へのインパクトはそれほど大きくはなっていませんが、トランプ大統領の側近中の側近でもある、クシュナー上級顧問(7/24)、トランプJr・マナフォート選対本部長(7/26)の議会公聴会も市場は関心を持って見守っています。

 

重要なイベント
1.【FOMC(7/26)】
2.【米国GDP(7/28)】
3.【豪州CPI(7/26)】
4.【英国GDP(7/26)】
5.【日本CPI(7/28)】
6. 【カナダGDP(7/28)】
7. 【トランプJr・マナフォート選対本部長の議会公聴会(7/26)】
8. 【クシュナー上級顧問の非公開議会公聴会(7/24)】
9. 【OPEC加盟国・非加盟国の閣僚会議(7/24)】

 

米経済指標
1.【中古住宅販売(7/24)】
2.【マークイットPMI(7/24)】
3.【消費者信頼感(7/25)】
4.【新築住宅販売(7/26)】
5.【耐久財受注(7/27)】
6.【新規失業保険申請件数(7/27)】
7. 【卸売在庫(7/27)】
8. 【GDP(7/28)】
9. 【ミシガン大学消費者信頼感指数(7/28)】

 

中銀関係
1.【ホールデンBOE政策委員(7/26)】
2.【ロウ豪中銀総裁(7/26)】
3.【カシュカリ連銀総裁(7/28)】
4.【トルコ中銀金融政策(7/27)】
5.【(7/2)】

 

詳しくは別表をご覧ください。

 

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7/17
2017

今週の為替相場を考える(7月17日~21日)

最近の為替相場の変動は株式より金利に反応することが多く、7月12日のイエレンFRB議長の議会証言で「バランスシートの縮小を急ぐ一方で、追加利上げは慎重に判断」と、利上げに対してアクセルから足を離す状況へと変化したことで特にAUD+NZD+GBP+CAD+JPYで上昇の流れが強まっています。

 

今週の主な材料でも記載していますが、今週は金融政策と金融政策への影響度が高いインフレ・雇用指標の発表が非常に多くなっており、それぞれで為替相場が変動することは避けられそうにありません。(金融政策=ECB・日銀と豪中銀議事録、CPI=英国・カナダ・NZ、雇用統計=豪州)

 

先週末の弱い米CPIと小売や消費者マインドに米利上げ期待度は弱まり、米10年債利回りは2.386→2.330%へ、2年債も1.399→1.356%へと低下、逆に、独10年債利回りは0.573→0.597%へ、英10年債利回りも1.305→1.310%へ、カナダ10年債利回りは1.879→1.895%と上昇し、金利差の縮小がドル売り圧力となっています。

 

CME FedWatchでは12月13日の利上げ期待度は47.3→43.1%まで低下しています。米国は利上げレースに先行しながらも慎重になりやすく、他の主要国がじわじわと緩和縮小レースに迫っていることで、ドルインデックス(DXY)は昨年11月のトランプ米大統領の選出時の11月の水準99台を大きく割り込み95.10と昨年8月の水準まで下落している要因と思われます。

 

また、IMM通貨先物の主要7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイス、カナダドル、豪ドル、NZドル)のネットポジションは、前週の-3,277→+7,840とネットでプラスへと転換。2016年5月24日の週から60週間続いたネットショート(ドル高思考)に変化がみられました。

 

このように、今週はメインとなる金融政策とそれに絡む経済指標に十分注意を払ったポジションテークをする必要がありそうです。

 

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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】

 

◎USDJPY【予想レンジ 111.80~113.50】

 

USDJPYは、金利差相場の中で他の主要国との金融政策の違いを注目した円安に備えた円ショートが拡大した中で、イエレンFRB議長の発言や先週金曜日の弱い米CPIと小売を受けた米金利の低下にトレンドラインのブレークでドル売りへと変化しています。

 

米金利の低下傾向が長引くようであれば話は別ですが、現状ではテクニカル売買でフットワークが軽い短期投機筋と円ショートの巻き戻しによる円買い以外の材料は考えにくいと思われます。

 

DailyのStochRSIは、K32.839、D71.583と売りに変化してからその流れの継続中となっています。200日MAは111.566にあり引き続き上昇を続け、LowとUpperはそれぞれ111.07~112.06にあり、この水準を割り込むまでは中長期の円安トレンドの変化も期待できそうにありません。

 

IMM通貨先物では、【円】-75,036→-112,125(-37,089)と、今週も円の一人負け。主要国の金融政策の違いがポジションにも表れ、ネットではショートNO.1で唯一ショートが拡大していますが、7月11日時点のデータで、その後円高が加速していることを考えれば、円ショートの拡大は収まっていること思われます。オプションの1Month リスクリバーサルでは、円コールオーバーで0.82→1.05とオプションの世界では円高を支持する動きが強まっています。

 

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◎EURUSD【予想レンジ 1.1350~1.1500→1.1600】

 

今週のECB理事会やドラギ総裁発言では、将来のQEの縮小をほのめかす内容が期待されます。独10年債利回りを含め欧州主要国の債券利回りは上昇傾向にあり、米国のとの金利差縮小がEURにとってフォローの風となっています。

 

今週に入っても1.1500の大台を超えられず上値は重いのですが下げ幅も限定的です。1.14割れか買い=1.1470台は売りと狭いレンジで推移し、足踏み状態が続いていますが、いずれは上値を試す動きが期待できます。

