ホーム > コラムの泉 > 現役チーフアナリスト武市の勝率UPに導くテクニカル手法

迷ったらココ!期間限定

3/24
2017

絵に描いたような“事実で売る”、ただ尾ひれがついて“少々下げ過ぎ”…!?

 前回、懸念した「噂で買って、事実で売る(Buy the rumor, sell the fact)」は、まさに“絵に描いたように”炸裂しました。想定していたよりも大きな下落につながっており、せっかく突破した“ネックライン(2/15高値:114.944円 ①)”を割り込むと“日足・一目均衡表先行スパン下限&50/20/100日移動平均線(②)”をも割り込み、あれよあれよという間に110円台へと下落しています(③)。

 

20170324take1

 

 利上げをキッカケにした下落は、昨年12月FOMC時に次いで2回目です。この際は “約2ヶ月”そして“およそ7円”の下落をもたらしました(④)。今回も同じとは限りませんが、「しばらく下落は続く」との懸念は頭をよぎるところです。特に「米10年債利回りの低下」に続き「森友問題」「オバマケア代替法案」等、ドル売り材料は次々と持ち出されており、テクニカル的にも決して芳しいとはいえません。「トランプラリーの半値押し(16/11/9~16/12/15の50%押し:109.924円 ⑤)」も目前という水準でもありますので、仮に割り込むと“同61.8%押し(107.863円 ⑥)”まで覚悟せざるを得なくなってきます。

 

20170324take2

 

もっとも前回と異なるのは、現在が“年度末”に差し掛かっているということです。政府・日銀は「円高にしたくない」が本音でしょうし、「ドレッシング買い」への思惑(期待)も残っています。ドル売りを直接けん引している“米10年債利回りの低下”にしても、「期末を睨んだ米国債売り(投げ売りとの噂あり?)⇒金利急上昇」が一巡するタイミングで前記「事実で売る」が重なり、これが現在の「金利急低下」と考えることが可能です。この見方が正しいとすれば、「米国債買いが積み上がったわけではない」ということになり、つまりは“金利低下は自ずと限界あり”ということにもなってきます。

 

20170324take3

 

テクニカル的に見ると、すでに“8営業日連続”で“陰線”を描いており(⑦)、“一旦調整が入る日柄(タイミング)”と見るのが自然です。本日は週末にも当りますので、なおさらです。延期されている“オバマケア代替法案”の採決が“再び延期”ともなればもう一段のドル売りも考えざるを得ませんが、“森友問題”も含めて「どうやら一段落した模様」。…となると“大型減税”“インフラ投資”“規制緩和”への道筋が見えてくやすく、少なくとも“そう見る思惑は台頭しやすい”と考えることが可能です。

 

12月時と比べて“日柄(8営業日)”“値幅(5円弱)”と共に足りませんが、あくまでも「過度の利上げ観測の後退」が下落のキッカケであり、「利上げ観測の後退」ではありません。「米利上げプロセスが停止」ともなればまた話は変わってきますが、日米金融政策が逆方向を向いている以上、その他要因さえ落ち着けば「ドルが巻き戻される可能性は十分」…?

 

20170324take4

 

リスク要因が払拭されたわけではありませんので、“下落の懸念”を完全に拭い去ることができませんが、目先“100/50/20日移動平均線&日足・一目均衡表先行スパン下限が並ぶ113.30-50円水準(⑧)”、少なくとも “今回の下落の半値戻し(3/10~3/23の50%戻し:113.056円 ⑨)”辺りへの戻りは期待したいところです。

 

(2017年3月24日執筆)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • シェアする
  • 【この記事のURL】
3/10
2017

まさに“教科書的な上方ブレイク” ‐ ただし目先は“事実で売る”への警戒が必要…?

