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9/12
2017

ドル円は110円台を回復

フロリダ州に上陸したハリケーン・イルマが熱帯低気圧に勢力を弱めたことや、被害規模が当初予想から相当減少するとの見方が広がったことで、リスクオンの動きが広がりショート勢の買戻しが加速した。

 

米国の保険株はハリケーンの被害で、被害額が年間の収益を超えた場合は新たな資金調達が必要になるのではないかとも言われており下落していたが、昨晩は買い戻され金融株が全般的に上昇しダウは1.19%、SP500は1.08%、ナスダックは1.13%の上昇と3市場そろっての大幅上昇となった。

 

株価の上昇もあったが、この日行われた米3年債の入札は応札倍率が2.7倍と4月以来の低水準、各国中央銀行を含む間接入札比率が46.2%と前回の64.1%、平均の53.2%を下回る低調の入札結果となった。これらを受けて10年債利回りは前日の2.061%から2.123%に上昇したこともドルのサポート材料となった。

 

今週は12日に200億ドルの10年債入札、13日は120億ドルの30年債入札が控えており、こちらも米国の長期金利に影響を与えるために注目される。

 

また国連の安全保障理事会では北朝鮮に対する追加制裁決議案を全会一致で採択した。米国は当初はより厳しい制裁決議案をまとめていたが、中国とロシアの支持を得るために、原油の前面輸入制限などを取り下げたために、北朝鮮問題に対するリスク要因も後退したことで株高、ドル高の動きとなった。

 

先週のドル円は107.30付近まで下落した後に、昨日は108円台を回復した。北朝鮮の核実験を受けた9月4日の東京市場では、前週のニューヨークの終値110.20付近から109.50にギャップを開けて下落した。そしてこのギャップを埋めることなくドル円は下落して107.31付近の安値をつけた。このギャップの109.50~110.20のゾーンを抜けられるかどうかが重要なポイントとなろう。また7月11日の高値114.495~9月8日の安値107.31の61.8%戻しも110.10付近となっている。このギャップがレジスタンスになればドル円は107~110のレンジ。上抜けすることができれば110~112のレンジになるのではないかと見ている。

 

ニューヨーク市場に入り110円台を回復しているが、110.20~30が抜けられるかどうかが試されている。

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6/29
2017

タカ派にびっくり

執筆中の29日深夜3時ですが、ダウは170ドル安(-0.8%)SP500は22ポイント安(-0.92%)、ナスダックは112ポイント安(-1.81%)と米国株は急落しています。

 

株の下落にもかかわらず長期金利が上昇しており、長期金利の上昇で恩恵を受ける銀行株は上昇していますが、ハイテク株、バイオ株などは総崩れです。
通常株が崩れると資金の逃避先は債券市場ですから国債は買われて長期金利は下がるのですがそうなってないところが根が深いのです。

 

今月のFOMCでは利上げと今年度中の緩和縮小が発表されました。また今週のドラギ総裁のデフレからリフレの状況に変化した。カーニー英中銀総裁の英国経済が完全稼動に近づくにつれ中銀は利上げを実施する必要が出てくる可能性があり、金融政策委員会は無効数ヶ月以内に討議すると発言しました。
この各国中銀のタカ派的なスタンスに株式市場はそれほど反応していませんでしたが、今日になっていきなり反応しだしました。
米国株だけではなく本日の欧州株式市場はドイツDAXが-1.8%、フランスCAC40が-1.88%など軒並み下落しています。
この株式の下落を受けて112.80付近まで上昇していたドル円は112円割れに下落。128.80付近まで上昇していたユーロ円も128円割れまで下落しました。

 

ドラギ総裁の発言以来、ユーロ主導の動きでユーロ円などクロス円も総じて急上昇し、クロス円の上昇を受けてそる円も上昇していました。
各国の中央銀行が引締めスタンスを確認する中でひとり日銀だけが緩和策の計座区ということで円全面安の流れが続いていました。
しかしさすがにこの株の下落を受けてリスクオフ的な円買いとなりドル円、クロス円が下落しています。

 

とはいえダウの下落はわずか1%弱、ナスダックも2%弱です。株価の下落が止まれば再びクロス円を中心とした円売りの流れが復活するものと思われます。
当面、ユーロ円は126~131、ドル円は110~114のレンジで動くのではないでしょうか。

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6/28
2017

ユーロの上昇が本格的になったか

ユーロの上昇が本格的になったか?