 

DailyのStochRSIは、K48.858、D59.5933で、売りを継続中ですが、先週と同じく逆にEURUSDの下げ幅は限定的で緩やかな上昇傾向を維持し逆向現象中となっています。200日MAは1.0841と遥か下に位置し、36日MAは1.1277でこれを大底として上昇傾向が維持されています。

 

IMM通貨先物では、【ユーロ】77,464→83,788(6,324)と再びユーロのロングが急拡大しています。6月13日の79,053コントラクトのロングポジションを上回り、引き続きドル売りをリードしロングは他を圧倒しNO.1。オプションの1Month リスクリバーサルでは、ユーロコールオーバーで前週の0.30→0.35とさらにその傾向が強まっています。

 

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◎GBPUSD【予想レンジ 1.3000~1.3250】

 

カーニーBOE総裁の発言で上昇したGBPロングの調整も終わり、GBPUSDは1.3100台を達成。遅かれ早かれBOEの債券買い枠の縮小は変わらず、英消費者物価でインフレ拡大が示されれば更なる上昇も。

 

DailyのStochRSIは、K42.66 、D60.24で、7月5日に売り変化したから久々買いへと変化していますが、水準はニュートラルに近く強い上昇は期待できそうにありません。200日MAは1.2553と遥か下に位置し、36日MAは1.2848でこの水準をボトムに上昇を維持しています。終値ベースでは過去に超えられなかった1.3050を上回り昨年9月の水準へと上昇したことで、上昇の流れが続きそうです。

 

IMM通貨先物では、【ポンド】-27,767→-24,138(3,629)とショートが小幅低下しています。煮え切らないポンドですが、ユーロがロングへと変化しても、なかなかロングへ転換できずにいます。ただ、ネットポジションは再び減少傾向にあり先週同様に弱さは感じられません。オプションの1Month リスクリバーサルでは、0.30→0.30と変わらずで、オプションの世界では相変わらずポンド弱気ムードが支配される中でスローな動きを継続しています。

 

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今週の主な材料(7月17日~21日)

 

主要国の金融政策の違いがいつもながら金利と為替相場に反応する状態は変わらっていません。とくにこれからの夏休み時期のパーキング資金は高金利が選好されることが考えられ、「金融政策=相場変動は当面変わりそうにありません。

 

先週はカナダ中銀が米国に次いで2番目に利上げを決定したことで、カナダドル高が進んでいます。7月21日はカナダのCPIと小売売上高の発表があり市場はやや弱い数字を予想しています。仮に強い結果になれば、少し先のことになりますが次回9月6日にも追加利上げの期待度が高まることでしょう。

 

7月20日のECB理事会やドラギECB総裁の記者会見で「インフレ見通しが改善しQEを見直す」ことを示唆するのでしょうか? 13日のWSJ紙は「ECBは来年から資産を段階的に縮小する方針」と報道しており、9月7日の次回理事会で来年から月額600億ユーロの債券買い入れの縮小が始まる期待感に強まっています。

 

7月18日には7月4日の豪中銀金融政策委員会の議事録が発表されます。4日の委員会では緩和策の解除期待が裏切られ、一時豪ドル売り強まっていました。その議事録が公開され内容が非常に注目されます。また、20日の豪雇用統計ではやや弱い数字が予想されていますが、仮に強く出ることになでもなれば、8月1日の金融政策委員会で緩和策の縮小を期待する動きが強まることでしょう。

 

7月20日には日銀の金融政策決定会合があり、金融政策の据え置きが予想されます。7月7日に日銀は10年債利回りが0.1%を超えた段階で、固定利回りで債券を無制限に買い入れる指値オペを実施。黒田日銀総裁も緩和策の継続を示唆しており、金融政策の据え置き=円の一人負けの状況が続く可能性が高くなっています。

 

7月18日には英CPIの発表があります。前月比はやや弱い数字の予想となっていますが、それ以外は前回と変わらずの予想となっています。12日の英雇用統計では失業率が1975年来の低水準で、平均賃金の伸びもまずまずで、賃金の伸びが上向きインフレ率を引き上げるとの懸念も残っています。今回のCPIの結果が8月3日のBOEの金融政策委員会に期待をつなげることになるのでしょうか?

 

7月18日にはNZのCPIの発表があります。第2四半期のCPIで予想とのかい離が大きく相場変動が一時的に高まることが予想されます。また、この結果を受けて8月10日にはNZの政策金利と金融政策の見直し期待度
がどのように変化するのでしょうか? 6月22日には「中立的な金融政策との文言を削除」していたこともあり、仮に強い数字ともなれば緩和策への変更期待度はさらに高まることでしょう。

 

重要なイベント
1.【ECB理事会とドラギECB総裁の記者会見(7/20)
2.【英消費者物価指数(7/18)】
3.【豪雇用統計(7/20)】
4.【カナダ消費者物価指数&栗売上高(7/21)】
5.【日銀金融政策決定会合&黒田総裁の記者会見(7/20)】
6. 【豪中銀議事録(7/18)】
7. 【NZ中銀消費者物価指数(7/18)】
8. 【中国第2四半期GDP(7/17)】

 

米経済指標
1.【NY連銀製造業景況指数(7/17)】
2.【輸入物価指数(7/18)】
3.【住宅着工&建設許可件数(7/19)】
4.【新規失業保険申請件数(7/20)】
5.【フィラデルフィア連銀製造業景気指数(7/20)】
6. 【景気先行指標(7/20)】