 前回コラム執筆後、マーケットは“米3月利上げ”を急速に織り込みにかかりました。 “20%”にも満たなかった「3月利上げの可能性(織り込み度)」は“すでに90%超”に達しており、次回FOMC(3月14-15日)での25bp利上げは“ほぼ確実視”される状況となっています。これを織り込む過程の中、先行スパンの雲の下に押し出されたドル円は急速に下げ渋り、本日(10日)にかけて115円台へと切り返しました。

 

20170310take1

 

 変化日とされる“(日足・一目均衡表先行スパンの)雲のネジレ”から綺麗に上抜けた(①)格好だけに、まさに“教科書通りの上方ブレイク”といえそうです。また週足・月足では雲の上で元々推移してきた(②、③)だけに、「バイアスは上方向にかかりやすくなった」と考えることも可能ということになります。

 

20170310take2

 

 さらに今回の上抜けは、「2/7安値(111.586円)/2/28安値(111.699円)のダブルボトム(④)も完成(ネックラインは2/15高値:114.944円 ⑤)」させた格好となります。なおさら“この傾向に拍車がかかる”可能性を秘めていると考えることが可能ということになります。“16/12/15高値:118.658円~17/2/7安値:111.586円の61.8%戻し(115.956円 ⑥)”を経て、“同100%戻し(118.658円 ⑦)”への期待は、膨らむばかりです。

 

20170310take3

 

 もっとも「織り込み度合いが急過ぎる」のは、少々気になるところです。今週初には「利上げは織り込み済」が囃され、小緩む場面も見られました。この時は杞憂に終わりましたが、“織り込み済”を囃すには“実際の利上げが必要”と考えると、“実際に利上げが行われればこの限りではない”ということにもなります。

 

 “3月利上げ”から“今年の利上げ回数(昨年12月のドットチャートでは年3回)”へと、マーケットの関心はすでに移行したと見られるだけに、個人的には大きく崩れるとは見ておりません。このため前記バイアスへの期待は大きいものがありますが、FOMC直後には「噂で買って、事実で売る(Buy the rumor, sell the fact)」を十分に警戒しておきたいところです。現時点における基本は、突破した“ネックライン(2/15高値:114.944円)”を支持ラインとして機能させることができるか…?を鑑みつつ、“押し目買い継続”“下がったところは丁寧に買い拾い”と見たいところです。

 

(2017年3月10日執筆)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • シェアする
  • 【この記事のURL】
2/24
2017

ドル/円 、動き出すのは“もう少し先”…? -本日“変化日”を迎えるのはユーロ/ポンド

“方向性の定まらない”展開は、思った以上に長引いている印象があります。

 

 “米早期利上げ観測”は根強いものがあるものの、金利先物から見た“3月利上げの可能性(織り込み度)”は一向に上がっておりません。FOMC議事録では「かなり早期の利上げが適切」と示されていますので大きく売り込まれるリスクは逓減していますが、それでも“米早期利上げ観測”囃したフローは後退しやすいと考えるのが自然ということになります。

 

 「2-3週間以内に驚くべき税制案を発表」に対する思惑(期待)も、ここに来て頭打ちとなっています。トランプ議会演説(通常の一般教書演説に該当:28日)を控えて“高まりやすく”なっていたのは事実ですが、「8月までに大胆な税制改革を実施」とのムニューチン米財務長官発言が、この思惑を後退させたからです。詳細が明らかになったわけではありませんので“失望を誘う”に発展することはないと思いますが、こちらを囃すフローも目先は減退しやすいと考えるのが自然です。

 

 “ドル水準”に関しても、ムニューチン米財務長官は「強いドルは米経済への信頼を反映(22日)/ドル高には一定の問題(23日)」と相反する発言をしています。“長期/短期の違い”こそあり、“短期筋のドル買い”に調整を促すのは十分だったといえますが、トレンドを伴った動きへの発展は期待薄ということになります。

 

20170224take1

 

 50日移動平均線に“115円ライン突破”を阻まれ(①)、そして“長い上髭”を描いて反落(②)した格好を考えると、“目先の上値は重い”と判断するのは自然な流れです。しかし一目均衡表の分厚い雲の中で推移をし続けている(③)状況を鑑みれば、“まだ方向性は定まっていない”“依然としてレンジ内で揺れ動き”と判断するのも、これまた自然な流れということになります。

 

 “反転もしくは加速”の可能性が高いとされるのが、“雲のネジレ(変化日)”です。これを来月8-9日に控えている(④)中、ドル円のボラティリティは低下しつつあります。…となると、“上値の重さ”ばかりに目がいきがちですが、現在は“エネルギーを貯めている”と見るのが自然です。それでいてレンジ下限と見られる“7日安値(111.586円)”水準には“100日移動平均線(本日は111.583円 ⑤)”がすでに到達してきています。