 

先々週のFOMC、日銀政策決定会合、BOEの金融政策委員会というイベントを経て、市場は変動率が落ちて小動きになっている。

 

マーケットが次のテーマを探している状況だが、昨年6月のブレグジットから始まり、トランプ大統領の誕生、マクロン・フランス大統領の誕生など政治リスクが市場を動かす状況がひと段落ついた状況になった。

 

ここからの市場が注目するのは、やはり各国の金融政策になってくると思われる。13~14日のFOMCで予想通り利上げがあり、今年後1回の利上げとバランスシートの縮小による正常化を年内開始することが決定されたが開始時期は未定となっている。そこで今後の米国の経済指標の行方が注目され、指標の動きに一喜一憂する展開がしばらく続こう。

 

またECB理事会ではインフレ予想を下方修正し、ドラギECB総裁も、金融緩和の正常化の具体的議論をなかったと述べたことで、ユーロドルの頭は抑えられた。しかし押し目も限定的で高値圏で推移している。
15日にはBOEの金融政策委員会で0.25%の据え置きが決まったが、5対3の票決で、フォーブス委員、マカファーティ委員、サンダース委員が利上げを主張した。フォーブス委員は、その後もタカ派的なコメントを述べた。一方で20日にはカーニーBOE総裁が、インフレ圧力は緩和されており利上げのときではないとハト派的なコメントを述べたことでポンドは急落したが、BOE内も意見が割れているようだ。

 

そんな中で27日にはドラギECB総裁が、和策の調整に慎重になるべきと述べたが、ユーロ圏の回復が強まっている可能性、デフレの圧力が変わったなどと発言。タカ派の発言二ユーロドルは1.13台に上昇しドル売りとなった。しかしドル円は111円台前半がサポートされたことで112円台を回復した。結果ユーロ円などのクロス円が上昇しドル売り、円売りの流れとなっている。

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5/22
2017

トランプ大統領とロシアンゲート

就任前からお騒がせのトランプ大統領周辺が、さらにきな臭くなってきたのが先週のマーケットでした。ま~マスコミはFOXニュースなど一部の保守系報道機関を除き反トランプですからトランプ大統領に対するアンチな報道がヒートアップしました。

 

先週のキーワードはロシアンゲート。これはニクソン大統領が辞任した1970年代のウォーターゲート事件をもじったネーミングです。
概要を説明すると、まずは解任されたコミー前FBI長官が、トランプ陣営とロシアの関係や、米大統領選挙でのロシアの関与を捜査していたことから捜査妨害ではないかとの疑惑があがりました。

 

またトランプ大統領とラブロフ・ロシア外相との会談で機密情報がロシアに漏洩していた疑惑も広がりました。
17日には司法省がモラー元FBI長官を特別検察官に任命しました。
ただ大統領に対する弾劾裁判ですが、合衆国憲法第1章2条第5項で、弾劾の訴追の権限は下院にあるとしています。下院で審議し賛成が半数を超えれば実施が決まります。

 

下院は435議席で共和党が241、民主党が194で、来年中間選挙があり選挙民の動向に敏感な下院とはいえそう簡単に半数は取れるかどうか。
また合衆国憲法第1章第3条6項に弾劾裁判を行う権限は上院の属する、大統領が弾劾裁判を受けるとき3分の2の賛成が無ければ有罪になることは無いとされています。
現状米上院は100議席のうち共和党52、民主党48となっており、3分の2は67議席です
これだけ見ると現状では弾劾裁判の実施、有罪に持ち込むのはかなりハードルが高いように思えます。