 

中銀関係者発言
1. 【デベル豪中銀総裁候補&ブロック豪中銀総裁候補講演(7/21)】

 

詳しくは別表をご覧ください。

 

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7/10
2017

今週の為替相場を考える(7月10日~14日)

最近の為替相場は中銀の金融政策の変化に反応し、ユーロ高+カナダドル高+円安の流れの継続を予想。

 

6月14日にFRBは利上げを実施、6月下旬のECB(含むBOE)の緩和縮小の観測を受け、特に独債券利回りが急騰しドルが急落の反動により、7月に入ってからのカナダドルの上昇を除き、全体的にはドルが予想外に健闘していますが、一時的な動きで再びドル売り傾向の再開が予想されます。また、CFTCのIMM通貨先物の主要7か国のネットポジションは59週間ぶりに通貨ショートから変化する(ドル高→ドル安思考)可能性が強まっていることも気になります。

 

利上げを開始しているFRBを筆頭に、世界的に金利上昇の傾向が続く中で、ECBの緩和策縮小の可能性を意識し、先週の独10年債利回りは昨年1月中旬の水準となる0.57%近くへと上昇、EURUSDも底堅く1.14台を維持、IMMのポジションでもユーロのロングは拡大傾向にあり、オプションのリスクリバーサルでもEURUSDはEURコールオーバーで市場参加者の上昇期待は強いものがあります。

 

傾向としては、カナダドルの上昇が続いています。6月中旬にボロズ・カナダ中銀総裁とウィルキンス・カナダ中銀副総裁と立て続けに刺激策の縮小の可能性をほのめかす発言から火が付き、原油価格の変動にとらわれない新たなカナダドル高の動きがスタートし、先週は昨年8月以来のカナダドル高で推移しています。

 

6月30日のGDPの伸びは弱かったのですが、ボロズ総裁からも成長の鈍化は長く続かずとのお墨付きを得、7月7日の強い雇用統計を受けカナダドルは続伸しています。今週12日のカナダ中銀は政策金利0.5%を据え置くと予想されていますが、タカ派の声明分を意識した流れが継続する可能性が高くなっています。ただし、いつものセオリーですが短期的にはひとまずの材料出尽くし感でカナダドルのロングをクローズする動きにも対応する必要がありそうです。

 

一方、一人負けの円はポジションの偏りと、G20の日米首脳会談を受けた日米2国間の貿易赤字の今後の対応(市場参加者が気にすることもあります)以外に買い材料は乏しい状態が続いています。主要国の利上げや緩和の縮小観測の影響と、日銀の超スローな緩和解消策に円は全面安の動きとなり、今後もこの流れが続きそうで、日銀から明確な緩和縮小のプロセスが発表されるまでは、円安傾向の大きな変化は期待できにくい状況となっています。

 

政治的に不安定なポンドは、3名のBOE政策委員の利上げ支持とハルデーンBOEチーフエコノミストのタカ派発言、さらにカーニーBOE総裁の『英経済が完全稼動の状態に近づくにつれ利上げを実施する必要が出てくる可能性があり、数カ月以内に利上げを討議する』とのタカ派発言を受けGBP高も、英長期金利の反応は鈍く、弱い英経済指標もあり緩和縮小は来年以降との思惑が強まっています。GBPUSDも6月末の1.3030を高値に先週も1.300の壁を超えられず1.2860台まで弱含みで推移しています。

 

さて、今週の主な材料でも記載していますが、今週の台風の目となるのは、イエレンFRB議長の議会証言(下院 7/12)&(上院 7/13)と、カナダ中銀金融政策(7/12)、ボロズ・カナダ中銀総裁、ウィルキンス・カナダ中銀副総裁の記者会見(7/12)、英雇用統計(7/12)、ハルデーンBOE・チーフエコノミスト、ブロードベントBOE副総裁講演(7/11)は非常に重要で、相場変動が高くなることが予想されます。

 

イエレンFRB議長の議会証言ですが、先週末の7月7日に半期に一度の金融政策レポートを既に提出しており、この内容に沿った発言になることが予想されます。報道からはFRBのバランスシートの縮小や追加利上げの期待は裏切られそうにありません(詳細は別途、今週の主な材料を参照)。

 

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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】

 

◎USDJPY【予想レンジ 113.30~114.80】

 

先週末の日銀の指し値オペで、10年債利回りの上限0.10%を死守する動きに円売りが加速していますが、WSJ紙でも掲載されている通り『市場を動揺させない緩和解消策』を目指す日銀のようです。米国は資産の縮小と追加利上げ、BOE、ECB、BOCと緩和の縮小が期待できる中での比較となれば、円に分がないことがわかります。一方『株高=円安』の方程式も大きく崩れることはなく、円の定番となっている『金利差=緩やかな円安』と、『有事=激しい円高』の方程式も有効で、とりえず『緩やかな円安』の継続を意識した流れを意識したいと思います。

 

円高になるリスクとしては、クロス全体で円ショートが拡大しており、何かの材料をきっかけにショートカバーが一斉に始まるリスクです。直近の材料としてはG20後の日米首脳会談でご利上げられた日米間の貿易不均衡の問題による円安阻止の可能性ですが、要人発言だけを注意しておきましょう。

 