 

20170224take2

 

 前回も記したように、“週足・一目均衡表先行スパンの雲上限(111.314円)”は“トランプラリーの初押し(11/28安値:111.351円)とほぼ合致しています(⑥)。これは下方向を窺うには「大きな関門」です。 “もう少し時間がかかる”かもしれませんが、明確に割り込まない限り「過度な悲観は必要なし」と考えたいところです。

 

20170224take3

 

 目先、ドル円の変動が小幅となりかねないだけに、その他通貨ペアを一つチョイス…。マイナー通貨の一つであるユーロ/ポンドは、前記“雲のネジレ(変化日)”を迎えています(⑦)。 “反転もしくは加速”のいずれになるかは現時点ではわかりかねますが、大きく変動する可能性が囁かれています。そうした中、長らくサポートラインとして機能してきた“200日移動平均線(同0.84733ドル)”を明確に割り込みました(⑧)。その後は“急反発⇒再下落”と方向性が定まらない動きを見せていますが、ユーロには仏大統領選を巡る不透明感が付きまとっています。

 

 前記“200日移動平均線への回帰の有無”を鑑みつつも、“22日安値(0.84019ドル ⑨)”を割り込めば下落が加速する可能性は十分…?

 

(2017年2月24日執筆)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • シェアする
  • 【この記事のURL】
2/10
2017

雰囲気一変 - “株高・円安トレンドへの回帰”は目前…!?

トランプ大統領の政策について、年明け以降のマーケットは“保護主義”をクローズアップしてきました。その結果、“貿易不均衡⇒円高/ドル安”ばかりが囃され、それが思いのほか長引きました。“仏・独の政局不安”“ギリシャ財政懸念”等まで持ち出され、ドル円は一時111円半ばへと突き落とされました(①)。“11/9~12/15の38.2%押し(111.986円 ②)”を明確に割り込んだ格好なだけに、“もう一段の下値追い”が意識された(③)のはいうまでもないところです。

 

20170210take1
図①

 

ところが昨日(9日)、トランプ大統領は「2-3週間以内に驚くべき税制案を発表」と発言しました。 “大型減税”への期待感から“リスク選好ムード”が誘われ、ドル円が大きく巻き戻しています。昨年の米大統領選後から始まった、いわゆる“トランプラリー”の復活を思わせるような動きで113円後半へと押し戻されたさまは、マーケットの雰囲気が一変した感があります。(④)。

 

こうした中、いよいよ日米首脳会談が行われます。ポイントは「為替が議題として上がるか」と見られていますが、依然として見方は割れており、思惑も交錯したままです。

 

トランプ政権が「保護主義 or 米金利先高観(日米金利格差)のいずれに重点を置くか?」は“現時点では不透明”といわざるを得ず、決め打ちは禁物です。ただ会談翌日にゴルフがセッティングされているように、直近は“融和ムード”を演出しているようにも見えます。何しろトランプ大統領については良識を欠いた発言があとを絶ちませんので“ファンダメンタルズから探るのは難しい”といわざるを得ませんが、“為替は主議題にはならない⇒大型減税への期待感が勝る⇒ドル買い戻し”への期待は募るところです。

 

20170210take2
図②

 

テクニカルを見ると、日足・一目均衡表先行スパンの分厚い雲の中で推移している格好になります(⑤)。 “かなり中途半端な水準”といわざるを得ず、前記“11/9~12/15の38.2%押し”を明確に割り込んだことによる“同50%押し(109.924円 ⑥)”に向けた再下落への思惑(⑦)も根強いものがあります。それでも“111円台で下げ渋り⇒113円後半に反発”を見せたことで、“下値不安が和らいだ”のは事実です。

 

20170210take3
図③

 

週足に目を転じると、“一目均衡表先行スパンの雲上限(111.314円 ⑧)”にサポートされていることが窺えます。
これは“トランプラリーの初押し(11/28安値:111.351円 ⑨)ともほぼ合致する水準になります。110円の大台割れを窺うには「もう一つ大きな関門あり」ということにもなります。

 

20170210take4
図④

 

結果次第であり、特に週跨ぎのポジションには細心の注意を払う必要もありますが、“首脳会談は決裂⇒ゴルフもキャンセル“といった事態にでもならない限り、“上方向を窺う必須要件: 1/27~2/7の61.8%戻し(113.942円)突破 ”への期待は十分…。“株高・円安へのトレンド回帰は、もう目前”と考えたいところです。

 

(2017年2月10日執筆)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • シェアする
  • 【この記事のURL】
1/27
2017

ドル円により影響を与えるのは、“リスク回避/選好”と“日米金利格差”…!

