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迷ったらココ!期間限定

2/2
2018

イメージはまだ“下方向”に傾斜中、ただ大きく戻す可能性を秘めた“分水嶺”に接近中…!?

 ドル円は年初こそ113.380円(1/8高値)へ上値を伸ばしたものの、その後はほぼ一貫して下値を模索しました(①)。米暫定予算への懸念/日銀緩和縮小観測(いわゆる日銀出口への思惑)/ドル安政策への転換懸念等…、「手を変え、品を変え」をしながらの下値追いは「ドル安は貿易にとってよいこと(ムニューシン米財務長官)」発言で110円の大台ラインを割れ、「ようやくインフレ目標(2%)に近付いてきた(黒田日銀総裁)」発言で108.266円(1/26安値)まで拡大しています(②)。

 

 もっとも「手を変え、品を変え」の部分(下値追い材料)は、ここに来て“一つ一つ剥落もしくは後退”に転じつつあります。その結果、ドル円相場は下げ渋りに転じており、日銀/トランプ大統領の“火消し”も後押し要因となっています。さらにFOMC声明(31日)で「物価見通しが引き上げ」られたことで、無視されてきた米金利先高観にもようやくスポットライトが当たり始めました。米10年国債利回りが2014年4月以来の2.80%乗せを試す中、ドル円は109.746円(2/1高値)まで値を戻すに至っています(③)。

 

20180202take1(日足)

 

 こうした中、本日は米雇用統計が予定されています。事前予想は「非農業部門雇用者数(+18.0万人)」「失業率(4.1%)」「時間当たり平均賃金(+0.2%/前年比+2.6%)」となっており、まずはここからの乖離具合がポイントと見られます。ただ直近の同指標は“量⇒質”へとポイントが変化していることもあり、より注目されるのは「時間当たり平均賃金(+0.2%/前年比+2.6%)」ということになります。

 

 ここで注目したいのが、前記FOMC声明です。「(インフレ率は)2%をいく分下回ったまま」だったものが、「2%程度で安定すると見込まれる」に変わったことで、“米金利先高観”にもようやくスポットライトが当たり始めた感があります。

 

20180202take2(Fedウォッチ)

 

 もちろん金利先物市場から見た3月利上げの織り込み度はすでに「約78%(④)」に達しており、これがテーマであれば影響は軽微でしょう。しかしながら“予想以上に利上げペースが早まる可能性”に発展する可能性が指摘される中、年4回利上げの織り込み度はわずか「約21%(⑤)」に過ぎません。これに波及するようなことがあれば、大きなサプライズとなっても不思議ではないことになります。

 

20180202take3(日足)

 

 テクニカルに話を戻します。昨日上値を押さえられた109.75円水準(⑥)は、「1/26高値(109.765円 ⑦)」のみならず、「1/8高値-1/23高値を結ぶ下落トレンド(109.70円)」および「日足・一目均衡表転換線(109.725円)」とも合致(⑧)する、いわゆる“重要な節目”に当たります。特に前者のローソク足は“上下に髭を持つ長大陰線”を描き(⑨)、その後は“高値/安値”共に抜かれておりません。つまりその後に描かれたローソク足5本で「孕み(はらみ)線」を形成している格好であり、「陰の陽孕み」と呼ばれる形状といえます(⑩)。「何かのキッカケさえあれば、上昇トレンドに転換」が示唆される形状です。

 

そうした中で行われるのが、本日の米雇用統計です。直近はしょぼいものが続く同指標ですが、キッカケくらいにはならないか…?“上限(109.765円)”を明確に突破できれば文句なし(⑪)、仮に越え切れなくても“(終値ベースで)実体部分の上限(1/26始値:109.407円)を維持(⑫)”できれば、来週以降の期待が残る…。もちろん割り込むと“1/26安値(108.277円)割れ⇒昨年9/8安値(107.319円)を窺う(⑬)”となる可能性もゼロではありませんが、冒頭で記したように“(下値追い材料)は一つ一つ剥落もしくは後退”へと転じつつあります。

 

20180202take4(週足)

 

 イメージはまだ下方向に傾斜し続けていますが、次なるターゲットは“心理的な節目(110円ライン)”ではなく、“週足で見た孕み線の上限(111.216円 ⑭)”と考えたいところです。“明確に抜ければ”という前提はついて回りますが…。

 

(2018年2月2日執筆)

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12/29
2017

2018年最初のテクニカルポイントは“ダブルトップの完成or否定”…!?