 

特別検察官が設置されたことで、この問題は今後も長引き市場に影響を与えることになるでしょう。しかし今回の動きは、まずは米国の政治不信からドル安、そして欧州、米国株が崩れたことによりリスクオフの流れとなりクロス円も下落し円高となりました。

 

ドル円が3月15日以来の114円台に上昇したこと、ユーロ円が昨年4月以来の125円台に上昇しました。日経平均が2万円に近づき16日には騰落レシオが145に上昇しました。また日経平均は25日移動平均線との乖離率が5%付近に高止まりするなど、為替、株価ともに高値圏で一服感があったところにでたトランプ大統領のロシアンゲートが調整の引き金になったと思われます。

 

ロシアンゲートだけで、為替、株価が暴落するとは思えず、一進一退の動きが続くのではないかと思われます。

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3/21
2017

イベントを通過して

直近の為替相場のテーマはコレ!イベントを通過して

 

14~15日に行われたFOMCでは予想通りFF金利を0.25%引き上げ誘導目標を0.75~1%とした。利上げは予想通りだったが、FOMCのスタンスは市場が予想していたよりはハト派的と見られ、そのことがドルの下落を加速させた。

 

まず発表されたドットチャートでは、2017年末のFF金利の水準が1.25~1.5%の位置に9人のメンバーが表示された。2016年12月の時点と中央値の変更なしで2017~2018でそれぞれ3回の利上げ予想となった。平均値では2017年は1.368→1.404%へ、2018年は2.228→2.316%に上方修正された。
平均値ではやや上昇となったが事前に2017年で4回の利上げ可能性の思惑が広がったにもかかわらず年3回となったことで米長期金利が低下し(10年債利回りは2.6%→2.5%に低下)たことでドル円は114円台から113円台に下落した。ドルインデックスは週間では101.34→100.31に1.04%の下落となった。

 

週末はドイツでG20が行われた。米国の強い姿勢と他の国とのスタンスのずれが見られたが、それが対立というところまで加速しなかった。一方で為替に関しては従来の文言を踏襲し、為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済および金融の安定に対して悪影響を与ええることを再確認する、為替市場に関して緊密に協議する、通貨の競争的な切り下げを回避することや競争力のために為替レートを目標にしない、これらを含む以前の為替相場のコミットメントを再確認するとした。

 

為替に関して通貨安政策を牽制していたトランプ政権だが、今回のG20では為替に関しての文言の変更は無く、とりあえずこれを受けて大きな変動にはつながらないだろう。
FOMCまでの利上げ期待によるドル高の調整が今行われているところだろう。
週明けのアジア市場ではG20の結果を受けてややドル売りが進んでいるが、大きな動きとはなっていない。

 

今週は月曜日のエバンズ・シカゴ連銀総裁から始まり、多くの地区連銀総裁の発言が予定されている。また23日にはイエレンFRB議長の発言が予定されており、先週のFOMCに関して再度メンバーたちの発言があり、これにより市場が動く可能性が高いので注目したい。

 

今週はFOMC以降のドル安の流れが継続しているが、それがどこまで続くのか、あるいは依然としてレンジなのか見極める週となろう。
112円台に下落したドル円だが112.50割れからは本邦蚊の買いも出ており111~115のレンジが継続しているのではないだろうか。

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ブロガープロフィール

田代 岳

アナリスト 田代 岳(tashiro gaku)

シティバンク銀行、スタンダード・チャータード銀行で、金融、マーケット部門で仕事をし、為替ディーラーとして活躍。マーケット部門の中で外国為替、金利、債券の取引を行い、資金の運用を担当した経験を活かして、日本の個人や中小企業に正しい金融情報を伝え、日本人の資金の有効活用、しいては金融で日本人を元気にすることが使命であると考えている。投資家向けのみならず、現在は一般の方や中小企業向けにわかりやすく話す講演やセミナーも人気である。

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