IMMのポジションからは、【円】-61,350→-75,036(-13,686)と、円一人負け、主要国の金融政策の違いがポジションにも表れ、ネットではショートNO.1で主要7か国通貨では唯一ショートが拡大しています。  USDJPYオプションでは、1Month VOLは先週末8.27→8.35%と上昇、RRは円コールオーバーで0.85→0.82へと低下しており、円の先高感が弱まる傾向にあります。

 

USDJPYのStochRSIのDailyは、K92.05、D94.72と買われ過ぎゾーンで売りに変化していますが、プライスは逆に上昇する動きで、強い上昇傾向を示唆した場合の動きとなっています。200日MAは111.33に、36日MAは111.39とほぼ接近し、新たな円安傾向の始まりを示唆している可能性が高まっています。

 

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◎EURUSD【予想レンジ 1.1300~1.1450→1.1600】

 

ユーロ円の政局は安定しECBの緩和縮小観測は強く、独10年債利回りの上昇はどうしても気になります。4月に入って米・独10年債利回りのスプレッドは2.15%近くありましたが、先週末では1.81%まで縮小しこの傾向が続く可能性が高く、結果的にはユーロの上昇圧力へとつながっています。

 

Dailyチャートでは、6月下旬来の高値1.1445でダブルトップになるのか、それとも1.1300をボトムにダブルボトムのなるのでしょうか? 非常に迷うところです。Weeklyチャートでは2週連続し1.14台でクローズするも、1.1445を超えられず下髭は1.11台→1.13台へと上昇し、底堅い動きで流れは上向きといえますが、1.1450を2週連続で超えられなかった反動が気になります。

 

EURUSDのStochRSIのDailyは、K61.55、D79.77で7月4日から売りを継続していますが有効とは言えず、200日MAは遥か下方の1.0830にあり、36日MAは1.1247にありこの水準を下限に上昇傾向を維持しています。

 

IMMのポジションからは、【ユーロ】58,695→77,464(18,769)と、再びユーロのロングが急拡大。引き続きドル売りをリードしロングは他を圧倒しNO.1で、主要7か国の通貨でも最もロングが大きくなっています。 EURUSDのオプションでは、1Month VOLは先週末6.75→6.80%とほぼ変わらず。RRはユーロコールオーバーで、0.35→0.30%と若干低下気味となっています。

 

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◎GBPUSD【予想レンジ 1.2700←1.2800~1.2950】

 

7月5日に第1四半期の労働生産性は前期比-0.5%に低下し、2015年後半以来の落ち込みとなったのに続き、7日には予想外のマイナスとなったハリファックス住宅価格、弱い鉱工業生産・製造業生産、貿易赤字の拡大と、BOEの緩和縮小期待をはねつけるような弱い経済指標に、ユーロ高に反しポンドの弱さが目立っています。

 

Dailyチャートでは1.1300台を回復することができず、先週末に急落し先週1週間の安値を更新したことが気になります。Weeklyチャートではハラミがみられ1.13をバックにして戻り売り圧力が強まる可能性が気になります。

 

GBPUSDのStochRSIのDailyは、K68.59 D79.91と4日から売りへと変化しています。200日MAは1.2551と遥か下に位置しますが、36日MAは1.2855にあり、この水準を試す動きも考えられ割り込むと36日MA(安値ベース)の1.2805がポイントとなり、これを割り込むと続落の可能性が高まります。

 

IMMのポジションからは、【ポンド】-39,133→-27,767(11,366)と、ユーロがロングへと変化しても、なかなかロングへ転換できずにいます。ただ、ネットポジションは再び減少傾向にあり弱さはそれほど感じられません。 GBPUSDのオプションでは、1Month VOLは先週末7.65→7.45へ低下、RRはポンドプットオーバーで、0.15→0.3へ拡大し市場の弱気はセンチメントを表しています。

 

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今週の主な材料(7月10日~14日)

 

主要国の金融政策の違いが為替相場の変動要因。最近は量的緩和の縮小や利上げできる国の通貨は上昇、逆にできない円は弱いという、比較的わかりやすい流れが続いています。今週は、イエレンFRB議長の議会証言、カナダ中銀の金融政策と、FRB関係者はもちろんのこと、カナダ中銀、BOE関係者の発言が重要です。

 

イエレンFRB議長の議会証言に関しては、7日にFRBは議会に対して半期に一度の金融政策レポートを既に提出しており、この内容に沿った発言になることが予想されます。以下はローター等の報道から抜粋したのもですが、FRBのバランスシートの縮小や追加利上げの期待は裏切られそうにありません。

 

『米経済は着実に拡大を続け、雇用情勢は引き続き改善。投資や消費者信頼感は健全な状況にあり、金融市場に目立ったリスクの兆候はみられない。ただし、長期債の利回り急上昇やMMFによる国債・政府機関債への売りなど、債券市場を巡るリスクには言及しています』

 

『株価が最高値圏で推移し、金利や信用状況がなお緩和的な状態にあるものの、社債を含む債券市場には流動性の逼迫を示す兆しは存在せず、資産価値の上昇が問題を引き起こす兆候も確認されず』

 

『米金融システムの脆弱性は総じて控えめな水準にとどまる。多岐にわたる資産のバリュエーションに対する圧力や投資家のリスク選好度を示す複数の指標は一段と高まったものの、資産市場の動向はレバレッジの高まりを伴っていない』