 「米利上げ(12月FOMCでも25bpUP、2017年は計3回)」「2018年見通し(ドットチャート)も年3回据え置き」「米税制改革法案可決/成立」を背景に、前回掲載した以降のドル円は上値を探る展開になりました。しかし抜け切るには至っておらず、現在は上値を押さえられています。

 

20171229take1

 

 日足・一目均衡表先行スパンの“雲割れ回避”が反発を促した(①)ものの、明確に上抜けるには至っておりません。「膠着状態は変わっていない」ということになりますが、直近の“再び113円割れ(②)”を見れば、“上値が重い”がより囃されやすいのは事実です。

 

 もっとも「113円ラインより上で推移? or 下で推移?」に関しては、テクニカル的にはさほど大きな意味を持ちません。前記“日足・一目均衡表先行スパンの雲(執筆時は112.142-694円 ③)”でも割り込んで来ればまた話は変わってきますが、現時点では“20/50日移動平均線(同112.970-983円 ④)”を下回ったにすぎないからです。…にもかかわらず、“上値が重い”ばかりが囃されやすい現状は、押し目を拾うには絶好のチャンス…?

 

20171229take2

 

 振り返るってみると、今年(2017年)のドル円は“わずか11.287円の変動幅”に留まりました(⑤)。変動率に直すと“過去20年で下から3番目(9.4%)”であり、動意に乏しい一年だったといえます。日米金利格差を背景にした“円売り”と、緩やかな上昇に留まる米インフレからくる“高まらない米金利先高期待(ドル売り)”が引っ張り合い、「動くに動けなかった」というのが実状かもしれません。

 

 ただ同じように小動きに留まった“2015年(約10円/8.2%)”“2006年(10.9円/9.2%)”の翌年(つまり2016年/2007年)を見れば、“急変動”とはいわないまでも“そこそこ動いて(22.6円・18.8%/17円・14.2%)”いることが窺えます。あくまでアノマリーに過ぎませんが、「来年は動く」への期待は募るところです。

 

20171229take3

 

 再び日足・一目均衡表に目を転じると、まもなく“先行スパンの雲”に“ネジレ(112.480円水準 ⑥)”が生じています。それもちょうど“年末・年始(つまり流動性の乏しい時期 ⑦)”に当たっています。“変化日”として注目されるテクニカルラインであるだけに、今年も「年末・年初の急変動には要警戒」といえそうです。

 

 ポイントは、上方向が“ダブルトップ(⑧)の否定(12/12高値:113.747円)” “11/6高値(114.733円)”、下方向が“前記ネジレ(112.480円”“ダブルトップのネックライン(12/15安値:112.031円)”と見られますが、後者にはまもなく“100日移動平均線(同111.966円 ⑨)”も重なります。

 

 “米インフラ投資計画”、税制改革に盛り込まれた“本国投資法第2弾(いわゆるHIA2)”等、年明け以降は「ポジティブ要因が囃されやすい」と考えます。また日足・週足共に「先行スパンの雲の上」という状況もあって、個人的には「再び、上値模索が優勢」とも考えています。ただテクニカル的な観点で見ると、まだ「ダブルトップの否定(113.747円越え ⑩)/ダブルトップ完成(112.031円割れ ⑪)を見極める必要あり」といえそうです。

 

(2017年12月29日執筆)

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11/17
2017

日足だと“売り優勢”に見えるが…? ‐ 積極的に買い下がりたい局面…!?

 日本における「衆院選・与党圧勝」を受け、世界的な“株高の連鎖”がもたらされました。「与党優勢」が伝わるなかで日経平均が約26年ぶりの2万3300円台へと駆け上がる中、上値の重かったドル円も前回時に期待した114円半ば水準へと上値を伸ばしました(①)。しかし流石に過熱感が囃されたことで日経平均は反落、米税制改革法案を巡る不透明感に伴うドル売りも重なり、ドル円は再び112円台へと押し戻されています(②)。

 

20171117take01

 

 米税制改革法案は「米下院では可決(16日)」しましたので、これを巡る不透明感は“幾分和らいだ”と考えることは可能です。しかし「上院の行方は不透明(というより、かなり難航しそう?)」は、依然としてついて回ると考えられます。つまり現時点では“継続的なドル買い”にはなりづらく、逆に“上値を押さえる要因”として機能し続ける展開に気を配っておくべきです。

 

 それでも株高の調整に関しては、“一山越した”印象があります。過熱感が緩和したこともありますが、株高調整の主役(?)となったヘッジファンドには“45日ルール(解約する場合、四半期末の45日前までに通告が必要)”があります。12月末決算から逆算した今回の期限は“11月15日”、すでに過ぎてしまっています。米感謝祭(23日)に向けて“もう一段の調整”が入る可能性はゼロではありませんが、“ピークは過ぎた”と考えれば大きな懸念ではありません。