 トランプ新政権を巡る思惑は、依然として“期待と不安”が交錯しています。

 

 昨年11月以降、トランプ期待を背景に大きく上昇したドル円ですが、経済・財政を巡る具体策が一向に見えてこない中、“保護主義⇒ドル安”への思惑が前面に押し出されています。就任式前のポジション調整が重なったこともあり、ドル円は“118.658円⇒112.526円”へと大きく押し下げられました(①)。一方で“大型減税&インフラ投資”への期待感は依然として根強く、大きく崩れるには至っておりません。再び下値を拡大しつつあったドル円は“112円を割り切れずに反発”、しかしながら“115円台では上値を伸ばせずに押し戻される”といった具合で、1月末を迎えつつあります(②)。

 

take01

 

 “保護主義=輸出増による経済成長”と考えれば、“ドル安”が囃されるのは至って自然な流れです。2014年半ば以降「ドル高が米企業収益を圧迫」しているのも事実ですので、「ドル売りの思惑はそう簡単には払拭しない」でしょう。しかしトランプ大統領は“雇用・生産・投資の増加⇒米国内に企業(産業)を回帰(※ドル高要因となる)”という“相反する政策”も謳っており、これが“トランプ期待の源泉”となっています。詳細が出てこない以上“期待外れ感の台頭”はやむを得ませんが、ハッキリしないということは“失望感にも至りづらい”、つまりは“期待感は残る”と考えるのが自然です。そうなるとこちらも「期待感もそう簡単には払拭しない」ということになります。

 

take02

 

 テクニカル的に見ると、“ダブルトップ(12/15高値-1/3高値)”を形成して(③)下げてきたものの、“11/9~12/15の38.2%押し(111.986円 ④)”には至っておりません。一方でここにきてにわかに“ダブルボトム(1/18安値-1/24安値 ⑤)”を形成しつつありますが、完成となる“ネックライン(1/19高値:115.613円 ⑥)”にはまだ達しておりません。こうして“概ね112-116円のレンジ推移”となり、方向感が定まっていない状況だけに“目先は不安定な揺れ動き”を覚悟せざるを得なくなっています。

 

 それでも「NYダウは2万ドルを突破」「米10年債利回りも一時2.55%台へ急上昇」等、現状は“リスク回避に傾斜”する地合いではありません。そして25日のように“連動しない”ことがあったとしても、ドル円の方向性に最も影響を与えるのはやはり“リスク回避/選好の有無”と“日米金利格差”、それも“インフレ率を差し引いた実質金利の日米格差”です。

 

 米景気は回復基調を維持し、労働市場は逼迫しつつあります。これに伴いFRBは「2019年末まで年2~3回の利上げペース」を想定していますが、前記“インフラ投資”等がこれに重なるようなことがあると“ドル買いに拍車”がかかる可能性は否めない…?一方で日銀は27日、国債買い入れオペにて5-10年債の買い入れを400億円増額しましたが、一部で囃された“量的緩和の規模縮小(テーパリング)”を希薄化させるには十分…?

 

 “保護主義/米金利先高観(日米金利格差)”のどちらに重点を置くか?で方向感は変わってきますが、112.50円付近には本邦勢の巨大なドル買いオーダーも観測されています。トランプ大統領の就任式前後から調整を演じてきたドル円ですが、“早晩、ドル高トレンドに回帰”への期待は、やはり高まるばかりです。

 

(2017年1月27日執筆)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • シェアする
  • 【この記事のURL】

ブロガープロフィール

武市 佳史

ファイナンシャル・プランナー 武市 佳史(takechi yoshifumi)

大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)、テクニカルアナリスト。
日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。数多くの一般投資家と接しながら、現在はFX大手「マネーパートナーズ」のチーフアナリストとして、為替コラム執筆やWebセミナー講師を務めるのみならず、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。「初心者には分かり易く、上級者も納得」がモットー。