 

『第1四半期のGDP伸び率とインフレ率は鈍化したが、消費者信頼感は引き続き堅調。企業の投資は持ち直し、住宅市場も緩やかな改善。最近の国外での堅調な動向が米経済成長への追い風となっている』

 

『生産性の低調な伸びが「ニューノーマル(新標準)」となる可能性を長期的な問題と指摘。賃金が依然低調な伸びにとどまっている一因となっている可能性がある』

 

次は、ボロズ、ウィルキンス両氏のタカ派発言から急伸しているカナダドルは、先週末の強い雇用統計でさらに勢い図いています。今週のカナダ中銀の金融政策は政策金利0.5%の据え置きが予想されていますが、声明文はどうなのでしょうか? また、ボロズ、ウィルキンス両氏の発言も予定されており、目が離せません。

 

そして、カーニーBOE総裁のタカ派発言からやや曇りがちな弱い英経済指標が続いていますが、今週の英雇用統計はILO失業率の予想は4.6%で変わらず、平均賃金の伸びが問題になりそうです。その前日にハルデーンBOE・チーフエコノミスト、ブロードベントBOE副総裁講演もありそちらがキーになる可能性もあります。

 

重要なイベント
1.【イエレンFRB議長の議会証言(下院7/12)&(上院7/13)
2.【カナダ中銀金融政策(7/12)】
3.【ボロズ・カナダ中銀総裁、ウィルキンス・カナダ中銀副総裁の記者会見(7/12)】
4.【英雇用統計(7/12)】
5.【ハルデーンBOE・チーフエコノミスト、ブロードベントBOE副総裁講演(7/11)】

 

米経済指標
1.【米CPI&小売売上高&鉱工業生産&企業在庫&ミシガン大消費者信頼感(7/14)】
2.【米PPI&新規失業保険申請件数(7/13)】
3.【米ベージュブック(7/12)】

 

FRB関係者発言
1. 【ウイリアムズSF連銀総裁(7/10)】
2. 【ウイリアムズSF連銀総裁、ブレイナードFRB理事講演、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演(7/11)】
3. 【ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演(7/12)】
4. 【エバンズ・シカゴ連銀総裁、ブレイナードFRB理事講演(7/13)】
5. 【カプラン・ダラス連銀総裁講演(7/14)】

 

その他
1.【中国CPI&PPI(7/10)】
2.【中国貿易収支(7/13)】

 

詳しくは別表をご覧ください。

 

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7/3
2017

今週の為替相場を考える(7月3日~7日)

今週の主な材料でも記載していますが、米国は別格として、英国、ユーロ圏、カナダと緩和的な金融政策を変更する可能性があり、金融緩和を解除が可能な通貨をロングにし、不可能な通貨をショートにする動きが続きやすくなっています。そのため、今週に限らず中銀関係者の発言や、雇用、インフレに関する経済指標に市場は過敏に反応することは避けられそうにありません。

 

前週比ベースでみるとUSDJPY+0.98%とドル買いへ反応するも、GBPUSD+2.01%、GBPUSD+2.42%、AUDUSD+1.51%、NZDUSD+0.71%、そして、USDCAD-2.31%とドル売り傾向は変わらず。円クロスでは、GBPJPY+3.42%、CADJPY+3.36%、EURJPY+3.05%と上昇幅は大きく、結果的にUSDJPY相場よりもクロス円のロングが最も有効的ンであったことがわかります。

 

4日(火)に米国市場は独立記念日で米国市場は休場となり、本来ならポジションの調整に伴う変動が高くなる可能性がありますが、先週金曜日(30日)は月末、期末、週末に重なりすでに十分調整が終了した結果、現在の水準にとどまって可能性に、現在の流れが継続する可能性が高いと判断します。

 

ただ、現時点では杞憂ではありますが、円相場だけは緩やかな円安の継続をしながらもほぼ全通貨に対して円ショート傾向となっていることもあり、ある一点から急激な円高へと下落時のスピード違反的な変動は過去の歴史が証明していることでもあります。

 

為替相場は株価と金利との関連性が高く、米独立記念日の祭日も終わり米サマーバケーションの季節に入り、変化の有無を米金利、米株、為替相場を総合的に見ることにしましょう。

 

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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】

 

◎USDJPY【予想レンジ 111.00~113.00】引き続き安定相場で、円クロスでの変化に注目。

 

欧州の政治的な安定、FRBの継続的な利上げは別格として、ECB、BOE、BOCの緩和縮小の可能性と、一行に改善できない日本のCPIと日銀の緩和解除の動きの鈍さが円売りの要因となっており、日銀短観も今週の注目材料となっています。それと、今週の材料には記載しませんでしたが、安倍政権の支持率の低下は、東京都議会選の結果を受けて改善できるのでしょうか? 