 

20171117take2

 

 日足を見ると、わずかながらも“50日移動平均線(執筆時は112.667円 ③)”を割り込んだ格好であり、形状は決して芳しいとはいえません。112円(④)割れ、ひいては“100&200日移動平均線(同111.73-75円 ⑤)”辺りまでは、すんなりと下落しそうな雰囲気にも見えるところです。

 

20171117take3

 

 しかしながら週足を見ると、見方は一転します。 “50週移動平均線(同112.390円 ⑥)”“先行スパン上限(同112.322円 ⑦)”“200週移動平均線(同112.042円 ⑧)”がその間にビッシリと入り込んでおり、かなり底堅く見えるからです。目先はマーケットをけん引する材料が見当たらず、それでいて下値では本邦機関投資家のドル買いが断続的に観測されています。下値を窺い続けるといった展開は、ちょっと想定しづらいところです。

 

 日米金融当局の立ち位置は、依然として“真反対”を向いています。もちろんそれだけで方向感が決まるわけではありませんが、ドル売り・円買いの流れを阻害する要因であるのは事実です。何かの弾みで112円割れへ下落する場面でもあれば、積極的に買い拾っていきたいところです。

 

(2017年11月17日執筆)

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10/20
2017

取り巻く環境は一変 - トランプラリーが再燃か…?

 今週の初め(16日)まで“上値の重さ”ばかりが目立ったドル円ですが、ようやく“反転の兆し”が見えつつあります。とうとう、前回記載した年初来高値(1/3:118.593円)を基準とする“下落レジスタンス(①)”は抜けてきました(②)。キッカケは、“北朝鮮リスクの後退”です。

 

20171020take01(ドル円・週足)

 

 北朝鮮は今年、“中国のイベント”に対して、ことごとく挑発行動をぶつけてきました。「全人代(全国人民代表大会、3月)」「中国が提唱する巨大経済圏構想《一帯一路》をテーマとする国際会議(5月)」「中国南部で開催のBRICS首脳会議(9月)」…。「中国共産党大会(10月18日~)」を前に“北朝鮮リスク”が囃されたのは、“ある意味で当然”といえるかもしれません。しかし今回に関しては、「(挑発行動ではなく)祝電を送った」と報じられました。

 

もちろん“早期払拭が期待薄”といった類の後退ですので“楽観は禁物”ですが、“北朝鮮リスク”を除けば、マーケットは“世界的な株高⇒リスク選好の円売り”が囃されやすい環境であったのは事実です。“上値のつかえが取れた”という現状は、「いつリスク回避に傾斜するかわからない」を前提に構築したポジション(ドル売り/円買い)を“巻き戻す”には絶好の材料(要因)・・・。

 

こうしてマーケットテーマは、次の金利先高観」「次期FRB議長争い」、そして「トランプ減税への期待」へと移行していきました。この中でもう一つ、“反転の兆し”が窺えつつあります。「トランプ減税への期待」です。

 

20171020take02(ドル円・1時間足)

 

 「米上院は19日(日本時間20日)、2018年度の連邦予算決議案を可決」。この報道を機に、112円半ばへ押し下げられていたドル円(③)は、再び113円台へと駆け上りました(④)。野党(現在は民主党)の議事妨害回避に向けて、上院では通常「60票が必要(全100票)」とされています。しかし今回の予算決議案通過で、ハードルは「過半数(51票)」にまで下がりました。 決して“一枚岩”というわけではありませんが、現時点における与党(同共和党)の保有議席は「52議席」。「野党を巻き込むことなく、与党だけで可決が可能」というステータスへの移行は、かなりのインパクトを秘めています。

 

20171020take03(ドル円・日足)

 

20171020take04(ドル円・週足)

 

 日足を見ても、“200日移動平均線(執筆時は111.739円 ⑤)”で跳ね返された後、“20日移動平均線(同112.511円 ⑥)”を明確に超えてきた格好となっています。そして「NZ情勢(政権交代)」「カタルーニャ懸念(自治権剥奪?)」を背景に利益確定売りが先行した昨日(19日)の反落でも、“20日移動平均線”ではしっかりと支えられました(⑦)。

 

「米金利先高観」には“今後の経済指標次第”、「次期FRB議長争い」には“トランプ大統領の腹一つ”という“不透明感”が残っていますので、 “一気の上値模索”とはまだいかないかもしれません。それでも「トランプ減税への期待」は、昨年のトランプラリーと“同じシナリオ(要因)”…。

 