 

結果を見守る必要がありますが支持さらに低下させることにでもなれば、週明け月曜日のオセアニア市場で円売りが強まる可能性が高くなり、逆の場合は円ショートの巻き戻しが強まることになりそうで、ポジション調整が終わるまでは円売りの再開はお預けになりそうです。

 

6月に入ってからの週ベースの変化を見ても、過去1~2週間の主要通貨での円売り圧力は強く、先週だけでCADJPY+3.36%、EURJPY+3.05%、GBPJPY+3.42%上昇しており、いかに円売りが集中していたかがわかると思います。

 

USDJPY StockRSIのDailyは、K=96.81、D=95.89と売りへの変化を警戒、Weeklyは、K=57.36、D=45.81と、中期的なドル買い傾向を示しながらも短期的なドルの買われ過ぎ感を警戒しています。

 

Dailyチャートでは、過去2週間で110.70~112.93のレンジに収まり、先週だけを見ると111.14~112.93のレンジで終値ベースでも先週末の112.38が最も円安水準となっています。意外というのかドル売り相場であり当然のことながら、上値も限定的となっていることがわかります。つまり、ドル円相場の主な変動要因が円クロスによる要因となっていることを考えれば、ドル円だけを議論しても意味が薄いことがわかります。

 

IMMのデータからは、円のネットポジションは-49,959→-61,350とショートが拡大しています。全体的にドルに対する信認が弱まっていますが、円だけは例外で逆にショートの拡大が目立っています。

 

オプションでは、1Month USDJPYのVOLは前週7.3%→8.27%へ拡大し相場変動のリスクが高くなっており、RRは円コールオーバーで0.9→0.85へと低下し、円先高をしめしながらも徐々に弱まってきています。

 

◎EURUSD【予想レンジ 1.1300~1.1500】

 

仏大統領にマクロン氏が選出され、議会選挙でも新党の共和国前進が安定多数を占め、その影響にイタリアやドイツでも政局の安定がみられます。緩和縮小に警戒的なドラギECB総裁が政策を微調整する可能性を示唆したことで、9月7日の理事会で緩和策の縮小観測が強まっていることで、独債券利回りは急伸し、ユーロ資産の買い戻しがユーロ買いの要因の一つとなっていますが、ECB理事会の議事録ではこの期待を裏付けすることができるのでしょうか?

 

今週も欧州主要国の株価が急変しない限りユーロ買い流れに変化があるとは考えにくいものがあり、ユーロロングの一時的な調整売りをこなしながら引き続き上昇傾向を維持すると予想しています。

 

EURUSD StockRSIのDailyは、K=97.09、D=63.27と買いへと変化してから徐々に買われすぎゾーンに入り変化を見守る水準へ近づいています。Weeklyは、K=85.84、D=89.82と一足先に売り変化をしていましたが、先週の上昇に逆に踏みあげられています。

 

200日MA=1.0832、36日=1.1202と共に大幅にかい離しており、買われすぎの警戒感は絶えず残りますが、1.1300の大台を超ええてからは上昇幅を加速し昨年5月上旬の水準にあり、5月3日の高値1.1616が大きな目標となっています。

 

IMMのデータからは、ユーロのネットポジションは44,852→58,695とロングが増加しています。前週は9週間ぶりに前週比でロングが低下しましたが、今回はドラギECB総裁の発言で早期緩和縮小の可能性が高まり再び前週比でロングが増加となりました。

 

オプションでは、1Month EURUSDのVOLは5.65%→6.75%へ急拡大、RRはユーロコールオーバーで0.05→0.35%へ拡大し、ユーロの先高期待を示しています。引き続きオプションでは、EURコールの買いから入り、1.14台半ばからはデルタヘッジをしながら急落時のリスクをある程度カバーした動きも必要となっています。

 

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今週の主な材料(7月3日~7日)

 

イベントランキング
1. 【米独立記念日(7/4)】
2.【米金融政策レポート(7/7)】
3.【FOMC議事録(7/5)】
4.【豪中銀金融政策発表(7/4)】
5.【ECB理事会議事録(7/6)】

 

米経済指標ランキング
1.【米雇用統計(7/7)】
2.【米ISM製造業景況指数(7/3)】
3.【米ISM非製造業景況指数(7/6)】
4.【米貿易収支(7/6)】
5.【米製造業受注指数(7/5)】
6.【米ADP全国雇用者数(7/6)】
7. 【米新規失業保険申請件数(7/6)】

 

発言
1. 【バイトマン独連銀総裁、ノボトニー・オーストリア中銀総裁の会談(7/6)】
2. 【フィッシャーFRB副議長発言(7/7)】
3. 【パウエルFRB理事(7/6)】

 

その他
1.【カナダ雇用統計(7/7)】
2.【日銀短観(7/3)】
3. 【中国財新製造業PMI(7/5)】
4. 【ユーロ圏製造業PMI(7/3)】

 

さあ、2017年も半分が過ぎ後半戦へと突入しましたが、この休日から夏休みに突入する市場参加者が多くなりそうです。今週は4日(火曜)に米独立記念日で米国市場は休場となり通常はポジションの調整に伴う変動が高くなる可能性がありますが、先週金曜日(30日)は月末、期末、週末に重なりすでに十分調整が終了した結果、現在の水準にとどまっている可能性を意識したくなります。

 

定番ですが、今週はFOMC議事録と米雇用統計が非常に重要で、FRBの半期に一度の金融政策レポートも台風の目になる可能性があります。米経済指標では、米ISM製造豪・非製造業景況感指数、製造業受注指数、そして、米財務長官はなんというのでしょうか? 米貿易収支を注目したいと思います。

 

ユーロ圏と英国、カナダでは金融政策の変化が期待されており、米国を含め中銀関係者の発言や消費者物価指数に反応しやすくなっています。また、カナダの雇用統計などこれらの国から発せられる強い雇用やインフレ関係の経済指標に反応しやすくなっており、注意が必要です。

 

詳しくは別表をご覧ください

 

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6/26
2017

今週の為替相場を考える(6月26日~6月30日)

今週で6月も最後となります。為替相場を動かすテーマは焦点が揺らいできていますが、個別の通貨の状況を考えてみたいと思います。

 

ドルは、トランプ米大統領の信認の低下や、政策実行能力の欠如など問われており、インフラ投資や税制改革、国防支出の大幅増加、オバマケアの代案などなどうなったのでしょうか? マイナス材料を探すと多々ありそうですが、FRBの利上げ決定と年内の再利上とバランスシートの縮小開始の期待が潜在的なドルのサポート要員となっており、米株が上昇力を維持しており、米金利がある程度高水準を維持している間は、極端なドル売りも期待できそうにありません。

 

ユーロは、マクロン大統領の誕生と新党「共和国前進」の大躍進で、ユーロ圏の政局安定が見込まれ、ドイツにとってもユーロ安=歴史的貿易黒字の拡大を解消する意味でも、ユーロ高傾向が望まれており、慎重すぎるドラギECB総裁も英国のEU離脱による弊害がEUにとり最小限に留まる見込みとなればQEの解消を進めることでしょう。

 

また、最近の報告ではユーロ圏にヘッジなしでの投資が拡大と報道が目につき、直近では1か月程度で1.09→1.13近くへ急伸したことで、1.1300台から伸び悩み調整局面が続いていますが、押し目では潜在的なユーロ買い要因になっているようにも感じられます。

 

ポンドは、メイ英首相の思惑が完全に外れた総選挙での敗北は今後のEU離脱のプロセスを変化させざるを得ないとの予想が強まっています。市場では「ハード・ブレグジット」から「ソフト・ブレグジット」を目指すとの期待感もありますが、英調査会社ユーカブの世論調査で、野党・労働党のコービン党首の支持率が与党・保守党のメイ首相を初めて上回ったとの報道や、S&Pが英国の格付けをEU離脱交渉の終了前に変更する可能性を示唆するなど、ポンド安要因が多いことがわかります。

 

反面、6月15日のBOE金融政策委員会で、利上げを支持したサンダース氏、マカファーティ氏、フォーブス氏に加え、チーフエコノミストのホールデン氏が「年後半には刺激策の一部解除が望ましい」と発言したことで、8月のBOE金融政策委員会(MPC)で緩和の縮小が示される可能性が高くなっています。

 

また、最近のポンド安による弊害で、雇用の拡大にもかかわらず、成長の鈍化とインフレ圧力の低下が示され、スタグフレーションのリスクを警戒する報告書も目につきます。結局はポンド安の状態は限定的で、英国のEU離脱に現況が少しでもプラスへと変化すれば、ポンド高になりやすい環境にあるように思えてなりません。

 

豪ドルは、最近上昇傾向が続いています。ロウ豪中銀総裁は「6月に入り成長トレンドが見込まれ、インフレは景気回復につれ徐々に上昇する」と発言しています。第1四半期GDPは予想を上回り、前回の急拡大の反動もあり貿易黒字は予想外に減少しましたが、雇用統計では失業率の予想外の低下と就業者数の増加もありました。直近ではロウ中銀総裁は「成長率は最近の水準から今後数年にやや加速する見通し」と強気な発言と、賃金の低い伸び、高水準の家計債務、一部都市での住宅価格上昇が経済の足かせになる」の弱気と強弱混在となり、利食いの売りにAUDUSDはやや値を下げていますが、それでも上昇傾向に留まっていることに間違いありません。

 

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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】(今週も、動きは鈍そうなのですが。USDJPYに的を絞って考えてみましょう!)

 

◎USDJPY【予想レンジ 109.70-110.20~111.90】

 

USDJPYは何を材料にして動くのでしょうか? この問いは前週と同じですが、北朝鮮問題はどこへ? 支持率が低下気味の安倍政権の信認は? 円相場には影響がないとでもいうような日経平均株価の上昇もあり、先週1週間のレンジは110.704~111.786の約70pipsで、日々終値は111.086~111.518と約50pipsの変化に収まっています。

 

市場参加者の円相場の先行き見通しも円ブル派と円ベア派は拮抗しているとの現れなのでしょうか? ただし、最近の円相場を見ると円クロスによる変化で結果的にUSDJPY相場が動いているだけです。最近のレンジからワイドで108.50~112.50のレンジ、狭くは110.00~112.50のレンジからの変化待ちで、それを主導するのは今週も円クロスになりそうです。

 

USDJPYのStockRSIは、Weeklyは、K=43.33、D=46.41とニュートラルに近近く、4時間は、K=37.44、D=42.64 共にニュートラルゾーンありますが、Dailyは、K=92.30、D=92.71で売りへの変化の可能性が高まっています。

 

MAからは、200日SMA=110.74にあり、110.20が終値ベースで下限、111.26が上限にあり、売り圧力が強まった場合には110.20円近くまで値を上げる可能性もありそうです。Weeklyベースでは200週SMA=110.88、下限109.70、上限111.93円で、中期的にこのレンジに収まる可能性もあります。

 

IMM通貨先物の円ポジションでは、円のネットショートは-50,553→-49,959コントラクトとショートは微減していますが、ほぼ変わらず。引き続き過去の長期平均値とほぼ変わらず、方向性は感じられません。USDJPYのオプションでが、1か月のボラティリティは前週7.80%→7.3%まで低下、1か月のリスクリバーサルではドルプットオーバーで、0.65→0.9まで拡大、1週間も0.3→0.7へと円高への圧力を意識しています。