“113円台”で直近は上値を押さえられてきましたが(⑧)、少なくとも“5月/7月に跳ね返された114円半ば ⑨”までは意識される…?そして、さらに突破できれば“年末に向けて年初来高値(118.593円 ⑩)トライ”も期待できる…?“上値の重さ”は依然として囃され続けていますが、「取り巻く環境は一変した」と考えたいところです。

 

(2017年10月20日執筆)

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10/6
2017

「抜ける?or抜けない?」で大違い - 113円は大きな分水嶺

 米雇用統計を控え、“様子見ムード”が続いています。

 

20171006take1

 

 昨日はこれに伴った“利益確定売り”が優勢となり、一時112.40円水準へと下押す場面も見られました(①)。しかし最終的には112円後半へ押し戻される(②)など、底堅い動きも続いています。一方で先ほどは113円台を回復する場面も見られています(③)が、「積極的に買い上げていこう」といった動きは現時点で見られておりません。このため「上値重いが、下値も堅い」を地で往く動きといえます。

 

20171006take2

 

 先月7日(107.319円)からの上昇(戻り)は、実に“6円”に届こうかといったものです(④)。今年の変動幅が“およそ11円”であることを考えれば“半分超も戻した”格好ですので、値幅的には「明らかに買われ過ぎ」の部類に入ります。また“わずか1か月”という時間を考えれば、「スピード違反(早すぎる)」のおまけまでつく可能性もあります。さらに売り込まれた際の直接的な要因(北朝鮮に絡んだリスク回避姿勢)が“払拭されていない(一時に比べると後退はしていますが…)”ということまで考えれば、「いつ反落してもおかしくない」という見方も十分に成り立つところです。これが上値を押さえる要因として機能している感があり、現在の「上値の重さ」を演出しています。

 

 それでもマーケットテーマは、すでに“米利上げ観測”“次期FRB議長への思惑”、そして“税制改革への期待感”へ移行した印象があります。いずれも“米国(ドル)主体”のテーマであり、“地政学的リスク”は隅に追いやられてしまった印象さえあります。そして“米利上げ観測”に関しては、「今後の米経済指標次第」という面はあるものの、直近の指標は悪くありません(というよりも好内容が続出…)。

 

 こうした中、本日は米雇用統計が予定されています。事前予想は「非農業部門雇用者数:+8.0万人」「失業率:4.4%」「時間当たり平均賃金:+0.3%」となっており、まずはここからの乖離具合がポイントということになります。いつもに比べて“予想数値が低く”なっているのが印象的ですが、これは“米ハリケーン”が影響しているからです。つまり“一時的”といった要素が多く含まれている格好であり、仮に“ネガティブ”となっても「一時的かつ限定的」との思惑が期待できるところです。一方で“ポジティブ”ともなれば「過敏に反応」する展開も可能と見られるだけに、上方向を期待する向きにとっては“都合のいいマーケット環境”といえるかもしれません。

 

 さらに天災の影響は読みにくく、予想数値は相当割れています。前記非農業部門雇用者数の“+8.0万人”はあくまでも「中央値」であり、「最高(+15.3万人)/最低(△4.5万人)」とかなりの幅があります。直近の米雇用統計は“ショボイ動き”が散見されますが、今回に関しては「大きくブレる可能性有」…?そして結果次第ではありますが、「ネガティブよりも、ポジティブの影響が大きい」…?

 

20171006take3

 

 チャートに話を戻します。現状で上値を押さえている113円水準(⑤)には、一目均衡表や移動平均線をかけても、日足・週足共に主だった抵抗ラインが見当たりません。しかし年初来高値(1/3:118.593円)を基準とした“下落レジスタンス(⑥)”は、113.00-10円を通っています。

 

 これが行く手を邪魔する要因(⑦)として機能しているわけですが、前回も記したようにテクニカルの判断の基準は“あくまで終値”…。節目の「115円」さらには「年初来高値(118円)」に向けたさらなる上昇を期待するためにも、少なくとも本日終値段階で「113円維持」を達成しておきたいところです。

 

(2017年10月6日執筆)

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ブロガープロフィール

武市 佳史

ファイナンシャル・プランナー 武市 佳史(takechi yoshifumi)

大阪府出身。ファイナンシャル・プランナー(AFP)、テクニカルアナリスト。
日本におけるFX(外国為替証拠金取引)の草創期より業務に従事。数多くの一般投資家と接しながら、現在はFX大手「マネーパートナーズ」のチーフアナリストとして、為替コラム執筆やWebセミナー講師を務めるのみならず、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿している。「初心者には分かり易く、上級者も納得」がモットー。