 

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今週の主な材料(6月26日~6月30日)

 

先週アトランタの米下院補欠選挙で共和党が勝利したことで、トランプ大統領の信認が回復との期待も直後はありましたが現実はどうなのでしょうか? 今週中に米上院で採決と思われているヘルスケア代替法案ですが、直近では4人の共和党保守派の議員が反対を表明しており、可決することができるか注目しましょう。

 

WSJ紙によると最近のモンマス大学の世論調査では、トランプ大統領の支持率は41→34%低下、不支持率は46→54%へ拡大とあり、仮に可決することができなければ、さらに支持率が低下する可能性も否定できません。

 

6月27日にはイエレンFRB議長がロンドンでグローバルエコノミックについて講演します。FRB内では最近の強気な利上げ継続とバランスシートの縮小開始についてどのような発言をするのか、一部では慎重発言もあり注目しましょう。

 

事前に注目するコメントは少ないのですが、6/27~29日にダボス・世界経済フォーラム、夏季ダボス会議が中国で開催されますが、注目度は高くありません。 ただ、同じ日程の6/27~29日にECBフォーラムがポルトガルのシントラで開催され、予定ではドラギECB総裁、カーニーBOE総裁、黒田日銀総裁、バーナンキ前FRB議長が参加となっています。彼らの発言も気になります。

 

6月27日には事前に注目する動きは見られませんが、BOEの金融安定性レポートの公表で、緩和縮小に関して歯止め役のカーニーBOE総裁の発言も予定されており、注目したいと思います。

 

6月28日には、ボロズ・カナダ中銀総裁講演ですが、6月12日にウィルキンス・カナダ中銀上級副総裁が、13日にボロズ・カナダ中銀総裁が、金利引き締めを示唆する発言をし、カナダドル相場が急伸した経緯もあり、発言内容が注目されます。

 

米国発の経済指標では、

 

米個人消費支出の価格指数とコアの価格指数が注目されます。予想では個人消費支出・価格指数の前年比予想1.5%と前回1.7%から低下が、コア前年比も1.4%と前回1.5%から低下が見込まれ、この数字が予想外に低い米金利の低下とドル安につながる可能性もあります。

 

米GDPは2度目の改定で確報値となります。前期比年率の予想は1.2%と前回の改定しや速報値と変わらず、その他のデフレーターやコアPCE価格指数も前年比2.1%と前回と同じ数字となっており、サプライズは期待できそうにありません。

 

米耐久財受注は速報値ですが、前月比-0.5%と前回-0.8%、除く輸送機器・前月比は0.3%と前回-0.5%から改善が予想されています。また、コア資本財受注は予想0.2%と前回0.0%から改善が見込まれています。

 

米CB消費者信頼感指数は予想116.9 前回117.9と拡大が見込まれており、現況指数前回140.7、期待指数前回102.6、インフレ調査1年先4.7%からの変化が注目されます。

 

ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値=は予想94.5 前回94.5と横ばいが予想されています。景気現況指数は前回109.6、消費者期待指数は前回84.7、前回の1年先のインフレ期待は2.6%となっており、この変化も注目されます。

 

米国以外では、日本の全国消費者物価指数は、前年比予想0.5% 前回0.4%、除く生鮮・前年比予想0.4% 前回0.3%、除く生鮮・エネルギー=予想0.1% 前回0.0%と若干ですが上昇が期待されています。

 

カナダGDPでは、月次GDP=予想0.2% 前回0.5%、前年比予想3.3% 前回3.2%と前月比では低下が予想されていますが、前年比では若干の上昇が見込まれています。

 

イベント
1.【ヘルスケア代替法案の上院共和党採決の予定(今週中)】
2.【イエレンFRB議長グローバルエコノミックについて講演(6/27)】
3.【ECBフォーラム・ポルトガル(6/27~29】)
4.【BOE金融安定性レポート(6/27)】
5.【ボロズ・カナダ中銀総裁講演(6/28)】
6.【夏季ダボス会議・中国(6/27~29)】

 

米経済指標
1.【米耐久財受注・速報値(6/26)】
2.【米第1四半期GDP・確報値(6/29)】
3.【米個人消費支出・価格指数、コア価格指数(6/30)】
4.【米CB消費者信頼感指数(6/27)】
5.【シカゴ購買部協会指数(6/30)】
6.【ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値(6/30)】

 

米国以外の経済指標
7.【日本全国CPI(6/30)】
8.【カナダGDP(6/30)】

 

詳しくは、別表をご覧ください。

 

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太田 二郎

FXストラテジスト 太田 二郎(ohta jiro)

FXのスタートはすでに35年近く前に遡る。外資系銀行でFXを学び現在に至る。米 系・英系・独系・オランダ系の外銀を経て、日本のFXリテー ル・ビジネスの草 分けとして米系支店の設立を経て、多くの個人投資家と関わりをもち、現在に至 る。現在は投資助言会社の業務部長を兼任し、頻度は 少ないながらも、セミ ナー講師をし、業界紙へFXコメントを掲載中。
信条は、「Once a dealer, always a dealer」教訓は、「FX Dealerは、全ての 面で人の手本となるべき」